2016年2月16日 衆院予算委員会 米軍「思いやり予算」宮本徹議員追及

 


在日米軍駐留経費負担 2016年2月16日予算委員会提出資料①
防衛省提出資料 2016年2月16日予算委員会提出資料②
財政制度等審議会への財務省提出資料より 2016年2月16日予算委員会提出資料③
2014年4月1日現在の職種別駐留軍等労働者数(IHA) 2016年2月16日予算委員会提出資料④防衛省後年度負担の推移 2016年2月16日予算委員会提出資料⑤
中期防衛力整備計画の想定と各年度予算 2016年2月16日予算委員会提出資料⑥

以下2016年2月17日付赤旗日刊紙より抜粋

日本共産党の宮本徹議員は16日の衆院予算委員会で、2016~20年度までの在日米軍への思いやり予算(在日米軍駐留経費)の支出根拠となる新しい特別協定(1月22日締結)について、20年ぶりに日本が給与負担する米軍基地従業員を増加させるなど、思いやり予算を「恒久化」するものだと指摘し「極めて異常な対米従属姿勢だ」と追及しました。
当初、財務省側は思いやり予算負担を「聖域視せず、減額を図るべき」などと主張していました。しかし政府は今回の協定で前回より133億円増やそうとしています。
宮本氏は今回の特別協定で、日本が給与を負担する米軍基地従業員が過去最高の2万3178人に到達すると指摘しました。
宮本氏は、財務省自身が「労務費にかかわる負担については、廃止も含め縮小をはかっていく必要があるのではないか」と指摘していたことをあげ異常な対米従属姿勢を批判しました。
また、新しい特別協定で米軍への施設提供整備に「各年度206億円を下回らないこととする」としていることをただしました。これについて財務省が「あらかじめ負担総額を決めることは不適当」と指摘していたこととも反すると強調。なぜ各年度206億円の負担なのか、その積算根拠を明らかにすることを求めましたが、政府は何の根拠も示せませんでした。
宮本氏は「何の根拠もなく毎年206億円までは米軍がほしいものを何でもつくってあげる。まるでアメリカの予算扱いだ」と批判。「(政府は)財政が厳しいと言って給付制奨学金はかたくなに拒否しながら、思いやり予算は増やす。思いやる相手を間違っている」と指摘し、政府の異常な対米従属姿勢をただしました。(以上一面)

日本共産党の宮本徹議員は16日の衆院予算委員会で、安倍政権のもとで軍事費が「中期防衛力整備計画」(中期防)を上回る勢いで増えている問題を取り上げ、戦争法にもとづく軍拡路線からの根本的転換を求めました。
中期防は、5年間の軍事整備計画を定めたもので、現在の中期防(2014年度~18年度)は、総額23兆9700億円で予算枠を決めています。
宮本氏は、安倍政権のもとで軍事費の後年度負担が急増していると指摘。麻生太郎財務相は「後年度負担は、2012年度は3兆1583億円、16年度は4兆6537億円で、4年間の伸び率は47%」と述べました。宮本氏は、未来の予算を奪っていると批判。そのうえ、14年度予算から16年度予算案までの3年で、中期防対象経費は中期防の想定を5000億円以上も上回っているとして、「このままでは中期防を大きく超えることは明白だ」とただしました。
中谷元・防衛相は「中期防で定められた所要経費の範囲で防衛費の整備を行う」と実態に反する言い訳を繰り返すだけ。宮本氏は「中期防の範囲というなら、17年度から軍事費は大幅減額するということか」と何度も迫りましたが、中谷防衛相はまともに答えませんでした。(以上二面)

