統一協会 野党国対ヒアリング 借金・生活保護から献金/「改革案」解散請求逃れ
統一協会(世界平和統一家庭連合)問題に関する野党国対ヒアリングが4日、国会内で開かれ、2世信者の小川さゆりさん(仮名)が統一協会の悪質な献金手口の実態と、宗教法人法に基づく同協会の解散請求を求める切実な思いを語りました。
小川さんは、統一協会には「カード摂理」と呼ばれる献金手口があると説明。「借金をカードでさせて自己破産させます。お金がなくなると献金できないので生活保護を受けさせて、月ごとにもらったお金からさらに献金させるというサイクルをつくっている。しかも、生活保護を受けさせるためのアドバイザーを協会が用意している」と話し、生活度外視の過度な献金を、組織的かつ計画的に信者に強いる悪質な手口を告発しました。
小川さんは、自主的なアンケートに寄せられた60件近い被害報告から「小学生のころから、信仰を破ると断食や土下座をさせられた」などの深刻な声を紹介。児童虐待などの新たな被害を生まないためにも、統一協会を解散させてほしいと訴えました。
全国霊感商法対策弁護士連絡会の阿部克臣弁護士は、現行法のもとで協会による今後の被害を防ぐ方法としては、「解散請求が最も効果的だと思う」と強調しました。
統一協会(世界平和統一家庭連合)の問題に関する野党国対ヒアリングは4日、同協会の「改革の追加指針」について、全国霊感商法対策弁護士連絡会の木村壮、阿部克臣両弁護士と2世信者の小川さゆりさん(仮名)に聞き取りを行いました。
同協会は同日の記者会見で、▽月収の10分の3を超える献金は資金の性質を記録し、受領証等を発行する▽献金は内部監査の対象とし、教区法務委員会、改革本部等で検証する―など4点の「追加指針」を発表しました。
ヒアリングで木村氏は、協会側がこれまでの違法行為への組織的な関与を認めず、「信者個人の選択で献金したかのような説明を繰り返している」と指摘。木村氏は同協会が「コンプライアンス(法令順守)を徹底した」と主張する2009年以降も「先祖が地獄で苦しんでいる」などと信者を脅して高額献金などの被害が続いており、「従前の体制を維持したままの改革案は許されない。解散命令請求をさせないための目くらましだ」と厳しく批判しました。
阿部氏は「受領証に『個人の意思に基づく』などの文言を紛れ込ませるのであれば非常に問題がある。そういうリスクは十分にある」と指摘。小川さんは「10分の3という金額はとんでもなく多い。社会保険料や家賃などを引いた後に払えば手元にはほとんど残らない。深刻な被害を証明するものだ」と批判し、「被害者を見捨てずに新法制定などを含めて対応してほしい」と語りました。
以上2022年10月5日付赤旗日刊紙より抜粋(写真は赤旗提供)
※4日の統一協会問題に関する野党国対ヒアリングは、午前(11:00~)と、午後(15:30~)の2回行われました。