2022年2月21日衆院予算委員会集中審議 年金削減中止の決断を 宮本徹氏が首相に迫る
提出資料1 厚労省ホームページより宮本徹事務所作成(パネル)
提出資料2 防衛省提出資料
提出資料3 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会会議録より宮本徹事務所作成(パネル)
提出資料4 衆議院予算委員会第一分科会議事速報(未定稿)から抜粋
提出資料5 衆議院予算委員会議事速報(未定稿)から抜粋
日本共産党の宮本徹議員は21日の衆院予算委員会で、物価高が国民生活に大きな影響を与えるもと「4月からの年金削減をやめて、据え置くべきだ。政治決断を」と岸田文雄首相に迫りました。
宮本氏は、原油だけでなくパンや冷凍食品なども値上げラッシュで、電気・ガス代や生鮮食品も1年前に比べ1割以上値上がりしていると指摘。日銀の2022年度の消費者物価の見通しは1・1%増の一方、4月からの年金は0・4%減となり、実質1・5%減だと告発しました。
総務省統計の、70歳以上の消費者の生活実態に見合った消費者物価が上がり続けていることも示し、年金削減をやめ、据え置く政治決断を求めました。
岸田首相は、物価高が「高齢者の生活にも影響が出る課題」と認めながら、年金削減は前年の物価や賃金のマイナスを反映したものだとして、将来世代の負担が過重になることを避ける仕組みだと述べるだけでした。
宮本氏は、足元で物価が上がっている状況を踏まえ、年金の据え置きを重ねて要求。財布のひもが緩まない原因として 「年金への不安」を上げた予算委公聴会での公述人の発言を示し、「将来世代や、首相がいう『成長と分配の好循環』を考えても年金水準を低下させる仕組み自体を改めるべきだ」と求めました。
以上2022年2月22日付赤旗日刊紙より抜粋
≪2022年2月21日 第208回衆院予算委員会第17号 議事録≫
○根本委員長 これにて前原君の質疑は終了いたしました。次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。総理の基本的な認識をお伺いします。今、値上げラッシュです。ガソリンだけでなくて、パン、小麦、冷凍食品、カップ麺、トイレットペーパー。消費者物価を見ましても、電気代、ガス代、魚や果物といった生鮮食品、一年前に比べて一割以上上がっている状況でございます。総理、物価高が高齢者の暮らしに大きな影響を与えている、こういう認識はございますか。
○岸田内閣総理大臣 エネルギーを始めとする物価高、これは国民の皆さんの生活に大きな影響を与えるものであると認識をしております。高齢者の方の生活にも影響が出る課題であると認識をいたします。
○宮本(徹)委員 それで、日銀の今年度の消費者物価の見通しは一・一%増、もっと上がるんじゃないかという指摘もたくさんあります。一方で、年金は四月から〇・四%削減ということになっております。つまり、日銀の見通しでいけば、年金は、実質、今年一・五%減と大変厳しい状況です。このパネルに青い線を描いていますけれども、総務省は、七十歳以上の消費者の生活実態に見合った消費者物価というのを出しておりますが、実は、これはずっと上がり続けてきているわけですね、この間。私は、こういう中で年金が減額するというのは本当に厳しい状況を迎えると思いますので、ここは総理に政治決断をしていただいて、年金の減額はやめて、年金は少なくとも据え置く、こういう決断をすべきだと思いますが、いかがですか。
○岸田内閣総理大臣 来年度の年金額改定率はマイナス〇・四%となっておりますが、これは、物価、賃金がマイナスとなったことを反映している数字であります。公的年金制度については、将来世代の負担が過重なものにならないことを避けつつ、長期的な給付と負担のバランスを確保する仕組みとなっています。今後とも、この仕組みの下で年金は支給していかなければならないと認識をしております。
○宮本(徹)委員 今の年金は前年の物価の動向が反映されるわけですけれども、今の足下は、どんどん物価が上がっているという状況じゃないですか。なおかつ、将来世代のことをおっしゃいましたけれども、これは、今回減ったら、当然、若い世代の年金も減っていくということになります。今回、予算委員会の公聴会で公述人の方もお話しされていましたけれども、今、財布のひもが緩まらない大きな原因の一つが、年金への不安があるんだという話がありました。現役世代も少しでも蓄えをつくろうとするということになってしまうわけですよ。ですから、将来世代のことを考えても、そして、総理が言っている成長と分配の好循環ということを考えても、私は、どんどんどんどん年金を、水準を低下させていく、こういう仕組み自体を改めなきゃいけないと思いますし、年金は据え置かなきゃいけないと思いますよ、今年ぐらいは。そういう決断、できないですか。
○岸田内閣総理大臣 先ほど申しましたように、将来世代の負担が過重にならないようにする、あるいは長期的な給付と負担のバランスを確保する、こうした点から、年金の仕組み、これは大事な仕組みであると認識をしています。その上で、物価については政治としてしっかり考えていかなければならない。だからこそ、様々な、エネルギーを始めとする物価対策、考えていくことを申し上げているわけでありますし、そして、何よりも、所得、賃金の引上げが物価の高騰とともに行われなければ、経済の好循環は実現できないということを申し上げている次第であります。
