党災害対策本部が会合 救援募金早く被災地へ 「雇調金特例コロナ並みに」宮本徹議員が厚労省に要請

 日本共産党国会議員団の能登半島地震災害対策本部(本部長・志位和夫委員長)は9日、国会内で会合を開きました。現地の党組織などと緊密に連携し日々変わる被災地の状況を把握し、さらなる政府への申し入れを行っていくことなどを確認しました。
 対策本部長代理の小池晃書記局長は、全国の党組織がとりくんでいる救援募金活動で9日正午までに3649万円が党中央に寄せられていると報告。「一刻も早く被災地に届ける活動を今週中にも行いたい」と述べました。
 甚大な被害が出ている石川県輪島市などを現地調査した対策本部事務局長の井上哲士参院議員は、救命活動に全力をあげながら、孤立集落など被害の全貌をつかみ、遅れている避難者への支援に力を尽くす必要があると強調しました。
 輪島市では道路の分断などで避難所に物資が行き届かず、さらに避難所に入りきれずビニールハウスなどに自主避難している人たちが物資を受け取れない事態になっていると指摘。避難所の深刻な衛生環境も指摘し「熊本地震では直接死が50人だったが、関連死は200人を超えた。こうした事態を繰り返してはならない。末端まで支援を届け、声をよく聞いて対応することが必要だ」と述べました。

「雇調金特例コロナ並みに」宮本徹議員が厚労省に要請

 日本共産党の宮本徹衆院議員は9日午前、能登半島地震で被害を受けた事業者が労働者の雇用を維持できるよう、雇用調整助成金の震災特例をコロナ特例並みで至急実施するよう厚生労働省に要請しました。
 雇用調整助成金は企業が従業員に支払った休業手当の一部を助成する制度です。助成率は中小企業が3分の2、大企業で2分の1です。熊本地震のさいには、震災特例で中小企業は5分の4、大企業は3分の2へと引き上げられました。コロナ禍では、解雇を行わない中小企業の場合は助成率10分の9とし、さらに業況特例や地域特例で10分の10の特例も設けられ、手当の上限額も大幅に引き上げました。
 宮本氏は「コロナ禍での政府の要請による営業自粛も、自然災害も、事業者・労働者にとっては不可抗力であり、苦しみは同じ。雇用を維持し、事業者を支えるために、大胆な支援が必要」と要請しました。厚労省担当者は、「検討中であり、幹部に要請を伝える」と述べました。

雇調金の特例措置検討 厚労省 被災地域の企業支援へ

 厚生労働省は9日、能登半島地震の影響を受けた企業を支援するため、雇用調整助成金(雇調金)の特例措置の検討に入りました。被災地域の企業が従業員の雇用を維持できるよう支援します。また、国税庁は石川、富山両県の住民や企業を対象に国税の申告・納付期限を延長します。
 岸田文雄首相は9日午前、首相官邸で開いた非常災害対策本部で「震災の影響を受けている企業が、雇用を維持していただくことも重要だ」と述べ、雇調金の特例措置などの対応を指示しました。
 武見敬三厚生労働相も厚労省の対策会議で「過去の災害への対応状況を踏まえて、必要な対応を速やかに検討する」と述べました。
 国税の申告・納付期限の延長では、被災状況を踏まえて具体的な延長期間を決めます。石川、富山県以外でも被災して申告や納付ができない場合は、納税署に申請することで期限を延長できるといいます。

以上2024年1月10日付赤旗日刊紙より抜粋