2月17日衆院予算委員会分科会 中期防を超える軍拡 新たな予算枠を批判

 防衛省は17日の衆院予算委員会分科会で、5年間の防衛費の見積もりなどを定める中期防衛力整備計画(中期防)の現時点での試算を公表し、その見通しだと、防衛省の2023年度予算を組めない状況にあることが明らかになりました。日本共産党の宮本徹議員の質問に対する中山泰秀防衛副大臣の答弁。
 防衛省は、中期防での19~23年度の5年間の予算は18年度価格で25兆5千億円を見込んでいました。このうち19~22年度の4年間の予算額は21兆7669億円となり、23年度分となる残額は3兆7331億円だとしています。
 宮本氏は、防衛省が毎年計上する人件費と食料費が2兆1千億円で、すでに契約済みの防衛装備品の23年度分の後年度負担額は2兆7082億円だと指摘。「この二つだけでも4兆8000億円。残額が3兆7331億円ではそもそも防衛省の予算が組めない」と述べました。さらに宮本氏は、政府が中期防を4年で解消し、新たな中期防で予算の枠を作ろうとしていることを厳しく批判。「財政規律が全くない」と主張しました。

以上2022年2月21日付赤旗日刊紙より抜粋

以上2022年2月18日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2022年2月17日 第208国会衆院予算委員会第三分科会第2号 該当部分議事録抜粋≫

○宮本(徹)分科員 ~省略~ ちょっと時間がなくなってまいりましたので、先に進みます。今日、防衛省にも来ていただいております。中期防衛力整備計画では、五年間の防衛関連予算は、平成三十年度価格で二十五兆五千億円、契約額は十七兆一千七百億円としております。お伺いしますけれども、二〇一九年度から二〇二二年度予算案までで、各年度及び四年間の合計の予算と契約額について、平成三十年度価格では幾らになりますか。そして、残り一年ですけれども、残額は幾らということになるでしょうか。
○鬼木副大臣 現行の中期防の下で実施される各年度の予算編成に伴う防衛関係費の総額の平成三十年度価格について、人件費や為替等の影響を考慮した仮の試算額は、令和元年度から令和四年度までの四年間で二十一兆七千六百六十九億円となります。また、その内訳となる各年度の仮の試算額は、令和元年度は五兆三千九百七十二億円、令和二年度は五兆三千九百七億円、令和三年度は五兆七千八百九十億円、令和四年度は五兆一千九百億円となります。その上で、仮に現行の中期防の下で実施される各年度の予算の編成に伴う防衛関係費の総額である二十五兆五千億円から仮の試算額を機械的に差し引いた残額は、三兆七千三百三十一億円となります。次に、現行の中期防を実施するために新たに必要となる事業に係る契約額の総額の平成三十年度価格について、為替等の影響を考慮した仮の試算額は、令和元年度から令和四年度までの四年間で十四兆二百二億円となります。また、その内訳ですが、各年度の仮の試算額は、令和元年度は三兆四千二百八十三億円、令和二年度は三兆四千百八十億円、令和三年度は三兆七千五十二億円、令和四年度は三兆四千六百八十七億円となります。その上で、仮に現行の中期防を実施するために新たに必要となる事業に係る契約額の総額である十七兆一千七百億円から仮の試算額を機械的に差し引いた総額は、三兆一千四百九十八億円となります。中期防は、防衛大綱に定められ……(宮本(徹)分科員「いいです、いいです、そこまででいいです。ちょっと時間がないので」と呼ぶ)いいですか、はい。
○宮本(徹)分科員 今数字を出していただきましたけれども、五年間で二十五兆五千億ということを決めてきたわけですけれども、これまでの四年の支出を引いたら、残っているのは三兆七千三百三十一億ということなんですよね。毎年、防衛省は、人件費と食料費で二兆一千億円かかっております。さらに、これまで様々契約してきたものに基づく二〇二三年度分の後年度負担額は二兆七千八十二億円あるんですね。この二つだけでも四兆八千億になるんですよ。残っている三兆七千三百三十一億円なら、そもそも二〇二三年度は防衛省の予算が組めないという額しか残っていないわけですよね。そういう下で、今の中期防を四年でチャラにして、新たな中期防を作って、また新たな枠をつくっていく、こういうことを皆さんはやろうとしているわけですね。全く財政規律がないじゃないですか。
○鈴木国務大臣 令和四年度を含む各年度の当初予算における防衛費は、現行の中期防に基づきまして、骨太の方針で示された歳出改革の取組を堅持しつつ、所要額を計上しております。他方、現行の中期防期間内において、厳しさを増す安全保障環境等に機動的に対応するため、補正予算により、特に緊要となった経費を追加的に計上してきました。また、総理の所信表明演説において、中期防を国家安全保障戦略や防衛大綱と併せて新たに策定する方針が示されておりますが、こうした方針が示されたのは、我が国の安全保障環境が急速に変化する中、政府一丸となって国民の生命と財産を守り抜くためである、そのように承知をいたしております。今後、新たな中期防等を策定するに当たっては、財政規律の観点も含めまして、国民的な議論を丁寧に積み重ねていくことが重要である、そのように思っています。
○宮本(徹)分科員 財政のキャップを中期防で決めているというのは、やはり歴史的経過があってやってきているわけですよね。その財政のキャップを全く無視するやり方を、この間、安倍政権以来続けてきているというのは、本当に、極めて重大な問題だということを指摘をしておきたいと思います。残り時間が少ないですので、次のテーマに行きます。 ~以下略~