米軍オスプレイ不具合 国内でも疑い1件 米オスプレイ飛行停止せよ 防衛省追及
防衛省は3日、日本共産党の国会・地方議員らによる聞き取りで、米軍の垂直離着陸機オスプレイをめぐり、同機特有の不具合である「ハード・クラッチ・エンゲージメント(HCE)」の疑いのある事例が日本国内で1件発生したことを、認めました。時期や場所、所属部隊などについては「事実関係を確認中だ」と述べました。
日本共産党の宮本徹衆院議員は、昨年11月の参院外交防衛委員会での山添拓議員の質問に対し、防衛省の深沢雅貴地方協力局長(当時)は「オスプレイについて、米側からクラッチを原因とする特有の現象は日本国内では発生していないことを確認している」と答弁していたと指摘。「政府が国民にウソを説明していた可能性もあり、極めて重大だ」と批判しました。
米海兵隊は7月、昨年6月に米カルフォルニア州で起きたMVオスプレイ墜落事故の報告書を公表。事故原因はHCEと結論付けました。
日本共産党の宮本徹衆院議員、山添拓参院議員は3日、昨年6月の米国でのMV22オスプレイ墜落事故で米海兵隊が調査報告書を公表したことについて防衛省から聞き取りを行い、直ちに国内の飛行停止を米軍に求めるようただしました。
谷川智行衆院東京比例・4区予定候補、尾崎あや子都議、米軍横田基地(多摩地域)の周辺自治体の議員・住民が参加しました。
防衛省は事故原因について、プロペラとエンジンをつなぐクラッチの不具合と、片側のエンジンが停止した際にもう片方から動力を伝達する仕組みの破壊の両方が発生したもので、これまでなかった事故だと説明。「米軍機は部品を交換したので安全は確保された」「自衛隊機は細部を確認するため飛行停止中」と答えました。
山添氏は「根拠はあるのか。自衛隊機は細部を確認中なのになぜ米軍機は安全と言えるのか。飛行停止を求めるべきだ」と批判。
これまで同省がオスプレイは構造上の欠陥はなく安全に運用できる手順は確立されていると説明してきたことに関して、宮本氏は「構造上の欠陥ははっきりした。安全と説明してきた責任が問われる」と追及しました。
また、濱田防衛相が1日の会見で、クラッチの不具合が国内で過去に1件発生した可能性があると述べたことについて、昨年の国会で山添氏の質問に防衛省が国内では発生していないと答えていたことを示し、これまで米側に何を確認してきたのかとただしました。
以上2023年8月4日付赤旗日刊紙2面及び5面より抜粋