2024年4月11日 衆院地こデジ厚労連合審査会 負担額に格差生じる 宮本氏子育て支援金を追及

配付資料 育休休業の取得率・取得期間の状況 
配付資料 「子ども未来戦略」(2023年12月22日閣議決定)より抜粋 
配付資料 宮本徹質問主意書と答弁より抜粋 20240411
配付資料 2028年度の年収別の支援金額(機械的な粗々の試算) 20240411

 日本共産党の宮本徹議員は11日の衆院地域こどもデジタル・厚生労働連合審査会で、政府が「少子化対策」の財源の一部として導入する「こども・子育て支援金制度」について、医療保険の種別や自治体によって負担額に格差が生じる問題を追及しました。
 政府の試算では、夫婦と子ひとりの世帯で夫のみ年収200万円の場合、被用者保険で月350円、国民健康保険で月700~800円の負担です。宮本氏は「国保加入者が大変重い負担を払うことになる」と指摘。「同じ収入なのに国保加入者の負担が倍になる制度設計は正当化しえない」と繰り返しただしました。加藤鮎子こども政策担当相は「どの保険制度も医療保険料の4~5%の負担額になる。現行の医療保険制度に合理性があるとの前提で言えば、支援金にも一定の合理性がある」と答えるだけで、合理化する根拠を示せませんでした。
 宮本氏は、国保では自治体によっても同じ収入でも負担額に1・5倍や2倍の格差が生じるのではないかと指摘。「所得が少ない方の多い自治体は、保険料率を高くしなければ(拠出金を)賄えない」と迫ると、加藤氏は「市町村国保では、所得水準の差について支援金(の負担額)も影響を受ける」と認めました。

以上2024年4月12日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2024年4月11日 第213国会衆院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会厚生労働委員会連合審査会第1号議事録≫

○谷委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。ちょっと委員会の雰囲気の流れもありますので、質疑順序を入れ替えまして、子育て支援金からお伺いをしたいと思います。今回、医療保険制度を使うということによって、保険の違いによる格差が大変大きいわけですね、資料の一番後ろにつけましたけれども。この間に政府が示した資料を基にすると、夫婦子一人の三人世帯、夫の給与収入のみ、年収二百万円の場合では、被用者保険では月三百五十円、国民健康保険世帯では月七百円から八百円ということになるわけですね。子育て支援金は、こういう医療保険を使うことによって、同じ収入なのに国保加入者が大変重い負担を払うことになります。どう考えても正当化し得ない制度設計だと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○加藤国務大臣 お答え申し上げます。一定の給与収入がある方が加入されている被用者保険に対しまして、国民健康保険では無職や自営業など様々な就業状況の方が加入しておられることを踏まえまして、異なる制度設計がされているというふうに承知してございます。これは支援金制度に固有のものではありませんが、それぞれ、賦課方法については一定の合理性があるものと考えております。その上で、国保と被用者保険の支援金額の比較につきましては、国保については、お住まいの自治体や収入、世帯などの置き方によって結果が異なることもありまして、一概に比較することは困難でありますが、支援金の賦課方法は基本的に医療保険制度に準じた取扱いとなり、どの制度でも医療保険料の四、五%の水準となります。こうした仕組みには一定の合理性があると考えております。なお、支援金額が大きい場合は医療保険料の額も大きいということでもありまして、その分、歳出改革による保険料の軽減効果も大きくなること、また、歳出改革により、全体としては実質的な負担がない中で支援金の拠出をいただくことに留意が必要であると考えております。
○宮本(徹)委員 聞いたことに答えていないじゃないですか。同じ収入なのに倍以上になるわけですよ、国民健康保険だと。そんな制度設計がなぜ正当化されるのかということを聞いているわけですよ。合理化できるという話を言っているけれども、合理化できる根拠を何一つ今示していないですよ。ちゃんと論理立てて説明してください。同じ答弁だったら駄目ですよ。(発言する者あり)同じ答弁は駄目でしょう。何を言っているんだ。
