優生裁判最高裁大法廷判決 被害者の声社会変えた 歓声そして全面解決へ
旧優生保護法(1948~96年)の下で不妊手術を強制されたのは違憲だとして、被害者が国に謝罪と賠償を求めた裁判。傍聴しようと3日、1000人近くが最高裁に集まりました。原告全面勝訴の判決を受け、原告・弁護団はじめ支援者らは喜びを分かち合いました。
判決後に東京都内で開かれた報告集会。「こんなにうれしいことはありません」と喜びの声を上げたのは、原告の北三郎さん(81、活動名)です。同時に「全面解決がまだ残っている。それに向けて一緒にがんばっていくことが課題です」と語り、手術の被害を受けた2万5千人全員が補償されることを求めました。
北海道の原告、小島喜久夫さん(82)は「国は私の体にメスを入れたのだから謝罪をしてほしい」と訴えました。
全国優生保護法被害弁護団共同代表の新里宏二弁護士は、優生手術を受けさせられた被害者が声を上げることは非常に難しい今の社会のなかで裁判に訴えたことが、「最高裁までも動かし、社会も変えられるのだ」と強調しました。
同共同代表の藤原清吾弁護士は「判決をきっかけに優生思想を社会から取り除く取り組みをスタートさせなければならない」と強調しました。
優生保護法問題の全面解決をめざす全国連絡会(優生連)共同代表の利光恵子さんは手話で、全ての人の人権と尊厳を回復させ二度と同じ過ちを繰り返さないようにしていこうと呼びかけました。
報告集会には国会議員が参加。日本共産党からは、高橋千鶴子、宮本徹両衆院議員、井上哲士参院議員が参加しました。
全国弁護団は同日、声明を発表。判決が除斥期間を適用することは「著しく正義・公平の理念に反し、到底容認することができ」ず、「信義則に反し、権利の乱用として許されない」としたことにふれ、「国による非人道的な人権障害行為を直視し、人権保障のとりでとしての役割を果たしたもの」だと高く評価しました。
被害者の全面解決に向けて日弁連は16日、電話での無料相談会を実施する予定です。
以上2024年7月4日付赤旗日刊紙より抜粋