担保法改正 議論慎重に 労働弁護団 労働債権保護拡充こそ

 日本労働弁護団は17日夜、参院議員会館で「担保法制改正と労働者・労働組合への影響」について学習会を開きました。政府が、企業の価値全体を労働者も含めて担保にし、資金調達できる新制度を創設する担保法制改定の議論をしていることについて、「労働者の契約上の地位も担保の対象に含めるような担保制度の構築は、労働者・労働組合に重大な影響をもたらすもので、慎重な議論が必要だ」と指摘しました。
 政府は「事業成長担保権」を創設し、急成長する新設企業(スタートアップ企業)のノウハウやアイデア、労働者の技術や知識など無形資産を含む事業全体を担保にして、金融機関から資金を調達できる制度をつくる議論を進めています。
 あいさつで佐々木亮幹事長は、賃金など労働者が持つ労働債権に優先権を与える法改正が実現していない中で、担保法を改正することは労働債権保護を後退させると強調し、制度化に強く反対するとの立場を示しました。
 竹村和也常任幹事が課題を労働債権と労働契約に分けて、論点を解説しました。
 連合の村上陽子副事務局長が法務省、金融庁の審議会での議論に触れ、労働債権の優先順位の引き上げを求めると述べました。
 UAゼンセン、JAМからの現状報告で、破産時に労働債権が劣位に置かれ、賃金や退職金が未払いになっている事例が示されました。
 日本共産党の宮本徹衆院議員、立憲民主党、国民民主党、社民党の国会議員らが参加しました。

以上2023年3月21日付赤旗日刊紙より抜粋