2022年4月1日 衆院厚生労働委員会 優生保護法 強制不妊 判決ふまえ全面解決を。換気、濃厚接触者、無保険の外国籍の方の医療、HPVワクチン被害救済
配付資料 出典:厚生労働省第78回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料、2022年3月30日
配付資料 出典:厚生労働省第77回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料、2022年3月23日
配付資料 出典:宮城県新型コロナウイルス感染症対策介護ワーキンググループ、2022年3月4日
配付資料 出典:国立感染症研究所、2022年3月28日
配付資料 出典:国立国際医療研究センター「NCGMにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(疑いを含む)院内感染対策マニュアル V.4.2」、2021年3月10日改定
配付資料 出典:U.S.EPA(米国環境保護庁)、2022年3月
配付資料 出典:愛媛新聞2021年11月9日
配付資料 出典:北関東医療相談会「仮放免者生活実態調査報告ダイジェスト版」、2022年3月
配付資料 出典:厚生労働省「令和4年4月からのHPVワクチンの接種について」、2022年3月11日
配付資料 出典:中央社会保障推進協議会「国保学習交流集会」資料(S市の例)、2021年12月12日
日本共産党の宮本徹議員は1日の衆院厚生労働委員会で、松野博一官房長官が3月24日の記者会見で旧優生保護法による強制不妊手術への国家賠償を認めた東京高裁判決を受け、「一時金支給法は、判決を重く受け止め支給水準を含めて対応したい」と述べた点についてただしました。
宮本氏は、同判決では、旧優生保護法下の厚生大臣が違憲・違法な優生手術を積極的に実施させたと国家賠償責任を判断したとして、「全面解決に向けて責任は重い」と強調。「被害を償うにたる賠償、対象者の拡大、財源確保など、積極的に責任を果たすべきだ」と求めました。後藤茂之厚労相は、「長官の発言通り、国会と相談し対応を考えたい」と答弁しました。
また宮本氏は、無保険の外国人が窓口負担10割の医療費を支払えず、診療拒否などが起きていると指摘。無料定額診療を行う少数の医療機関に無保険の外国人が集中し、受け入れている医療機関の経営も限界となっている実態を示し、「厚労省はどう把握しているか。経営状況など実態調査し、対策の検討が必要だ」と追及しました。後藤厚労相は「外国人に特化した調査は、自治体の負担などの観点から慎重な検討を要する」と答弁するにとどまりました。
以上2022年4月3日付赤旗日刊紙より抜粋
≪2022年4月25日 第208回衆院厚生労働委員会第9号 議事録≫
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。濃厚接触者の特定について、一般事業所等では不要とされる一方、小学校や保育園などは都道府県が決めるということになりました。資料をお配りしておりますが、アドバイザリーボードに出ていた資料です。沖縄では、小学校、幼稚園、保育園について濃厚接触者は特定しないということです。なぜそういう判断をしたのか。過剰な人権制限はやめようということであります。資料の二枚目にありますように、学校等では濃厚接触者でも九十数%が陰性ということになっております。一、二月で濃厚接触者一万四百十四人を特定して、後に陽性になったのは三百四十人。残り一万七十四人は、結果からすれば、本来、出席停止は必要なかったということになります。一方で、濃厚接触者と特定された方以外からも陽性者はそれなりに出ている。こういう結果を踏まえて、沖縄では、陽性者がいた場合は、同一空間を共有した全員にPCR検査を行う事業を、学校だけでなく、これからスポーツクラブなどにも拡大する、その一方で、待機を求めるのは基本は検査陽性者のみということにしていこうということだそうです。大変、私は合理的な判断だと思います。大臣、感染症対策における行動制限というのは必要最小限にするというのが原則だと思いますが、全国もこの沖縄の例にしっかり学んでいく必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○後藤国務大臣 濃厚接触者の特定には一定の時間を要します。