保険証廃止の厚労省試算 改修費除き効果誇大に 日本共産党マイナ追及委

 日本共産党国会議員団の「保険証廃止撤回・マイナンバー問題追及委員会」は29日、国会内で第8回会合を開き、「保険証の廃止に伴う削減コスト」とする厚生労働省の試算について追及しました。この試算が、システム改修費用などの支出を除外して“効果”を誇大に出していることが判明しました。
 厚労省は、保険証を廃止することで、国保と後期高齢者医療、被用者保険を合わせた経費の削減額が「76億~82億円」になると試算しています。
 また、「マイナ保険証」の保有者が増えた場合、「資格確認書」や「資格情報のお知らせ」の印刷枚数が減ることなどから「100億~108億円」に削減効果が上がるとしています。
 宮本徹衆院議員が「システム構築費用は入っているのか」と質問。厚労省の担当者は「入っていない。この試算は、毎年のように定常的にかかる費用の試算。(システム改修などの)1回限りの費用は試算に加えていない」と答えました。
 追及委責任者の塩川鉄也衆院議員は、オンライン資格確認システムでマイナ保険証を利用して確認を行った比率が4月の6・3%から減り続け、7月には5・0%に下がっていると指摘しました。
 厚労省は「マイナ保険証のメリット周知に努める」と答えるだけでした。塩川氏は、利用が下がっているのは国民の不信が広がっている証しだとして「保険証廃止は撤回、マイナンバー制度の抜本的な見直しを」と求めました。

以上2023年8月30日付赤旗日刊紙より抜粋