認知症基本法が成立 全会一致 当事者・家族団体会見 「一人の人」として当たり前に

衆法第二四号 2023年5月7日提出 共生社会の実現を推進するための認知症基本法(案)

認知症の人が尊厳を守り希望を持って暮らせるよう、国と自治体が関連施策に取り組むことを求めた「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が14日、参院本会議で全会一致で可決、成立しました。議員立法によるもの。政府は、当事者・家族らの意見を反映させた基本計画を策定。都道府県と市町村にも推進計画を作成する努力義務を課します。
認知症施策の「基本理念」として、すべての認知症の人が基本的人権を有する個人として自らの意思で日常生活や社会生活を営める▽認知症の人が社会のあらゆる分野の活動に参画する機会の確保▽認知症の人と家族が地域で安心して日常生活を営める―など7項目を掲げています。
具体的施策ではバリアフリー化の推進▽意欲や能力に応じた雇用の継続、就職に資する施策▽保健医療・福祉サービスの切れ目のない提供▽早期発見、早期診断、早期対応の推進―などを示しました。
成立を受け関係団体が同日午後、記者会見しました。日本認知症本人ワーキンググループの藤田和子代表理事は、「認知症の本人が希望と尊厳を持って暮らせる社会を実現する法的根拠が整備された」と評価。名称に「共生社会の実現を推進する」との文言が入ったことを「認知症対策の法律でなく、認知症の本人、国民一人ひとりがよりよく生きるための法律となった」とのべました。
基本的人権を掲げ、政府・自治体が認知症の人や家族の意見を聞きながら計画を推進するとしていることを評価しました。
認知症の人と家族の会の鎌田松代代表理事は「同法の理念が具現化され、認知症への差別や偏見が低減し、『認知症の人』ではなく『一人の人』としてかかわることが当たり前になる社会を願う」と語りました。

以上2023年6月15日付赤旗日刊紙より抜粋

※宮本徹議員も超党派の「共生社会の実現に向けた認知症施策推進議連」のメンバーとして、一緒になって議論を重ねてきました。