ハンセン病元患者家族補償法 韓国・日本合同報告集会
4月26日(火)、ハンセン病家族訴訟原告団・ハンセン病家族訴訟弁護団の呼びかけで、衆議院第1議員会館大会議室と、韓国の国会本館第5映像会議室をオンラインで結んだ『ハンセン病元患者家族補償法 韓国・日本合同報告集会』が行われました。
2019年の家族訴訟熊本地裁判決と、内閣総理大臣談話等を受け、「ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律」が、同年11月に議員立法で成立。この法律は、旧植民地時代の韓国や台湾などの家族も対象となっています。
経過報告の中で、韓国弁護団から、「韓国から130名を超す家族が補償請求を行っているが、今月までに支給決定となっているのは10名」との報告がありました。
集会に参加した宮本徹議員は「日本と韓国の合同集会は大変大きな意義がある。誤った植民地支配とともに、ハンセン病に対する誤った隔離政策を、韓国や朝鮮でも行った。植民地支配時代の誤った政策について、一人一人の救済の立場に立つ機運を高めていくことは大事だ。共に頑張りましょう」と挨拶しました。
集会に参加した自民党、国民民主党、社民党の国会議員も挨拶しました。
以下2022年4月27日付赤旗日刊紙より抜粋
戦前、日本の植民地下でハンセン病隔離政策により差別を受けた韓国の患者家族が、補償法に基づき日本政府に補償を請求して1年がたった26日、日本と韓国で合同報告集会が開かれました。主催は両国の弁護団や当事者ら。オンラインで会場をつなぎ、隔離政策による被害の実態や補償法の課題を出し合いました。
ハンセン病被害者家族らが国家賠償請求訴訟を起こし、熊本地裁は勝訴判決を出しました。それを受け、患者の家族に対する補償法が2019年に成立。日本の植民地下で隔離政策が及んだ国の家族も対象になりましたが、韓国の対象請求は130人にとどまっているうえ、認定者はわずか10人のみです。
日本弁護団の徳田靖之共同代表は、「日本統治時代の誤った政策による被害の回復が図られることは、両国間のさまざまな問題を解決していくうえで大きな意味をもつ」と述べました。
家族補償を請求した韓国の姜善奉(カン・ソンボン)さんは、父と母がハンセン病だったという事実を証明することは、「太平洋で針を探すほど大変な作業だった」と強調。差別をされぬよう徹底的に病気を隠さなければいけなかったにもかかわらず、「『証拠を探せ』というのは、傷口に塩を塗るのと同じ」だとし、差別を受け、苦しめられた事実を認めてほしいと訴えました。
家族訴訟原告団副団長の黄光男(ファン・クァンナム)さんは、請求数が少ない理由について、「もし家族だということが知れわたってしまったら、かつてと同じように差別をされるのではないか、と危惧をしている」と指摘。すべての被害者が、補償を請求できるような、差別がなく安心して暮らせる社会をつくろうと呼びかけました。
日本共産党の宮本徹衆院議員と与野党の国会議員が参加し、あいさつしました。