オミクロン株は、潜伏期間や世代時間が短いことから、これによる感染拡大防止効果は従来よりも限定的になったというふうに考えられます。このため、濃厚接触者の特定と自宅待機等の求めについては、感染の場所によって、感染リスクや更なる感染拡大の防止効果、重症化リスクのある者への波及の可能性、社会経済活動への影響が異なることを踏まえた取扱いを示しております。具体的には、感染リスクが高い家庭や、限られた空間で重症化リスクの高い者が多い高齢者施設については濃厚接触者の特定等を求める一方で、一般の事業所については基本的には濃厚接触者の特定等を求めないこととしております。その上で、保育所、小学校等につきましては、自治体の関係部局が連携し、自治体ごとに方針を決定することといたしております。こうした自治体ごとに方針を決定する取扱いは、保育所、小学校等も事業所の一種であるとともに、子供が感染した場合の重症化リスクは高くなく、通所する子供を濃厚接触者に特定して自宅待機を求めた場合には保護者が働けなくなることで社会経済的な影響が大きい、しかし一方で、保育所、小学校等は、大人を対象とするような一般の事業所と同様の感染拡大防止対策が取りにくい面もあること、比較的限られた空間であり速やかな濃厚接触者の特定ができれば感染拡大防止効果が一定程度期待されること、そうした両面がありまして、地域の実情に応じた対応が可能となるようにしたものでございます。沖縄県については、保育所、小学校等については、先生御指摘のように、特定、待機を実施しないことと承知しております。また、厚労省から各都道府県に対し聞き取りを行いましたところ、沖縄県と同様に保育所、小学校等において濃厚接触者の特定を行わないとした都道府県は、沖縄を含め、十であったというふうに承知しております。
○宮本(徹)委員 十は沖縄同様ということなんですけれども、地域の実情に応じてと言いますけれども、基本的にはエビデンスに基づいてやるべきだと思うんですね、こういうことは。地域によって、学校内での感染がわあっと広がるということは余り考えられないんですよ。だから沖縄県はこういう判断をしたんだと思いますので、やはり、改めて、エビデンスに基づいて、感染症法は人権の尊重というのをうたっているわけですから、行動制限は必要最小限度という考え方で、自治体任せじゃなくて、国としてエビデンスに基づいた対応をお願いしたいと思います。その上で、二問目ですけれども、これは一か月前もやりましたけれども、高齢者施設等の対策でございます。ワクチン、頻回検査、エアロゾル感染対策、換気、それに加えて職員がレッドゾーンに入るときはN95、これが大事ではないかということで取り上げました。前回紹介した宮城県の取組については、宮城県の感染対策介護ワーキンググループがメッセージというものをその後出しておりますので、資料としてつけておきました。エアロゾル感染対策重視か、飛沫、接触重視かで、感染連鎖が続いていくかどうかが影響するんだという話でございます。資料の五ページ目に、先日、感染研が発表いたしました感染経路についてを載せておきました。エアロゾル感染が一番上に書かれるということになりました。今日は、お忙しい中、脇田所長に来ていただきました。是非、感染研から、いろいろなところに指導や助言をやられていると思うんですけれども、エアロゾル感染対策を一層重視して指導していただきたい。とりわけ、陽性者と接触するコロナ病棟や高齢者施設等のレッドゾーンですね。これは今、国の手引では、あるいは診療の手引なんかでも、実はサージカルでいいことになっているんですよね。でも、普通、病院、コロナ病棟はどこだってN95ですけれども、実は診療の手引はサージカルでいいとなっている、介護現場もサージカルでいいということになっています。ですけれども、やはり、そこはもう、エアロゾル感染を主な感染経路の一番に据えたということも踏まえて、職員には、そういう際にはマスクはN95をやりましょう、これを是非推奨していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○脇田政府参考人 新型コロナウイルス感染症の感染経路につきましては、これまでも厚生労働省等から示しているとおり、飛沫あるいはエアロゾルの吸入、そして、接触感染等であると認識をしております。