「天海訴訟」逆転勝訴判決 東京高裁判決の報告集会に参加
2023年3月24日(金)、千葉市から65歳で介護保険申請をしなかったことを理由に、これまで利用していた障害サービスを打ち切られたことについて、当事者の天海正克さんが訴えた裁判の東京高裁判決があり、逆転勝訴判決がだされました。
判決後に報告集会が行われ、宮本徹議員も参加しました。
以下2023年3月25日付赤旗日刊紙より抜粋
介護保険の申請をしなかったことを理由に千葉市が65歳で障害福祉サービス受給の申請を却下したのは違法・違憲だなどとして、障害のある天海(あまがい)正克さん(73)が同市を訴えた訴訟の控訴審判決が24日、東京高裁でありました。村上正敏裁判長は、千葉地裁判決を変更し、同市の決定を取り消すよう命じました。障害福祉サービスとして身体介護を月45時間、家事援助月25時間の支給決定も命じました。
脳性まひで障害のある天海さんは2014年7月、65歳の誕生日を前に、利用中の障害福祉サービスを継続利用できるよう千葉市に申請しました。同市は、天海さんが介護保険の要介護認定の申請をしないためサービス支給量を算定できず、不足分を障害福祉サービスから出すための算定もできないことを理由に、天海さんの障害福祉サービス申請を却下しました。
障害福祉サービス利用にあたり非課税世帯の天海さんに自己負担はありませんでした。介護保険では月1万5000円の利用料負担が生じます。
判決は、低所得ではあるものの課税世帯の障害者の中には措置によって障害福祉サービスの利用料を負担しておらず、65歳で介護保険サービスを利用しても措置で利用料を全額免除されている人がいると指摘。そのうえで、「制度に由来する障害者相互の不均衡を固定することになる」として、「不均衡を避けるためという限度においては、障害者総合支援による自立支援給付を継続することができる裁量権を(千葉市は)有する」とし、同市の処分は違法で、取り消されるべきだと結論付けました。
判決後の報告集会で天海さんは「全国の障害者や支援者の協力があって勝てた」と喜び、「軍事費などの無駄づかいに40兆円以上も必要ない。誰もが無料で教育や福祉を受けられる政治に変えたい」と強調しました。
坂本千花弁護士は「千葉市に上告するなと圧力をかけていこう」とさらなる支援を呼びかけました。
車いすで滋賀県から駆け付けた全国肢体障害者団体連絡協議会の片山雅崇事務局長は、障害者の65歳問題では全国で困っている人がいるので、制度を使う本人が選べるよう運動を広げたいと語りました。日本共産党の宮本徹衆院議員が参加しました。