○加藤国務大臣 お答えを申し上げます。一定の給与収入がある方が加入されている被用者保険に対しまして、国民健康保険では、これは先ほども申し上げましたが、無職や自営業など様々な方が加入されています。そのことを踏まえ、国保においては、所得に応じて賦課される応能割と、世帯の被保険者数等に応じて定額が賦課される応益割から構成されて、低所得者の保険料軽減措置も設けられている一方で、被用者保険におきましては、標準報酬月額、標準賞与額に保険者ごとが定める定率の保険料率を掛けて保険料が計算されるなど、異なる制度設計がされているところでございまして、それぞれの賦課方法について一定の合理性があるものと考えております。
○宮本(徹)委員 全く答えていないですよね。委員長、答えさせてください。
○谷委員長 時計を止めてください。
〔速記中止〕
○谷委員長 時計を動かしてください。加藤国務大臣。
○加藤国務大臣 支援金は、医療保険に準じて徴収をさせていただいているものでございます。今、国保と被用者保険の支援金額の比較につきましては、国保について、お住まいの自治体や収入、世帯などの置き方によって結果が異なることもありますので、一概に比較することは困難ですが、先ほど申し上げたとおり、支援金の賦課方法は現在ございます医療保険制度に準じた取扱いとなります。また、そのどの制度でも医療保険料の四、五%の水準になるということがありますので、現行の医療保険制度、それに対して、そこで支払っておられる保険料に対して、それはどの制度においても四から五%というふうな水準になりますので、今、現行の医療保険制度に一定の合理性があるという前提でいえば、この支援金も一定の合理性があるというふうに考えております。また、さらに、支援金額が大きい場合には歳出改革による軽減効果も同様に大きくなることは、御留意をいただきたいと思います。
○宮本(徹)委員 結局、なぜ国保と被用者保険で負担の格差が二倍以上に広がってもそれが正当化できるのかという理由について、何一つ説明できていないじゃないですか。先ほど来、医療保険の仕組みを説明しているだけですよ。なぜ子育て支援の負担の額が、国保に入っている人と……(発言する者あり)元々そういう仕組みというのは、それは医療保険はそういう仕組みになっていると説明しているだけで、子育て支援金が、なぜ子育て支援に当たって、入っている保険によって負担が倍以上になってしまうのかという、これは本当に国保に入っている人は怒りますよ。怒るから、皆さん、国保のちゃんとした金額を示さないんじゃないですか。なぜ国保の方は負担額をちゃんと示していないんですか。私、皆さんが示さないから、ちょっと自信がないけれども、粗々の試算をしましたよ。倍以上の負担になりますよ、三人世帯でも。一人世帯で比べたとしても一・五倍前後の負担になりますよ。こんな負担の差が、子育て支援において、入っている医療保険の違いによって起きるなんておかしいじゃないですか。誰がどう考えてもおかしいですよ。おかしくないと言える人はいないんじゃないですか、この委員会の中で。いたら手を挙げてくださいよ。いないじゃないですか、委員会室に誰一人。ですから、はっきり言って、今日、立憲の大西さんからも質疑がありましたけれども、国保のそれぞれの年収ごと、世帯ごとの負担額を示してその下で議論しない限り、この法案の審議、終わることはないですよ。それを出した上で、国民にこれでいいんですかということを問うて議論しましょうよ。いかがですか、大臣。
○加藤国務大臣 お答えを申し上げます。国保ということですけれども、これまでこども家庭庁としましては、加入者一人当たりの金額に加えまして、三月の二十九日には医療保険制度ごとの支援金額の幅広い試算について公表をさせていただきまして、その中で、国保につきましては、夫婦子一人の三人世帯、夫の方が給与所得のみという前提を置いてですが、のケースの加入者一人当たりの支援金額、これにつきましては、その三月二十九日の公表の時点で、年収八十万円では月五十円、年収百六十万円では月二百円と年収別にお示しをしてまいりました。後期高齢者についても、年金収入のみの単身世帯で、それぞれ八十、百六十、百八十、二百で年収別にお示しをしました。
○宮本(徹)委員 だから、四百万、六百万、八百万、一千万、どうなるのかというのはちゃんと示してくださいよ。世帯ごと、そして収入ごと。当然これは示して当たり前の話ですよ。(加藤国務大臣「はい」と呼ぶ)はいと言って答えない。
○加藤国務大臣 あ、質問されていない……。