引き続き、三密の回避、それから人と人の距離の確保、マスクの着用、手洗い等の手指衛生、換気が重要でございます。今般、国立感染症研究所におきまして、三月二十八日付で「新型コロナウイルスの感染経路について」という文書を公表させていただきました。その中で、新型コロナウイルス感染症の感染経路としましては、今御紹介ありましたとおり、エアロゾル感染、飛沫感染、接触感染を挙げております。これは、関係機関等から国立感染症研究所に対しまして、感染経路に対する照会を受けることが非常に多くなっているということでありまして、我々感染研としましても、これまで様々な管理文書等の中でも、エアロゾル感染の重要性というものについては述べておりまして、改めて従来の見解をまとめて発表したということでありまして、考え方を変更したものではございません。その上で、医療機関あるいは高齢者施設等でのレッドゾーンにおいて、エアロゾルが発生するような処置を実施する際には、N95マスクの着用が推奨されています。ただ、N95マスクというのは、適切な着用をしなければ十分な効果が得られないということであります。したがって、これは各施設で徹底しなければいけないということで、レッドゾーンにおいて一律にN95マスクの着用を推奨するということはしていないというところであります。ただ、各施設において適切な着用を徹底できるのであれば、N95マスクの使用を妨げるというものではないということと考えております。
○宮本(徹)委員 妨げるものではないということじゃないと思うんですね。エアロゾル感染なんですから、短距離、長距離のエアロゾル感染だということを今回の感染研の経路でもはっきり言われているわけですから、そこを本当ははっきりさせないと、本当にクラスターがどんどんどんどん連鎖して、長引くという事例がこの間、幾つもの施設で起きているわけですけれども、それは止まらないんじゃないかと私は思いますので、そこは是非、しっかりと、科学的知見に基づいて、更に踏み込んだ指導を私はお願いしたいというふうに思うんですよね。そこは変えられないんですか。
○脇田政府参考人 今、委員が御指摘になったとおり、科学的なエビデンス等をしっかりと検討しまして、そこのところは我々としても検討を続けたいと思っております。
○宮本(徹)委員 エアロゾル感染ということですから、サージカルでは防ぎ切れないことが多々あるということだと思うんですよね。ですから、コロナ病棟ではN95をやっているわけですから。そこは、私、昨日、鈴木センター長ともお話ししましたけれども、環境感染学会とのすり合わせとか、こういうこともいろいろ必要なんだというお話とかも伺っていますけれども、そこは本当に、命を守るために、もう一歩、是非踏み込んで様々やっていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。あわせて、換気対策が極めて大事でして、配付資料の七ページ目にお配りしておりますけれども、アメリカのバイデン政権が三月に定めた新型コロナウイルス対応計画に基づいて、十七日に室内空気清浄チャレンジというものをアメリカのEPAが発表をしております。これは換気、空気清浄を含む新型コロナ対策予算として、州地方政府に向けて三千五百億ドル、教育機関に向けて千三百億ドルの基金があるんですけれども、そこから拠出されるということでございます。是非、日本でも、もっと換気対策への支援を抜本的にこれから強めていく。やはり感染しにくい社会にどんどんしていくという点で、こうしたアメリカの取組にもしっかり学んで、政府挙げて換気対策、これを更に前に進めていく必要があると思うんですよね。その点はいかがでしょうか。これも脇田所長にまずお伺いしていいですか。
○脇田政府参考人 委員の御指摘のとおりで、エアロゾル対策におきましては換気が最も重要だと我々としても考えておるところでございます。
○宮本(徹)委員 大臣、予算ももっと確保して、このアメリカの対策にも是非学んで、更に是非政府で検討していただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
