『軍学共同反対連絡会シンポジウム』で連帯挨拶 軍事研究動員に懸念 「科学者の倫理問われる」
軍学共同反対連絡会は6日、衆院第1議員会館で集会を開きました。市民ら約60人が参加。5年間で43兆円もの大軍拡を進める2023年度予算案について、軍事研究の拡大に伴い科学者の動員が加速する危険性などを議論しました。
岸田文雄政権が閣議決定した「安保3文書」について独協大学の本田浩邦教授は、専守防衛ではなく先制攻撃能力の保有を認めたものだと告発。「戦争になった時の人的被害に関する懸念が全くなく、外交の役割への関心が希薄だ」と批判しました。
安保3文書の一つ「国家安全保障戦略」について同会の小寺隆幸事務局長は「政府は防衛産業を育成し新たな兵器をつくり、海外輸出を広げようとしている。その中で科学者を一挙に動員しようとしている」と指摘。「科学者としての倫理が問われており、自分の研究が社会の中でどう使われるのか説明責任を負うべきだ」と訴えました。
東京大学の須藤靖教授は、民生にも軍事にも使われるデュアルユース(軍民両用)研究について「明確な区別は困難だが、基礎研究だからと思考停止に陥るべきではない」と科学者の姿勢をただしました。また須藤氏は日本学術会議の任命拒否問題について言及。「(軍事研究について)議論を尽くすことが重要だが、多様な意見を封殺する現状が何よりも怖い」と訴えました。
日本共産党、立憲民主党、社民党の国会議員が参加し、共産党からは宮本徹衆院議員と山添拓参院議員があいさつしました。
以上2023年3月8日付赤旗日刊紙より抜粋