統一協会問題野党国対ヒアリング 財産保全は絶対必要 統一協会被害者 与党PT案に限界

 統一協会(世界平和統一家庭連合)の問題に関する野党国対ヒアリングが17日、国会内で開かれ、被害者らが協会の財産を保全する法律の必要性を訴えました。
 統一協会と交わした将来にわたり献金の返還要求などをしないとの「合意書」の有効性を争い控訴審判決で勝訴した女性は「頑張って裁判をしても、お金を回収できなければ意味はない。裁判をやった後に『財産がありません』と言われないようにする仕組みが必要だ」と語りました。
 統一協会信者の母親が1億円以上の献金被害にあった中野容子さん(仮名)は、与党プロジェクトチーム(PT)の被害者救済について「財産保全の法律をつくることは考えられていない。(宗教団体の)信教の自由を侵害するなどとして被害者を救済しようとしないなら、重大な不作為ではないか」と述べました。
 信者2世の元信者で、多額の献金被害者の男性は、与党PT案に含まれている訴訟支援では、親による献金の返金を求める訴訟を信者2世ではできないなど被害救済に限界があると指摘。「与党PT案に含まれていない教団財産の包括的保全措置は絶対に必要だ」と強調しました。
 全国統一協会被害問題対策弁護団の阿部克臣弁護士は「(与党PT案は)財産保全するものではない。統一協会の財産散逸をいかに保全するかが問われている中、はなはだ不十分だ」と話しました。

以上2023年11月18日付赤旗日刊紙より抜粋