「生活保護基準の引き下げは違憲」 いのちのとりで裁判 原告ら集会 勝訴積み重ねよう
2013年から段階的に生活保護基準を引き下げたのは違憲・違法などとして、全国の生活保護利用者が国などを相手にたたかう「いのちのとりで裁判」をめぐり、原告や弁護士、支援者らは17日、衆院第1議員会館で集会を開きました。参加者は全国の地裁・高裁でたたかいが続くとして、「勝訴を積み重ねよう」と団結を固め合いました。オンラインを含め、約800人が参加しました。
同裁判は、全国29地裁で提訴され、19地裁で判決が言い渡されています。原告側は昨年10月の横浜地裁以降に6連勝するなど、これまでに一審で9勝しています。一方、14日に大阪高裁であった初のニ審判決では逆転敗訴になりました。
自公政権は13~15年にかけて段階的に保護基準を引き下げました。08年~11年にかけて物価が下落したことを理由に厚生労働省独自の指標を使い「デフレ調整」として、保護費のうち食費などに充てる生活扶助費を総額約670億円削減しました。
大阪高裁判決は、基準引き下げは08年のリーマン・ショック後に多くの国民が感じた苦痛と同質だとして、原告の訴えを退けました。高裁の判断について小久保哲郎弁護士は「原告の訴えを切り捨てるものだ」と強調しました。
生活保護基準は、最低賃金や住民税非課税の限度額、保育料減免などさまざまな制度に影響を与えます。小久保弁護士は、「国民全体の生活を下支えするのが生活保護基準だ。高裁はその意義を理解していない」と批判しました。地裁では勝訴が相次いでいるとして、「理は私たちにある。裁判の潮目が変わったと確信をもち、さらに取り組んでいこう」と呼びかけました。
札幌市から参加した原告の男性(45)は、保護基準が約10%も下げられたうえ物価高騰が重なっていると述べ、「食費や電気代を節約しているが、生活は苦しい。元の基準に戻してほしい」と話しました。
以上2023年4月18日付赤旗日刊紙より抜粋
※会場で、日本共産党の宮本徹衆院議員と、れいわ新選組の木村英子参院議員、天畠大輔参院議員がそれぞれあいさつ。宮本徹議員は、「私たち政治家の責任として、司法でのみなさんのたたかいと並行し、政治を改めないとならないと、強く痛感している。誰もが、健康で文化的な最低限の生活の権利はしっかり保障されなければならない。これを守る責任は政治にある」と述べました。
※会場には、野党各党の秘書も同席。日本共産党から、もとむら伸子、田村貴昭の各衆院議員秘書と、仁比聡平、山下芳生の両参院議員秘書が参加しました。
※集会に倉林明子参院議員も顔をだされたが、「所用がある」ということで、挨拶前に退席された旨、司会からの紹介がありました。