○宮本(徹)委員 質問、いや、私は示してくださいと言っただけですよ。それで、ちょっと時間がないからもう一問行きますけれども、自治体ごとの格差というのも、先ほど大臣おっしゃったとおり、物すごいあるわけですよね。結局、市区町村国保では、所得が少ない加入者が多い国保ほど、この子育て支援金も保険料率や均等割が高くなっていくんじゃないですか。同じ世帯構成、同じ収入で比べて、最大どれぐらいの自治体格差が出ると見ているのか。一・五倍以上あるいは約二倍という自治体格差もあり得るんじゃないですか。いかがですか。
○加藤国務大臣 お答え申し上げます。市町村国保における実際の支援金の拠出に当たりましては、市町村が条例において賦課方法等を定め、それに基づき決定されることとなるため、その条例が定まっていない現時点で個別の市町村における支援金額についてお答えすることは困難です。ただし、一般に、市町村間における国民健康保険料の差は、市町村間の医療費水準ですとか、また所得水準の差を反映していると考えられますが、支援金につきましては、医療保険料とは異なりまして、市町村間の医療水準の差は考慮しませんので、支援金額も医療費によって異なるといったことにまではなりません。一方で、市町村間の所得水準の差については、これは支援金についても影響は受けますので、そこは考慮することから、所得水準の高い市町村の平均的な支援金額は、低い市町村と比べて高くなると考えてございます。市町村間の所得水準の違いに応じて市町村が納付すべき額が決まり、それを基に保険料や支援金が賦課されるという枠組みについて、負担能力に応じた拠出として適切なものであると考えております。
○宮本(徹)委員 最後の結論がおかしいんですよ。所得水準が低い国保だと、結局、所得が低い人がみんなで応益負担を分け合わなきゃいけないですから、保険料率が高くなってしまう。こういうことをやらないと、同じ金額を割り振られたら、そうなっちゃうわけでしょう。(発言する者あり)いや、違いますよ、それは全く間違いですね。支援金は医療費と同じ枠組みで、医療費と同じ枠組みでいくわけですよ。違うんじゃないですか。やじを止めてくださいよ。委員長、何をやっているんですか。
○谷委員長 宮本君、質問を続けてください。
○宮本(徹)委員 私に注意するんじゃなくて、やじ席に注意しなさいよ。あなた、委員長失格だよ、はっきり言って。いいですか、所得水準の差によって、所得水準が低い方が多い自治体は保険料率が高くなるんじゃないですか。
○加藤国務大臣 繰り返しになりますが、支援金につきましては、医療保険料とは異なり、市町村間の医療費の水準は考慮しませんので、支援金額も医療費によって異なるといったことにはまずなりません。一方で、所得水準、こちらについては影響を受けます。市町村間の所得水準の差については考慮するので、所得水準の高い市町村の平均的な支援金額は、低い市町村と比べて高くなると考えております。市町村の……(宮本(徹)委員「違う、それを聞いているんじゃない。保険料率を聞いているわけですよ。保険料率を聞いているんですよ」と呼ぶ)
○谷委員長 宮本君。
○宮本(徹)委員 いや、私の認識は、被用者保険は保険料率は一律だというふうに聞いていますけれども、均等割、市区町村については違うという説明を聞いていますけれども、違いますか。
○加藤国務大臣 繰り返しになりますが、市町村国保における実際の拠出に当たっては、市町村が条例において賦課方法を定め、それに基づき決定をされることになりますため、条例が定まっていない現時点では、個別の市町村における支援金額にお答えすることは現時点で困難でございます。また、所得水準の差について申し上げれば、所得水準の高い市町村の平均的な支援金額は、低い市町村と比べて高くなると考えております。
○宮本(徹)委員 私の聞いたことに全然答えていないじゃないですか。一般論を聞いているわけですよ。当然、所得水準が、自治体で均等割と保険料率をそれぞれ決めていくというのが今の大臣の説明でしたよね。均等割と保険料率は、それぞれ賦課方法は自治体が決めていくというのが答弁で、与党のやじの声とは全然違ったわけですよ、大臣の今の説明は。その上で、保険料率はどうなっていくのかということを考えた場合に、当然、所得が少ない人がたくさん入っている保険者の方が保険料率を高くしないと賄えなくなるじゃないですか。私はその一般論を聞いているわけですよね。
○谷委員長 宮本君、既に持ち時間が経過しておりますので、質疑を終了願います。
宮本(徹)委員 結局、私の聞いていることに全然大臣は答えられないまま、時間が終わってしまった。こんなことで、連合審査一回というわけにはいかないんじゃないですか、委員長。連合審査は三回ぐらいやっていただきたい。そして、国保についてはしっかり資料を出していただきたい。是非、理事会で御協議お願いします。
○谷委員長 持ち時間が経過しておりますので、終了願います。次に、田中健君。