○後藤国務大臣 換気設備の設置への支援などにつきましては、緊急包括支援交付金による財政支援が可能でございます。そういうことでありますし、気道吸引や気道挿管など、エアロゾルが発生しやすい場面のN95マスクの、先ほど御指摘のあった利用等も含め、また、エアロゾル感染に大変効果がある換気、そうしたこと、併せて適切な感染防止策を実施する必要があるというふうに考えております。また、規制、あるいはどういう対応をしていくかということについては、今先生の方から御指摘ありましたように、新しい科学的知見も積み上げつつ、適切に対応を講じてまいりたいと思っております。
○宮本(徹)委員 是非、まとまった換気政策みたいなものをまとめていただけたらと思いますので、お願い申し上げます。脇田所長、ありがとうございました。退席いただいて結構でございます。その上で、次に、旧優生保護法に基づく強制不妊手術の問題について質問させていただきます。東京高裁判決について、国は非情にも上告をいたしましたが、非人道的な人権侵害を断罪された国が解決を先延ばしすることは許されないと思います。被害者は高齢であり、速やかな全面解決を図る必要があります。東京高裁判決では、厚労大臣は違憲、違法な優生手術を積極的に実施したとして、国家賠償責任を判断をいたしました。そういう点でいえば、全面解決に向けての厚労大臣の責任は重いと言わなければならないと思います。先日、官房長官が記者会見で、一時金支給法について、判決を重く受け止め、一時金の水準を含め、国会と相談し、対応を検討したいと述べました。大臣、被害を償うに足る賠償、対象者の拡大、財源の確保を始め、積極的に責任を果たすべきではありませんか。
○後藤国務大臣 旧優生保護法につきましては、この法律に基づき、あるいはこの法律の存在を背景といたしまして、多くの方が特定の疾病や障害を理由に生殖を不能にする手術等を受けることを強いられ、心身に多大な苦痛を受けてこられたことについて、厚生労働省としても真摯に反省して、心から深くおわび申し上げる次第です。平成三十一年には、超党派の議員連盟において法律案が取りまとめられ、国会において、全会一致により、こうした方々に一時金を支給するための法律が定められております。政府としては、このような事態を二度と繰り返さないよう最大限の努力を尽くしていくとともに、立法府の総意による法律に基づきまして、一時金を円滑かつ確実に支給することでその責任を果たしてまいりたいというふうに思っております。その上で、一時金の水準等を含む今後の対応の在り方については、今御指摘のあった三月二十四日の官房長官の発言のとおり、国会と御相談し、御議論の結果も踏まえて対応を進めてまいりたいと思っております。
○宮本(徹)委員 何か受け身な感じで、もちろん国会と相談してとなるんですけれども、やはり、財源を出すのは政府の側なわけですから、そこは財務省からしっかり財源を確保することも含めて、政府を挙げてこれはやらなきゃいけないことだと思います。あわせて、この旧優生保護法は、議員立法で、全会一致でできた法律であります。差別的な思想の立法を行い、取り返しのつかない人権侵害を引き起こした私たち国会の責任は本当に極めて重大だと思います。田村前大臣も、この問題は、恐らくいろいろ、もう官房長官の発言を受けて動かれ始めていると思いますけれども、是非、しっかりとした救済に向けて、与党の皆さんにも、そして私たち野党も頑張っていくということで取り組んでいきたいと思います。続きまして、無保険の外国籍の方の医療についてでございます。資料の九ページ目を御覧いただきたいというふうに思います。これは港町診療所の沢田先生の記事でございますが、コロナ禍で、医療を受けられない無保険の外国籍の方が急増しているという話です。それから、資料の十ページ目、十一ページ目には、北関東医療相談会の皆さんの調査をつけておきました。こちらは、仮放免の方々が医療を受けられない状況が出ております。無保険の外国籍の方の場合は、基本は窓口負担は十割負担、病院によってはその二倍、三倍というケースもあるわけですが、本人が支払えなければ医療機関が負担するしかないということです。そのことで、診療拒否やたらい回しも起きている。そうした中、無料低額診療を行っている少数の医療機関に無保険の外国人が集中して、経営的にも限界に来ているというお話を伺います。