PTSD 被害孫世代まで 旧日本兵の家族らシンポ 「再び戦争させない」

 アジア・太平洋戦争でPTSD(心的外傷後ストレス障害)を負った旧日本兵の家族らが9日、「脱・戦争」と題したシンポジウムを参院議員会館で開きました。日本を「戦争する国」にすれば、「再び多大な犠牲を生む。くり返してはいけない」と訴えました。
 「PTSDの復員日本兵と暮らした家族が語り合う会」の主催です。副題は「あの戦争の後始末もできないまま、また戦争をやるのか」です。
 同会立ち上げ人の黒井秋夫さんは、従軍体験から生涯心を閉ざした自身の父の人生、貧困を強いられた家族の生活を涙ながらに語りました。同様の被害が日本中にあふれ、暴力の連鎖は孫世代にまで続いていることについて、「戦争をしたい人たちが隠したい事実」だと指摘。再び戦争をさせないために、事実を発掘し、語り継いでいこうと呼びかけました。
 ジャーナリストの三宅勝久さんが「自衛隊で横行するイジメ・セクハラ問題」として講演しました。「犯罪ともいえる」ハラスメントが常態化し、自殺者が多発する自衛隊の実像について「旧日本軍と非常に似通っている」と発言。「自衛隊は誰のために、何を守っているのか。本質的な問題を考える必要がある」とのべました。
 日本共産党の宮本徹衆院議員も出席し、あいさつしました。

以上2023年5月10日付赤旗日刊紙より抜粋