公文書 元号強制は問題 西暦求める会、宮本徹氏懇談

 「西暦表記を求める会」のメンバーが20日、公文書において元号使用が事実上強制されている実態の改善を求めて、日本共産党の宮本徹衆院議員と国会内で懇談しました。同会は2019年に結成され、「すべての公文書に西暦表記を!」というスローガンのもと、公文書における「年表記」を西暦化することを目指して運動しています。
 菅義偉官房長官(当時)は2019年の会見で、「公的機関の窓口業務での国民の元号使用はあくまで協力要請であり西暦で記入したものも受け付けられる」と述べています。しかし、日本年金機構の電子申請プログラムでは、プルダウン方式で「年」を入力する欄について元号でしか入力できない仕様になっています。「会」は、電子申請においても「西暦」での申請もできるように仕様を変更すべきだと求めています。
 「会」共同代表の田中宏一橋大学名誉教授は「永住や長期滞在の外国人が320万人を超え、政府もデジタル化を推進している中、改元のたびにリセットされ、未来の年は存在しない年になることもあり、不便で不合理だ」と述べました。
 「会」共同代表の澤藤統一郎弁護士は「2012年の自民党改憲草案には元号の規定があるが、日本国憲法には存在しない」として、元号の強制は憲法上も問題があると指摘しました。
 宮本氏は、「元号でしか入力できないのは、事実上の強制だ。是正を求めていきたい」と応じました。

以上2023年12月25日付赤旗日刊紙より抜粋