個人情報保護“弱い” 共産党マイナ追及委会合 山田教授が講演
日本共産党国会議員団の「保険証廃止撤回・マイナンバー問題追及委員会」が3日、国会内で会合を開き、個人情報保護の観点からみたマイナンバー制度の問題点について山田健太専修大教授から講演を受け、質疑応答しました。
山田氏は、政府のデジタル政策の中で推進役として期待されているのがマイナカードであり、透明性と公正性に欠け、見せかけの利便性でビッグデータなどによる利活用が進む危険性があると指摘。現行制度について、(1)前提となる情報公開制度に不備があり、国民による監視制度が不十分、(2)本人同意なき利活用で、情報の主体である国民に権利がない、(3)情報の集約・集中管理、際限なき委託による下請け構造で漏えいの危険性が拡大する―という三つの懸念を示しました。
追及委責任者の塩川鉄也衆院議員は、マイナ制度の狙いを確認。山田氏は「DX(デジタル変革)は経団連が言い始めたことであり、莫大(ばくだい)なコストが必要なもので、止まらない巨大国策事業、経済振興策だ」「世界のIT企業が注目しているのは健康データ。皆保険制度の日本は医療ビッグデータの素地がある。世界に通用するビジネスモデルをつくろうとしている」と、マイナ制度・DXが経済界の要求であり、ビジネスのためであることを指摘しました。
伊藤岳参院議員や高橋千鶴子衆院議員が、政府の個人情報保護委員会について質問。山田氏は、もともと個人情報保護法が「利活用のためのもの」であり、諸外国と比較しながら「個情委は権限が弱い。体制もない」と指摘。「国の個情委まかせでは危険であり、自治体の審議会など住民の目でのチェックを強化することが必要だ」と述べました。
以上2023年10月5日付赤旗日刊紙より抜粋