2024年4月5日 厚生労働委員会 3年公募制度廃止を ハローワーク非常勤で宮本徹氏

 日本共産党の宮本徹議員は5日の衆院厚生労働委員会で、ハローワークの非常勤職員が3年に1回公募にかけられる仕組みをやめるよう求めました。
 ハローワーク職員は、非常勤職員の割合が高く、厚労省も「常勤職員が本来担うべき基幹的な業務を非常勤職員が恒常的に担っている実態」があると説明しています。宮本氏が非常勤職員のほぼ全員が基幹的業務を担っているとただすと、厚労省の山田雅彦職業安定局長は、かなりの数の非常勤職員に高齢者、障害者、ひとり親などへのきめ細やかな就職支援などの基幹的業務を「やっていただいているのは事実だ」と認めました。
 宮本氏は、非常勤職員が3年に1回、自らの職が公募にかけられると、求職者に自らの職を紹介しなければならないケースまであると指摘。専門性を発揮し、安定して働き続けられるようにするために、「公募制度を根本から見直して、思い切って常勤化も進めるべきではないか」と迫りました。
 武見敬三厚労相は「111人の定員増を実現し、社会人選考採用で近年の実績の3倍となる166人を常勤として採用した」と答弁。宮本氏は、2万人もの非常勤職員の常勤化が必要なもとで、1年で166人の常勤採用では100年たっても何千人も非常勤のままになってしまうとし、公募制度の廃止を重ねて求めました。武見氏は「その点も含めて、しっかり検討したい」と答弁しました。

