2024年6月5日 衆院厚生労働委員会 「介護労働 処遇改善を」決議 報酬減に批判渦巻くなか 異例の全会一致
「介護障害福祉従事者の処遇改善に関する件」 2024年6月5日衆議院厚生労働委員会
衆院厚生労働委員会は5日、「介護障害福祉事業者の処遇改善に関する決議」を全会一致で議決しました。4月実施の介護報酬改定で訪問費が引き下げられたのに対し、引き下げ撤回と報酬再改定を求める運動が広がり、異例の決議となりました。
決議は、介護・障害福祉従事者は「重要な職責を担っている」と指摘。他産業の給与水準と比べて低い状況だとして、「優れた人材の確保」「サービス提供体制を整備」するため、報酬改定などの影響について介護事業者等の意見も聞き、速やかで十分な「検証」を行うとしています。また、賃金などの処遇改善に資する施策を検討し、「必要があると認めるときは、必要な措置を講ずるべき」だと政府に求めています。
訪問介護事業所の4割近くが赤字の中、報酬を引き下げれば経営が立ち行かないとして、事業者や利用者から不満や怒りが噴出しています。中央社保協や全労連、全日本民医連は3日、訪問介護報酬引き下げ撤回・再改定を求める院内集会を開催。出席した厚労省老健局の担当課長は、4千人分の「訪問介護費の引き下げ撤回要請書」を受け取り、「しっかり受け止める」と応じていました。
以上2024年6月6日付赤旗日刊紙より抜粋
≪2024年6月5日 第213回国会衆院厚生労働委員会第22号議事録≫
○新谷委員長 この際、橋本岳君外六名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、日本維新の会・教育無償化を実現する会、公明党、日本共産党、国民民主党・無所属クラブ及び有志の会の七派共同提案による介護・障害福祉分野の人材の確保及び定着を促進するとともにサービス提供体制を整備するための介護・障害福祉従事者の処遇改善に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。提出者より趣旨の説明を聴取いたします。橋本岳君。
○橋本委員 私は、提出者を代表して、本動議について御説明申し上げます。案文を朗読して説明に代えさせていただきます。
介護・障害福祉分野の人材の確保及び定着を促進するとともにサービス提供体制を整備するための介護・障害福祉従事者の処遇改善に関する件(案)
政府は、高齢者等並びに障害者及び障害児が安心して暮らすことができる社会を実現するためにこれらの者に対する介護又は障害福祉に関するサービスに従事する者(以下「介護・障害福祉従事者」という。)が重要な職責を担っていること、介護・障害福祉従事者の給与水準が他産業の給与水準と比較して低い状況にあること、我が国における賃金や物価が上昇傾向にあること等に鑑み、これらのサービスを担う優れた人材の確保及び定着をより一層促すとともにサービス提供体制を整備するため、令和六年度に行われた介護報酬及び障害福祉サービス等報酬の改定の影響について、訪問介護を始めとする介護事業者等の意見も聴きながら速やかにかつ十分に検証を行い、介護・障害福祉従事者の賃金を始めとする処遇の改善に資するための施策の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるべきである。
右決議する。
以上であります。何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○新谷委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○新谷委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とすることに決しました。この際、武見厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。武見厚生労働大臣。
○武見国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいります。
○新谷委員長 なお、本決議の議長に対する報告及び関係方面への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○新谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。