岸田政権の「国葬」強行に抗議 列島騒然 国会前1万5000人

 「国葬やめろ!」北海道から沖縄まで全国各地で抗議の声があがるなか、岸田内閣は27日、安倍晋三元首相の「国葬」を強行しました。午後2時に東京都千代田区の日本武道館で「国葬」が始まると同時に、国会前では市民が大行動をスタート。識者や市民運動家、日本共産党の志位和夫委員長はじめ立憲民主党、れいわ新選組、社民党の野党各党代表が演題でスピーチしました。「国葬」では、岸田文雄首相、菅義偉前首相が、安保法制や秘密保護法の強行など立憲主義破壊の安倍政治を礼賛しました。
 国会正門前で行われた大行動には1万5000人(主催者発表)が集まり、「憲法違反の国葬反対」「安倍政治を美化するな」と声をあげました。「憲法守れ」など書かれたプラカードが並び、学生など若い世代の参加者も目立ちました。
 横浜市に住む大学4年生の鈴木拓也さん(22)は、初めて国会行動に参加しました。岸田首相が言う「国葬」の理由には何一つ納得がいかないと語り、「そもそも憲法違反である『国葬』を強行することがおかしい。反対の意思を示さないといけないと思って来ました」と話しました。
 主催者を代表してあいさつした菱山南帆子さん(憲法9条を壊すな!実行委員会)は、安倍元首相は憲法と民主主義を破壊し続けてきた政治家だと指摘し、「国葬」によって「悪政を美化するわけにはいきません」と訴え。「民意を軽視して『国葬』を強行した岸田政権をみんなの力で終わらせよう」と語りました。
 野党から、日本共産党の志位和夫委員長、立憲民主党の近藤昭一衆院議員、社民党の福島瑞穂参院議員、れいわ新選組の櫛渕万里衆院議員があさいつ。参院会派「沖縄の風」のメッセージが紹介されました。
 志位氏は、「国葬」強行で「済んだこと」とするわけにはいかないと強調。二点を訴えたいとして、「『国葬』が憲法違反である点は絶対にあいまいにしてはならない」と述べ、「一片の閣議決定で、憲法をくつがえすような国にしてはならない」と訴え。あわせて、岸田政権は安倍政治を礼賛し、国民に押し付けようとしていると告発し、「こんなことは断固お断りしようじゃないですか」と語りました。
 その上で、「たたかいはこれからだ」「理不尽なことは理不尽だと声を上げ続けよう」と訴え、戦後最悪の「安倍政治」を国民に強要する岸田政権を終わらせ、「みんなで力をあわせて、新しい政治をつくりましょう」と呼びかけました。
 さまざまな立場の市民がスピーチしました。前法政大学総長の田中優子さんは、「国葬」は大日本帝国憲法の遺物であり、法的根拠もない「国葬」を閣議決定だけで実施することは「国会の軽視、国民の軽視、民主主義の破壊です」と強調。ファシズムへの道を許さないために、声をあげ続けようと述べました。
 劇作家の坂手洋二さんは、国家によって国民に自粛や弔意の強制があってはならないと発言。「国葬」には、16億円超ともいわれる税金が使われると話し、「私たちは怒らないといけない。こんな政治は選挙で変えましょう」と語りました。
 大行動は、幅広い団体でつくる実行委員会が主催し、総がかり行動実行委員会が呼びかけました。

以上2022年9月28日付赤旗日刊紙より抜粋