最賃全国一律1500円を 全労連・国民春闘共闘が院内学習会 与野党こえ国会議員出席

 全労連・国民春闘共闘委員会は17日、衆院第2議員会館で「最低賃金全国一律1500円で国民生活、地域経済はどう変わるか」と題した学習会を開きました。与野党をこえた8政党・会派から推薦や出席がありました。
 開会あいさつで黒澤幸一事務局長は、「30年続く実質賃金の低下、物価高騰のもとで最賃の改善は急務だ。昨年の改定は平均31円、3・3%増だったが、3%ずつの引き上げでは1500円になるのは、2038年までかかる」と指摘。大幅引き上げの足かせとなっている地域別制度を全国一律制度に改めるとともに、物価高騰対策で定例改定を待たず、いますぐ再改定すべきだと強調しました。
 労働総研は、最賃全国一律1500円とした場合の経済波及効果について、106・6万人分の新たな雇用が生まれ、GDP(国内総生産)10・5兆円増、1・9%上昇、税収2兆円増加と試算しています。
 全労連が実施している最低生計費調査の監修をしている中澤秀一静岡県立短大准教授は、若年単身者は全国どこでも時給1500円以上が必要だと指摘。2人分の収入で30代家族の生計費に近づき、「最賃1500円は家族形成の土台となり、少子化対策にも重要だ」と述べました。
 現場からの発言で、「国に中小企業支援を拡充させ、中小企業経営者に賛同を得ることが重要だ」(全労連・全国一般)、「郵政職場の非正規の若者は、最賃近傍の賃金で、結婚願望も持てない」(郵政ユニオン)、「パートへのアンケートで、水光熱費の負担増に悲鳴をあげている」(生協労連)と語られました。
 日本共産党の宮本徹衆院議員、自民、立憲民主、維新、社民の各党の国会議員があいさつしました。

以上2023年2月18日付赤旗日刊紙より抜粋