○宮本(徹)委員 物価への対策といって、今、トリガー条項も含めてという話もさっきもありましたけれども、しかし、それだけでは解決しない問題がたくさんあるんです、今の物価高というのは。それ以外も含めて全面的な生活必需品の物価高が始まっているわけですから、そのことへの対策を考えるべきだということを私は申し上げているわけでございます。その上で、次の質問に行きます。敵基地攻撃能力についてお伺いいたします。岸田総理は、泉健太代表への答弁で、集団的自衛権の行使としての敵基地攻撃能力の検討を否定されませんでした。その下で、先日、岸防衛大臣が長妻昭議員への答弁で、我が国の戦闘機が相手国の領空に入って爆弾を落とすことについて、検討の選択肢として排除しない、こう明言されました。極めて重大な答弁だと思います。パネルを見てほしいと思いますけれども、これは、集団的自衛権の是非が問題となった安保法制を審議した際の安倍首相の答弁でございます。「いわば外国に出かけていって空爆を行う、砲撃を加えたり空爆を加える、あるいは撃破するために地上軍を送ってせん滅戦を行うということは、これはまさに必要最小限度を超えるのは明確であり、一般に禁止されている海外派兵に当たる。」こういう答弁をされていたわけですね。岸田総理もこの場で、多分、安倍さんの隣でこの答弁を聞いていましたよね。私もその場で聞いておりました。これまでの政府の考え方からいったら、自衛隊による他国への空爆は、必要最小限度を超えており、明白な憲法違反ですよ。総理、集団的自衛権の行使として、自衛隊による他国への空爆を検討の対象にすること自体が許されないんじゃないですか。
○岸田内閣総理大臣 急速なスピードで変化あるいは進化しているミサイルなどの技術に対しても、国民の命や暮らしを守るために十分な備えができているのか、これは、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討してまいります。御指摘の防衛大臣の答弁については、今般の検討は、憲法及び国際法の範囲内で、日米の基本的な役割分担を維持しつつ行うとの前提の下、あらゆる選択肢を排除せずに行っていくとの趣旨を述べたものであると理解をしております。
○宮本(徹)委員 ですから、憲法の範囲内だったら、空爆などを行うということは検討の対象になりっこないじゃないかということを私は申し上げているわけですよ。これは憲法の範囲外だという、他国への空爆は憲法の範囲外だ、一般に禁止されている海外派兵に当たる、この答弁は当然引き継がれるわけですよね、岸田総理は。
○岸田内閣総理大臣 まず、我が国の武力の行使については、委員御指摘の平和安全法制の議論の中で新三要件に満たされたものしか許されない、これが基本であると認識をしております。その上で、なおかつ、憲法や国際法、そして日米の基本的な役割分担、こうしたものをしっかり守りながら、何ができるのか、国民の命や暮らしを守るためにどこまで対応ができるのか、これをしっかり議論していくことが基本であると認識をしております。
○宮本(徹)委員 ちょっとはっきりさせていただきたいんですよね。ここでさんざん安保法制の問題で議論したんですよ。他国に行くのはホルムズぐらいしか念頭にないんだ、それ以外はやらないんだということと併せて、外国に出かけて空爆を行う、こういうことは必要最小限度を超えるのは明確で、一般に禁止されている海外派兵に当たると。この答弁は引き継ぐのか、引き継がないのか。明言してくださいよ、はっきりと、引き継ぐと。
○岸田内閣総理大臣 政府としては引き継いでおります。そして、具体的な対応を考える上で、憲法、国際法、日米の基本的な役割、これをしっかり守ってまいります、その上で現実的な議論をしてまいります、こうしたことを申し上げております。
○宮本(徹)委員 これを引き継いだということになりますと、防衛大臣の、空爆も選択肢として検討する、検討の対象に入る、この答弁、撤回してくださいよ。
○岸国務大臣 私の答弁に関しましては、これまでも申し上げておりますとおり、今般の検討は、憲法及び国際法の範囲内で、日米の基本的な役割分担を維持しつつ行うという前提の下で、いわゆる選択肢を排除せず行っていくとの趣旨を述べたものでございます。ですから、これまでも申し上げているとおりだと思います。それから、御指摘の安倍元総理の答弁につきましては、自衛隊が武力の行使を目的として、かつての湾岸戦争での戦闘、すなわち大規模な空爆や砲撃を行ったり敵地に攻め入るような行為に参加することは必要最小限度の自衛の措置の範囲を超えるものであって憲法上認められるものではない、したがって、航空優勢や海上優勢を確保するために大規模な空爆などを行うことは新三要件を満たすものではないという考えを述べたものであります。この考えは現在も維持されておるところであります。
○宮本(徹)委員 時間になりましたから午後に続けさせていただきますけれども、今のもちょっとこの答弁と違いますよ。徹底的に議論させていただきます。終わります。
○根本委員長 これにて宮本君の質疑は終了いたしました。