あすのば給付金受給者6千人調査 中間報告会 7割超の保護者 赤字

 公益社団法人「あすのば」は2日、全国の生活保護世帯や住民税非課税世帯などの子どもと保護者約6千人が回答した調査の中間報告を発表しました。7割以上の保護者が、世帯収支(2023年10月時点)を赤字と回答。物価高騰や新型コロナウイルス感染症の流行を受け、経済的に追い詰められている状況が明らかになりました。
 調査は、「あすのば」の「入学・新生活応援給付金」などを受給した生活保護世帯など1万4845世帯が対象。保護者4012人と子ども・若者1862人の計5874人が回答しました。
 調査では、コロナ禍の影響で「失業・休業・転職などで世帯の収入が減った」と回答した家庭が53%でした。物価高騰の影響で「家計がさらに苦しくなった」が85.4%、「衣食住に関する費用をさらに節約するようになった」が73.2%にのぼりました。平均世帯年収は178万円で、100万~149万円の世帯が最も多く、22.1%でした。
 経済的な理由として保護者が「諦めた経験」で最も多かったのは、「塾・習い事」の68.6%でした。一方、将来に影響する「模試や検定を受ける」経験を諦めた子ども・若者は、高校生で18.5%、大学・専門学生で23.7%でした。
 この日、衆院第1議員会館で開かれた集会で、調査検討委員の高山優樹さん(静岡大学3年)は、子ども・若者から、▷教材費で悩んでいる▷塾に行けない▷資格取得を諦めるーという声があったと指摘。「自分の努力では、どうにもならないところへの支援が必要です」と話しました。
 集会は超党派でつくる「子どもの貧困対策推進議員連盟」との共催。日本共産党の宮本徹衆院委員が参加しました。

以上2024年4月3日付赤旗日刊紙より抜粋

※集会で宮本徹議員は、「今回の調査で改めて、子どもたちがたくさんの事を諦めなければならない状況になっている。日本社会全体の問題として重く受け止めないとならない問題だ」と述べ、「教育の無償化が私の大学での卒業論文のテーマでしたが、児童扶養手当の問題などさまざまな経済的支援が、しっかり行われるようがんばってまいりたい」と発言しました。