以上しんぶん赤旗ホームページネット配信記事より抜粋

≪2024年4月5日 第213国会衆院厚生労働委員会9号議事録該当部分抜粋≫

○宮本(徹)委員 ~略~ 続きまして、ハローワークの体制についてお伺いしたいと思います。今回の法改正で適用拡大とあります。これで五百万人が新たに加入するということで業務量も大変増えていくわけですが、ちょっと資料の三ページ目を見ていただきたいんですけれども、これは国公労連が作成した長期病休者の資料なんですね、一番下のところなんですけれども、これを見ますと、厚生労働省職員だとか都道府県労働局職員の長期病休率というのが、国家公務員全体に比べて高いんですね。これは何か原因は分析されているんでしょうか。
○村山政府参考人 お答え申し上げます。厚生労働省において長期病休している職員の比率を最近五年間で見ますと、省全体ではおおむね一・九%から二・七%、うち本省ではおおむね一・九%から二・九%、また労働局ではおおむね二・〇%から二・八%で推移しており、国家公務員全体の病休率、具体的にはおおむね一・四%から一・九%でございますが、これと比べて、どの年を取っても高いことは事実でございます。お尋ねの高い病休率の要因として、全職員に対するアンケートから浮かび上がってきているところといたしましては、業務内容にやりがいはあるものの、そもそもの業務量が過大であることや、その結果、超過勤務が多く、ワーク・ライフ・バランスの確保が難しいことなどがうかがわれております。同時に、省内組織の在り方として、職員のメンタルヘルスをめぐる課題については、人事や福利厚生の観点から関係部門が個々別々に取り組んできたということから、総合的また専門的な支援機能が弱いといった点も事実でございます。このため、まず、業務に応じた体制確保の観点から、本年度については、本省内部部局や御指摘のハローワーク等を中心に定員増を図っており、また、業務の効率的な推進の観点から、外注可能な業務の外注化、ウェブ会議の推進、勤務時間管理のシステム化等の取組を、スケジュール管理しながら進めているところでございます。その上で、病気休業、ひいては離職を防止する取組といたしまして、本年四月一日に、大臣訓令に基づきますヘルスケア推進室を大臣官房に新たに設けまして、メンタルヘルス不調の一次予防に重点を置いて、共済組合診療所に配置している保健師や公認心理師等の保健スタッフも含めた一体的な体制を整備し、本省内はもとより、労働局等の地方機関の管理者や担当職員の研修体制を強化しつつ、今後、心身の健康づくりに向けた対応強化を目指しているところでございます。今後とも、職員が心身とも健康で、働きがいを感じられる職場づくりに向けて努力してまいりたいと考えております。
○宮本(徹)委員 一番初めに述べられたように、業務量が職員数に照らしても非常に多い、これが最大の長期病休者の多さの原因だというふうに思います。本当に頑張って働いておられると思います。資料をお配りしておるのを、四ページ目を見ていただきたいんですけれども、ハローワークの仕事でいうと、職員一人当たりの失業者数を比べると、欧米主要国と比べて日本は大変多いんですね。正規職員一人当たりで見ると、ドイツに比べて、一人当たり十倍の失業者数を見ているということになります。そして、資料の五ページ目を見ていただきたいんですけれども、にもかかわらず、この間、地方労働行政職員は、二〇〇四年から二〇二〇年にかけて三千人近く削減され、その中、ハローワークでいえば、定数が約二千五百人その間に削減されております。業務は増える、しかし常勤はどんどんどんどん定数が減らされてくる、それを非常勤でカバーするということになってきたわけですが、これが長期の病休者を生む大きな要因になってきていると思います。大臣、私は、定員削減をここまでやってきたことへの反省が必要だと思います。今回の法改正で業務量が増えます、どの程度の人員増が必要なのか、これは見積もっているんでしょうか。今回百名程度の定員の改善をしますけれども、これでは全く足りないと思いますが、いかがでしょうか。
○武見国務大臣 労働局職員については、政府の定員合理化計画の下で、国民への行政サービスの低下を招かないよう留意しながら業務の効率化を進め、長期的には定員が減少をしてまいりました。一方で、新たに取り組むべき分野等については増員要求を行って、必要な人員の確保に努めてきたところであり、令和四年度以降は、労働局職員の定員は増加に転じているところでございます。今般の法改正では、例えば適用拡大では、現在の被保険者の約一割に相当する約五百万人が新たに雇用保険の適用を受け得ることになることなど、事業主の手続負担のみならず、ハローワークにおいても業務量が増大することが見込まれます。このため、業務プロセスの見直しを含めたDX化であるとか、申請手続、審査業務の効率化などを推進するほか、追加的に必要となる体制について、今後、順次確保に努め、円滑な施行に向けて万全の体制を整えてまいりたいと思います。
○宮本(徹)委員 やはり、大臣、長期病休率がほかの省庁より高いという状況は一刻も早く改善しなきゃいけないと思うんですよね。厚生労働省、労働行政を扱い、健康を守る厚生行政をやっているところが、民間の労働条件と比べても本当にブラックな働かせ方が蔓延し、そして健康を損ねる、これはあってはならないことだと思うんです。ちょっと、次の質問まで行く時間がないから、本当に、この状況を、ほかの省庁に比べて病休率が高いという状況は改善しなきゃいけない、この思いについて、最後、聞かせてください。
○新谷委員長 武見厚生労働大臣、簡潔にお願いします。
○武見国務大臣 はい。実は、私、大臣に就任して、厚生労働省の職場をざっと回ったときに、昼は電気を消して、皆さん静かにしながら時を過ごしておられる、それから、地下に行くとそば屋の手前のところにはちょっとした休憩所みたいな場所があるんだけれども、そこにはコンクリートの上に机が幾つか置いてあって、そこに職員が机にもたれかかるようにして寝ていて休んでいるという状況を見まして、これは駄目だなと思ったんです。それで、政務の私どもでこれは何とかしようという意見が一致いたしまして、三浦政務官にその役割を担っていただいて、事務次官に、職場の環境改善というのをもっと徹底的にやるべきだ、そのためのきちんとした方針を取りまとめようということで、今、その作業を進めているところでございます。
○宮本(徹)委員 本省も当然ですし、ハローワークや労基署も含めてしっかり対応を求めて、残りの質問は次回させていただきます。ありがとうございました。