2022年2月10日 衆院 議院運営委員会 高齢者施設でのクラスター防止へ、PCR頻回検査の頻度アップ、抗原検査キット供給、HEPAフィルターつき空気清浄機の緊急活用と支援を
衆参両院の議院運営委員会は10日、まん延防止等重点措置の13都県での期間延長と高知県への適用にあたり、政府から報告をうけ質疑をしました。日本共産党からは宮本徹衆院議員、山添拓参院議員が質問しました。
宮本氏は、命を守る上で、高齢者・障害者施設での感染対策がきわめて重要だが、抗原検査キットが不足し、購入を申し込んでも長く待たされる状況だと指摘。「国と自治体が協力し、至急キットが届くようにすべきだ」と求めました。山際大志郎経済再生相は「必要なところに検査キットが届くよう努力する」と述べました。
宮本氏は、施設等のエアロゾル感染対策で、高性能のHEPAフィルター付き空気清浄機の活用と購入支援を求めました。山際担当相は、「知事の判断でやろうとなれば国のお金が使える」と答弁。宮本氏が国として具体的な対策を求めると、山際担当相は「検討する」と述べました。宮本氏はまた、濃厚接触者となった医療従事者の待機期間を早めに解除するための検査について、費用負担が発生しないよう行政検査とすることも求めました。
山添氏は、学校などが休校し仕事を休まざるをえない保護者への助成金について質問。申請の簡略化が示されたことは前進としつつ、「申請後に労働局が事業主に休業させたか確認するプロセスがあり改善が必要だ」と求めました。
山添氏は、検査について医療機関でもリスクの高い人を優先せざるを得ない状況だと指摘。PCR検査の能力拡充の目標が必要だと迫りましたが、山際氏は「目標は立てていない」と述べるだけでした。
さらに山添氏は、発熱外来で昨年12月に診療報酬の引き下げが行われ、検査会社に委託する場合の報酬が1万8000円から7000円(4月~)に、院内検査の場合は昨年12月から7000円になり悲鳴が上がっていると指摘。「元に戻すべきだ」と求めました。
山際氏は「いきなり下がったわけではない」などと強弁。山添氏は「この時期に引き下げること自体がコロナ対策への本気を疑わざるをえない。岸田首相はこの委員会にも出てこない」と批判し、「戦略的な方針の全体像を示すべきだ」と求めました。
以上2022年2月11日付赤旗日刊紙より抜粋
≪2022年2月10日 第208回衆院議院運営委員会第8号 議事録≫
○山口委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。命を守る上でも、医療提供体制を守る上でも、高齢者施設、障害者施設等の感染対策が極めて重要であります。まずお伺いしますが、世代時間の短いオミクロン株の下で、高齢者施設等の頻回定期検査について国が示している頻度は十分でしょうか。
○山際国務大臣 何をもって十分かというのは、それぞれの方々、それぞれのお立場によって違うと思いますが、少なくとも私たちがやり得る最善を尽くしているということだけは言えると思います。
○宮本(徹)委員 世代時間は、デルタ株に比べて、もっと言えば従来株と比べてかなり短くなっているわけですから、週一回では到底足りないというのは科学的にははっきり言えると思いますので、御検討をお願いしたいと思います。二つ目に、高齢者施設、障害者施設への抗原検査キットが大変不足しております。今、抗原検査キットの購入を申し込んでどれぐらいで届くか、御存じでしょうか。
○山際国務大臣 これも一概に申し上げるわけにいかないと思いますが、ケース・バイ・ケースで。注文してもなかなか来ないということが事例としてあるということは承知しております。
○宮本(徹)委員 私が昨日聞いたところでも、届くのは再来週だというお話でした。高齢者や障害者の入所施設やグループホームでは、発熱者がいたり、せき込んでいる人がいたら、すぐに抗原検査キットで確認をして、クラスターにしない、そのための努力をしております。抗原検査キットというのは、その点では極めて必要なものになっております。是非、国と自治体と協力して、必要な施設に至急抗原検査キットが届くようにすべきじゃありませんか。
○山際国務大臣 それは完全に同意いたします。何としても、必要なところに遅れることなく検査キットが届くように、今も努力しておりますし、更に努力をしなくてはいけないというふうに思っております。
○宮本(徹)委員 具体的には、更にどういったことをやっておられますか。
○山際国務大臣 現在、今週は四百九十万回だったと思いますが、およそ一日に約七十万回分の検査キットというのが供給されるようになっております。これを一日八十万回まで速やかにまずは伸ばしたいと思っております。また、検査キットそのものは、日本国内の製造だけではなくて、輸入措置というものも取れるわけですから、あらゆる可能性、輸入できないかということを今やっているところでございます。
○宮本(徹)委員 もし手元にキットを持っている自治体があれば、そこからも供出するように働きかけてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○山際国務大臣 先生、これは、どこの自治体も、皆さん、この検査キットというものを確保して、自分の地域における住民の皆様方の健康というものを守りたいと思うのが自然だと思うんですね。ですから、もちろん融通が利くぐらいに大量にお持ちの自治体があるならばいいですけれども、なかなか調整は難しいのではないかと思います。
○宮本(徹)委員 そういうことを言っているわけではなくて、まだ手元にある自治体があれば、自分の自治体の施設にちゃんと優先して届けるようにしてほしいということです。それから、高齢者施設、障害者施設等のエアロゾル感染対策で、換気の徹底などと併せて、HEPAフィルターつきの空気清浄機の活用、購入の緊急の支援を行うべきだと思いますが、いかがですか。
○山際国務大臣 今の仕組みとしては、空気清浄機そのものは、新型コロナウイルス感染症に限らず、感染症対策として日常的に必要なものであるということから、介護報酬の全体の中で見ていく、そういう仕組みになっております。先生の今御指摘いただいたフィルターつきの空気清浄機等々に関して、これは、知事さんの判断で、もしやろうという話になれば、それも国からのお金を使ってやっていただける仕組みにはなっております。
○宮本(徹)委員 これだけ高齢者施設等でクラスターが増えていますので、更にどういう対策ができるのかというのを、尾身さんにもこの間お話はしましたけれども、是非、具体的に検討していただきたいと思うんです。
○山際国務大臣 検討いたします。
○宮本(徹)委員 それから、次ですけれども、医療従事者が濃厚接触者になって、早めに待機を解除するための検査については、行政検査扱いにすべきではありませんか。
○山際国務大臣 行政検査というのは、少し趣が違いますので、検査の種類が行政検査なのかそうではないのかということではなくて、必要な方が確実に検査を受けられるような体制を整備していくということが大事だと思っておりまして、そういう枠組みで今運用させていただいているということでございます。
○宮本(徹)委員 時間ですので終わりますけれども、やはりちゃんと費用負担が医療機関に発生しない形でやらなきゃいけないというふうに思いますので、その点の検討も重ねて求めて、終わりたいと思います。
○山口委員長 これにて発言は終わりました。本日は、これにて散会いたします。