例えば、透析患者だったら週三回やるわけですよね。あるいは、大きな手術だったら巨大な金額ということになります。お医者さんの場合は、経済的な理由で診療拒否するということは当然できないわけですから、受けるということで頑張っているわけですけれども、なかなか経営も大変だという話を伺います。大臣にお伺いしたいのは、こうした状況について厚労省はどう把握しているのかということです。是非、無保険の外国籍の方の医療に取り組んでいる病院に、経営状況を始め課題について実態調査をしてほしい、それに基づいて様々な対策を考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○後藤国務大臣 無料低額診療事業の実施状況につきましては、自治体への調査等を通じまして把握に努めておりまして、直近で把握できている令和元年度の実績としては、実施施設は七百二十三施設、延べ利用者数は約七百五十四万人、減免総額は約三十七億円となっております。また、このうち、外国人の利用者数については延べ約六千人となっております。 外国人の方に限らず、無料低額診療事業の実施状況については、今後とも、自治体への調査や様々な機会を通じた現場とのやり取りを通じまして、適切に把握していきたいと思っております。
○宮本(徹)委員 外国人のことに限らずということなんですけれども、是非この問題について調べていただきたいというふうに思うんですよ。この問題で、実際に患者がたらい回しにされる、その背景には医療機関の経営状況の限界というのもあるわけですから、是非そこの問題についてしっかり調べていただきたいと思うんですけれども。
○後藤国務大臣 外国人の方に特化した追加の調査を行ってはという御提言だと思いますけれども、医療機関の現在の状況、自治体の負担の観点などから慎重な検討を要すると思います。引き続き、現場の実情等については、様々な機会を捉えて適切な把握に努めてまいりたいと思います。
○宮本(徹)委員 これは本当に、命を守る話なんですよね、人の命を守る話なんですよね。SDGsの目標というのは、全ての人にアクセス可能な医療を保障していく。海外では、こうした方々にもしっかり医療を保障している国はたくさんあるわけですよね。ただ、日本の場合は保険に入れない。支援団体の皆さんは、医療保険の加入を認めることだとか、あるいは未払い医療費を補填する制度を国として設けるべきだとか、いろんなことを提案していますよ。様々なことを是非具体化していただきたいと思うんですけれども、その上でも、やはり調査しないことには、それをやろうということにならないじゃないですか。今、ウクライナ難民の方、受けていますよね。来てすぐに医療が必要な方だっているわけですよ。特定活動、一年の資格をもらったらまた別のことなのかも分からないですけれども、入ってきてすぐの場合は、じゃ、誰がどう担うんですかという問題だってあるわけですよね。そういうことを考えても、ちゃんとした制度を私はつくらなきゃいけないと思います。そのためにも、まず調査を是非していただきたい、重ねて申し上げておきたいと思います。次の質問に行きます。今日からHPVワクチンの積極勧奨が再開をされます。HPVワクチンは、接種後様々な重い副反応、様々な症状が出て、積極勧奨が中止されている状況が長く続きました。この間、苦しんでいる皆さんのお話を私は伺いましたけれども、最大の願いは治りたいということです。そのための治療法の開発をしてほしい、そのために国が研究班を設置してほしいということでございました。それで、資料をつけておりますが、資料の十二ページ目です。積極勧奨再開に当たっての政府の説明資料には調査研究の推進とありますが、この中身を見ますと、現状は、疫学的観点ということがあるだけで、治療法の話はないわけですね。厚労省は、接種後の重い副反応について、二〇一四年に、神経学的疾患、中毒、免疫反応ではなく、機能性身体症状といたしました。厚労省のペーパーを見ますと、臨床現場では様々な疾病の名前がつけられているが、例えば、その一つが慢性疲労症候群となっています。慢性疲労症候群は、筋痛性脳脊髄炎とも言われています。ME、CFSですね。このME、CFSは、御存じのとおり、今、新型コロナの後遺症としても注目されております。