2022年3月4日 衆院 議院運営委員会 特性ふまえた対応を
衆参両院の議院運営委員会は4日、まん延防止等重点措置の18都道府県での期間延長にあたり、政府から報告を受け、質疑を行いました。日本共産党からは宮本徹衆院議員、田村智子参院議員が質問しました。
宮本氏は「オミクロン株の特性をふまえたリスクコミュニケーションがきわめて大事だ」と述べた上で、オミクロン株の別系統「BA.2」による感染再拡大の可能性を視野に入れた対策が必要だと指摘。「抗原検査キットを全世帯に配布できる規模まで確保すべきだ」と迫りました。
「必要な人が必要なタイミングで受けられる体制をつくることが大切だ」と述べる山際担当相に対し、宮本氏は高齢者施設などの頻回検査について、「1月下旬以降、検査結果が1週間たっても届かない事態があった」と批判。「PCR検査能力をさらに大きく目標を持って引き上げる必要がある」と追及しました。山際担当相は「現在、1日40万回検査できる。いまのところ足りている」と述べるにとどまりました。
宮本氏は「(政府のコロナ対策分科会の)尾身茂会長は、高齢者施設職員の週2回の頻回検査が理想だと述べた」として、政府の対応を要求。山際担当相は「柔軟に対応していきたい」と答弁しました。
さらに宮本氏は、高齢者施設職員のレッドゾーンでの感染が多発している実態があるとして、福祉の現場でも医療現場で使用されるN95マスクの使用を原則とするガイドラインに改めるよう求めました。
2022年3月5日付赤旗日刊紙より抜粋
≪2022年3月4日 第208回衆院議院運営委員会第13号 議事録≫
○山口委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 宮本徹です。東京では、感染者が高い水準で下げ止まってきております。一方、BA・2株への置き換わりが進む中、歓送迎会の時期を迎えることになります。リスクコミュニケーションが極めて大事だと思いますが、どう取り組まれますか。
○山際国務大臣 これは、先生おっしゃるとおりですね。ですから、我々政府としては、私たちが今やっていること、やろうとしていること、持っている情報、こういうものを透明性を持ってしっかりお示しして、そして、説明責任を果たしながら前に進んでいくということが最大のリスクコミュニケーションだと思っておりますので、どういう意思を持って、今何をやっているかということがより皆さんに理解していただけるようにやらせていただきたいと思います。
○宮本(徹)委員 総理も含めて、積極的に国民とのリスクコミュニケーションを図っていただきたいと思います。その上で、今回、なぜ半月の延長期間ということになったんですか。
○山際国務大臣 これは以前にも御説明したかもしれませんが、蔓延防止等重点措置を発出するとき、このときには、まず、新規感染者数がどんどんどんどん増えているというステージになりますから、その防止措置を行ったことによって減ってくるというところまで持っていって、その後、減り始めてから、それが本当に医療体制を逼迫しないところまで減り切るかということを確認するために、効果があるのに二週間、その後、確認するのに一週間というので今までやってきたんですが、このオミクロン株の性状を見ておりますと、低下傾向になってからが相当長いというのは先生も御案内のとおりでございますので、その低下傾向が本当に医療を逼迫しない状況まで落ち込むかというところを見るのにもう一週間、すなわち二週間見ようということで、二週間というふうにさせていただいております。
○宮本(徹)委員 その上で、本当に低下するのかという問題が指摘されているのがBA・2株の問題であります。感染再拡大の可能性というのも尾身会長も指摘されておりますが、感染再拡大の可能性も視野に入れた対策が必要だと思います。医療、検査、ワクチン、この点、どうお考えですか。
○山際国務大臣 これは、私たちも、感染再拡大の可能性、危険性というものはきちんと踏まえておかなくてはいけないと思ってございます。なので、この蔓延防止等重点措置の延長の二週間の間に、やらなくてはいけない対策というものがしっかりと実行できるかということを見極めながら、新規感染者数のみならず、病床に対する逼迫の度合いというもの、負荷の度合いというものを確認させていただくしかないと思っております。BA・2、あるいはほかの株かもしれませんが、再拡大する危険性というものは踏まえた上でオペレーションはやらせていただきたいと思います。
