2022年2月17日予算委分科会 ゆうちょ銀行 硬貨取り扱い手数料 苦情など2700件
ゆうちょ銀行が1月17日からあらたにもうけた、硬貨の取り扱いに関する手数料。批判の声が大きくあがっています。日本の寄付文化、駄菓子文化などにとっても、国民の暮らしにとっても大問題と考え、予算委員会の分科会で取り上げました。
○宮本(徹)分科員
残り時間が少ないですので、次のテーマに行きます。
ゆうちょ銀行が、一月十七日から硬貨でATMに入金する際などに手数料を取るなど、新たな手数料を導入いたしました。
ある視覚障害者の方は、こう言っております。
買物のときに端数のお金を一つずつ確認して数えるのに時間がかかるから、お札を出してお釣りをもらう。たまった硬貨は時々ゆうちょの口座に入れてきた。日常生活で普通にやっていることに一々手数料がかかり困る。
あるいは、都内のある就労継続支援B型事業所。利用者さんの工賃を、毎月、工房の口座から金種別に下ろして利用者ごとに封筒に入れて手渡している。工賃は二百円の人もいる。多くて二万円程度。交通費も併せて支払うので、ICカード運賃だと一円単位になる。利用者さんの口座振り込みにすると手数料で足が出てしまうぐらい工賃が少ない人もいるので、現金で手渡している。これを金種別に引き出そうとしたら、もう手数料がかかる事態になってしまったと。
あるいは、ある障害者団体。集めたカンパを活動資金にしているが、集めた募金を自分の口座に入れるだけで目減りしてしまう。
こういう声がたくさん寄せられているわけでございます。駄菓子屋さんからも、あるいは宗教法人からも、困っているという声をたくさん伺うわけでございますが、ゆうちょ銀行にはどういう苦情が寄せられているのか。そして、あわせて、二〇〇五年、郵政民営化法案を可決した際に参院の附帯決議ではこう書いてあったんですね。現行水準が維持され、万が一にも国民の利便に支障が生じないよう
に万全を期すること、こう書いてありました。この国会の附帯決議違反ではないのか。この二点について総務副大臣に御答弁を求めたいと思います。
○中西副大臣 まず、お尋ねの事実関係のみ御紹介をしたいと思いますが、ゆうちょ銀行によれば、硬貨手数料の新設を行った本年一月の一か月間において約二千七百件の苦情、要望が寄せられており、主な内容としては、料金改定に賛同できない、ATMでの硬貨の手数料について、ATM画面上の案内が分かりにくいといった声があると伺っております。
その上で、御指摘の附帯決議におきましては、郵便局ネットワークの維持、郵便局における郵便、貯金、保険サービスの確実な提供、現行水準の維持、国民の利便に支障が生じないことなどを求められているというふうに承知をしております。これらは、郵便局のユニバーサルサービスの維持を図るということが趣旨でございまして、個々の商品の利率とか、あるいは、御指摘の手数料について水準の維持を求めるものではないというふうに我々は承知をしております。
今回の硬貨の手数料の設定が附帯決議に反するものではないというふうに考えておりまして、なお、今回の硬貨の手数料につきましては、総務省の許認可の対象ではなく、ゆうちょ銀行の経営判断で行ったものでありまして、ゆうちょ銀行において利用者の皆さんに丁寧に説明されるべきものと考えております。
○宮本(徹)分科員 もう時間が最後になりますので、最後に一問だけお伺いしますけれども、財務大臣、こういう事態は、やはりどんどん広がるというのはまずいと思いますよ、私は。国民に対して金融機関がこうなっていくのは。一言、最後、政治家として、この問題をどうお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○ 梨主査 鈴木財務大臣、簡潔にお願いします。
○鈴木国務大臣 今の中身につきまして、総務副大臣からお話があったとおりでございますが、こうした硬貨取扱手数料をめぐる動きにつきましては、昨今の各種手数料の設定の動きの中の一つとして、顧客からサービスの対価としてどのような手数料を徴収するかということであって、これは各金融機関における経営判断に基づいて行われるものと承知をいたしておりまして、通貨制度を所管する財務省の立場から評価を申し上げるのは差
し控えたいと思います。
○ 梨主査 もう終了しております。終えてください。
○宮本(徹)分科員 終わりますので。ゆうちょ銀行は、株主は、大半持っているのは国ですからね。終わります。