処遇改善全看護師へ 全日本民医連 国会に請願

 全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)は30日、国会内で看護師の処遇改善を求める集会を開きました。全国から100人以上の看護師がかけつけました。
 昨年10月からの診療報酬改定で新設された「看護職員処遇改善評価料」は、対象の医療機関が狭く限定されています。そのため現場に混乱をもたらしており、「病院内の看護師は給料が上がったのに訪問看護の看護師は対象外。(病院から訪問への)異動の話がしづらい」「中核病院から規模の小さな病院にうつり、業務は増えたが給料は下がった」などの声が上がっています。
 岩手県から参加した看護師は、この仕組みの対象から外れる訪問看護、介護施設などを担う法人に勤めています。発熱外来やワクチンの集団接種など、地域医療を担ってきたと言います。「いろんな患者を受け入れてきた。施設によって処遇改善の対象外になるなんて、不公平。安心して働き続けられるよう、すべての看護師を対象にしてほしい」と訴えました。
 全日本民医連によると、診療報酬改定の対象になった看護師は全体の35%ほど。医療機関内に不団結と分断を持ち込むものだとして抜本的な見直しを要求し、すべての看護職員の処遇改善を求める請願署名に取り組んでいます。
 熊本県の看護師は「周辺病院の医療関係者からも不平等だと署名に賛同が集まっている」と発言しました。
 この日、請願署名9万3301人分を提出。日本共産党の宮本徹衆院議員、倉林明子、紙智子両参院議員が出席し、署名の紹介議員に名を連ねました。

以上2023年5月31日付赤旗日刊紙より抜粋