○宮本(徹)委員 私は、感染再拡大を考えた上で、その先まで見越して、抗原検査キット、今増産をお願いしておりますけれども、やはりこれを全世帯に配付できる規模まで確保しておく、こういうことも必要だと思いますが、いかがですか。
○山際国務大臣 抗原検査キットに関しては、一日二百万回の検査ができるところまでは、足下、来つつあります。これは、先生の御指摘のように、これから社会を開いていくという話になったときに、検査キットを使う機会が増えてくるというふうに思っております。諸外国に見られるように、検査キットを国が買い上げて、それを各家庭に配付するというようなやり方もありますが、我々が今考えているのは、必要な方が必要なタイミングで受けられる体制を拡充する、それを受けられる体制をしっかりとつくっていくということが大切だと思っておりまして、それが十分にできるような体制をつくるということに対して、今、最大限努力をしているところです。
○宮本(徹)委員 もう一点、第六波、一月の下旬以降、PCR検査が本当に詰まって、福祉施設なんかは、頻回検査といいながら、週一回と言っていたのに、検査結果が一週間たっても届かないというような事態もありました。この点でも、PCRの検査能力もこの機に本当に更に大きく目標を持って引き上げる必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○山際国務大臣 PCR検査そのものは、これは先生御案内のように、一時期、PCR検査をするための試薬がショートしてしまって、検査をしなくてはいけないところが目詰まりを起こしたということがあったんですが、現在のところ、PCR検査が必要なところに十分な量のPCR検査能力というものが確保されております。現在、四十万回、一日に検査できるような状況にございますので、これを更に増やす必要があるということであれば、そこの部分も増やしていく必要があると思いますが、今のところ、そこは足りているという認識です。
○宮本(徹)委員 この間、足りないというのを経験していますから、私はもっと拡充していただきたいと思います。その上で、これは、前回、一か月前もここで議論しましたけれども、高齢者施設での職員の頻回検査なんです。今日、朝、尾身会長と議論したら、理想はやはり週二回だということはおっしゃっておりました。余裕があればということを言っておりましたけれども、是非、これを考えていただきたいと思うんです。
○山際国務大臣 もちろん、オミクロン株は潜在期間が非常に短いので、頻回検査ができれば頻回検査がいいというその尾身先生のお話は、そのとおりかなと思います。私たちとしては、それをどこまでやれば十分かというのは、本当にどんどんどんどんある意味ゴールが動くというか、変異株の性状がどうなるかということも含めて、どんどん変わっていくものですから、極力柔軟にそれには対応してまいりたいと思っておりますが、先ほど申し上げたように、検査キットの数を確保するためにこれまで奔走してまいりました。これが、ある程度検査キットの数が確保されるという話になれば、先生が今言ったようなことも現実に現場でのオペレーションではできる可能性も出てくると思いますので、それは持ち帰らせていただいて、検討したいと思います。
○宮本(徹)委員 あと、高齢者施設でクラスターが発生した際、サージカルマスクでレッドゾーンに入って感染するというのがかなり起きているんですね。コロナ病棟だったらN95が当たり前だけれども、介護や障害者福祉の現場ではサージカルマスクというのも少なくないのが現状なんですよ。これは、ガイドラインを是非改めていただきたい。N95でやはり陽性者には対応するんだというのをそういう現場でもできるようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○山際国務大臣 マスクに限らず、感染防止をより効果的にやるにはどうすればいいかということに関しては、これは不断の見直しをしていかなくてはいけないと思っておりまして、先生から今御指摘を受けたことも踏まえて、また不断の見直しをしていきたいと思っております。
○宮本(徹)委員 終わります。ありがとうございました。
○山口委員長 これにて発言は終わりました。