ME、CFSについては、AMEDも予算をつけて、神経免疫疾患ではないかということで診断、治療法の確立に向けて研究が行われております。AMEDのホームページを見ますと、ME、CFSは、ウイルス感染、ワクチン接種などを契機に起きるということがあるわけですね。今日、私の前の議論にもありましたけれども、新型コロナワクチンでも、HPVワクチン接種後に報告された症状と同じような副反応疑いが出ております。こういうことを踏まえて、この間の様々な研究の進展を踏まえて、HPVワクチンの重篤な副反応についても、私は、二〇一四年の結論にとらわれることなく、副反応が起きるメカニズムと治療法を研究する必要があると思いますよ。本当に、新型コロナの後遺症も、新型コロナワクチンの副反応の症状も、そしてHPVワクチンの副反応の症状も、重なり合うところが実はあるわけですよね。それは、心の問題ではなくて、やはり何らかのことで起きているのではないか、その中でも神経免疫疾患ではないのかというのは、ME、CFSについては研究も進んでいるわけです。ですから、是非ここは、改めて、二〇一四年の結論にとらわれることなく治療法を研究していく、そのための研究班を設けていただきたいと思いますが、いかがですか。
○後藤国務大臣 HPVワクチン接種後に生じる広範な疼痛や運動障害等の症状について、先生御指摘のあったように、平成二十六年の審議会で、免疫反応、中毒、神経学的疾患等の可能性を含めて検討が行われました結果、発症時期や症状の持続期間、付随症状、経過の多様性に関する知見等を踏まえまして、機能性身体症状の可能性が高いとの結論が得られたのは、そのとおりでございます。それ以降も、審議会では、国内外の科学的知見を基にHPVワクチンの安全性に関する評価が続けられまして、昨年十一月には、ワクチン接種と慢性疲労症候群や自己免疫性症候群との間にこれまで明らかな関連性は証明されていないと結論が出ております。これまでに報告されている症状は個々の症状によって発症時期、症状や経過が多様であるために、画一的な治療法ではなく、個々の病状に応じた対応を行うことが重要でありまして、協力医療機関を中心とした医療体制の充実により一層取り組んでまいりたいと思います。また、平成二十五年の積極的勧奨の差し控え以降、厚生労働科学研究を通じて様々な研究を行ってきており、今後も引き続き協力医療機関における診療実態の把握や臨床症状の解析を行い、多様な症状を呈する方への効果的な対応の在り方を検討するとともに、医師等への研修会を実施し、知見や経験の共有を図ってまいりたいと思います。
○宮本(徹)委員 患者さんは皆さん治りたいわけですよね。この願いに応える研究班をつくってほしいということなんです。私、先ほど申し上げましたけれども、様々なものを契機にME、CFSのような症状が起き得る、起きているわけですよね。今、コロナのワクチンでも起きている、あるいはコロナそのものでも起きている。そういうことが何か起きる機序というのはやはりしっかり研究していかないといけないと思うんですよ。重なり合うところが私はあるのではないのかと素人ながら思いますよ。現に、ME、CFSについては、神経免疫疾患ではないのかということで様々な研究も今進められて、論文も発表されてきているわけですから、そこはやはり踏まえて、これはほかの、HPVのことも本当にしっかりやらなきゃいけないですけれども、今起きている問題に対しても治っていく道を発見していく道に私はつながるのではないのかというふうに思うんですね。だから、ここは、HPVのところだけ見てじゃなくて、俯瞰して見ていただきたいと私は思うんですよ、今起きていることを。その点いかがですか、大臣。
○後藤国務大臣 従来からも様々な研究も行ってきておりまして、今後、引き続き、協力医療機関における診療実態の把握や臨床像の解析などを行いまして、多様な症状を呈する方への効果的な対応の在り方を検討してまいりたいと思います。
○宮本(徹)委員 是非、幅広く研究をしていただきたいというふうに重ねて申し上げておきたいと思います。とにかく治療法を求めているというのが多くの皆さんの願いだということでございます。時間になりましたというのが来ましたので、あともう少しあったんですけれども、また次回質問させていただきます。終わります。