≪第190回 衆院予算委員会第13号 2016年2月16日 議事録≫

○竹下委員長  次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。防衛省予算について質問いたします。来年度予算案では、当初予算で初めて防衛費が五兆円を超えました。まず初めに、思いやり予算について聞きます。二〇〇〇年以降、削減傾向にあった思いやり予算が、前回の特別協定で横ばいとなり、来年度からの新しい特別協定では増加に転じることになりました。改めて岸田外務大臣に確認しますけれども、地位協定は、第二十四条で、基地の提供のことを除けば、日本国に合衆国軍隊を維持することに伴う全ての経費は合衆国が負担する、こうなっていますよね。
○岸田国務大臣 御指摘のように、日米地位協定第二十四条の一に基づいて、同条二において日本が負担すべきものを除いて米国が負担することとなっております。ただ一方で、特別協定というものがありますので、その米国が負担するもののうち、日米両国を取り巻く諸情勢に留意し、在日米軍の効果的な活動を確保するため、地位協定の特則である特別協定を締結して日本が負担する部分があります。よって、全体の中で、二十四条の二において定められているものに加えて、この特別協定に定めているものを日本が負担し、それ以外を米側が負担する、このような仕組みになっております。
○宮本(徹)委員 その特別協定の今回の改定に当たって、財政審は建議でこう言っていたわけですね。在日米軍駐留経費負担を聖域視せず、減額を図るべきだと言っていました。理由として、一つは、思いやり予算が始まったときは円高、それとアメリカの財政が大変だった、だけれども今や円安で、アメリカの負担は軽くなっている、一方で日本の財政は大変厳しい状況にある。もう一つ言っていたのは、近年、米軍再編経費の日本の負担が急激に伸びている、こういうことを挙げていたわけです。ところが、出てきた特別協定は、資料をお配りしておきましたけれども、二十年ぶりに、日本が給与を負担する米軍基地従業員の数をふやすものになりました。五百五十三人もふやした。二万三千百七十八人。過去最高の人数です。日本側の出発点は、思いやり予算は減額するということだったと思うんですが、これはちゃんと削減するという主張をしたんですか、大臣。
○岸田国務大臣 我が国からは、御指摘の厳しい財政状況及び国民の理解を得られることが重要である、こういった観点から、主張すべきは主張しつつ協議を行いました。そして、その結果として、例えば、在日米軍施設・区域で働く日本人労働者のうち、日本側が負担する人数について、福利厚生施設で働く労働者の上限数を現行特別協定の上限数からさらに削減する、あるいは労働者のさまざまな手当も削減する、あるいは光熱水料等の日本側負担割合も七二%から六一%に引き下げる、こうした努力をした次第であります。
○宮本(徹)委員 主張すべきことを主張したら、実質、増額が百三十三億円という結果になるはずがないんですよ。それから、先ほど、福利厚生施設で働く労働者を減らしたとかという話がありました。資料の二ページ目を見ていただきたいんですけれども、これはどういう意味なのかと私もよくわからなくて、防衛省に資料をつくってもらいましたよ。そうしたら、福利厚生の部分と装備維持に関する部分とを分けている意味というのは全くないというのが防衛省からの回答ですよ。給料を積算するときも、全部ひっくるめて平均給与を出して、全員分の給料を渡して、日本が負担するべきじゃない部分の差額が後から戻ってくるというそれだけの仕掛けで、何の意味もないことをやっているわけであります。そして、財務省自身が財政審で何と言ってきたのかというので、次のページに載せておりますが、一番下のところ、労務費の見直しのところをごらんください。「駐留軍等労働者の基本給等は、本来、地位協定に基づいて米国が負担すべきものであり、労務費に係る負担については、廃止も含め縮小を図っていく必要があるのではないか。」と、廃止とか縮小ということを言ってきたわけですよ。こう言っていたにもかかわらず、何で日本が負担する人がふえるんですか。おかしいじゃないですか。
○岸田国務大臣 先ほど申し上げましたように、福利厚生施設で働く労働者については削減を行いました。一方で、今、現状の厳しい安全保障環境の中で、さまざまな装備の最新鋭化を図っていかなければなりません。こうした最新鋭の装備の維持整備に従事する労働者の人数を増加させる、こういったことも行われました。要は、金額はほぼ横ばいということでありますが、内容においてより精査し、そして質を高めた、こういった内容になっていると考えております。現状の厳しい安全保障環境に対応するべく、金額におきましても削減努力は当然のことでありますが、質においてしっかりとした、現実に対応できる中身を用意する、こういった観点から協議を行い、結論を得た次第であります。
○宮本(徹)委員 この資料の二ページ目を、岸田さん、後でよく読んでおいてくださいよ。全く意味のない答弁をしているわけですよ。質なんて何にも変わっていないですよ。それで、いろいろ言いますけれども、五百五十三人、今回負担がふえるということになったわけですけれども、一体なぜこれだけの人数がふえたのか。今、装備の維持、点検に必要な人をふやすという話でしたけれども、今まで、仮に米軍基地の従業員はふえても、日本が負担する人をふやしてきたことは二十年間なかったわけですよ。そして、仮にそういう装備を維持する人が必要だとしても、それを新たに日本が負担するというのは全く別問題なわけですよね。聞きますけれども、この五百五十三人ふやす具体的な積算根拠、どういう職種の人をどれだけ負担してほしいということをアメリカから話があったんですか。
○岸田国務大臣 まず、先ほど申し上げた福利厚生施設で働く労働者の削減、五百十五名となっています。一方で、装備の維持整備に従事する労働者、MLC労働者につきましては一千六十八人増加させることとし、結果として五百五十三人増加することとなりました。そして、その内訳ですが、MLC労働者の重要性に鑑みて、横須賀及び佐世保の艦船修理廠における整備、修理等に係る要員約四百六十名、岩国及び横田において航空機の運用や契約、調達等の手続に係る要員に約三百八十名、そして、最新鋭の装備の配備に対応するため各軍の施設整備を担当する要員に約二百三十名ということで、合わせて日本側の上限負担数を一千六十八人引き上げる、こういった内容になっております。
○宮本(徹)委員 結局、そういう人たちは今働いているわけですよね。実際いるわけですけれども、なぜ日本側が負担するのをふやすのかという話はいまだに説明されないわけですよ。そういう人々の分を、その基地の人たちの負担を日本側はふやしますということを言われるわけですけれども、なぜ日本側がふやすんですか。結局、アメリカからふやせと言われたから、ふやしているだけなんじゃないんですか。
○岸田国務大臣 まず、日本側の負担、米国側の負担につきましては、冒頭の質問でありましたように、日米地位協定第二十四条及び特別協定によって、それぞれの負担が定められています。その中にありまして、より厳しくなる安全保障環境に対応する最新鋭の装備を用意し、内容の充実に努めなければなりません。そういったことから、福利厚生に係る要員を削減し、そして最新鋭の装備に対応する要員をふやす、こういっためり張りをつけた対応を行ったわけであります。これは、現実において、我が国の安全保障を守る上において、大変重要な取り組みであると考えます。そういった考え方に基づいて、米側とぎりぎりの協議を行い、今回の結論に至った次第であります。
○宮本(徹)委員 米側とぎりぎりの協議をやって、何で負担がふえるのかということを言っているんですよ。ぎりぎりの協議なんて全然やっていないということじゃないですか。減らせということを言ってきたわけですよ。大体、基地従業員は全体で二万五千人ですよ、今。そのうち、今度の負担で、二万三千百七十八人と、九割以上を日本が持つということになるわけですよね。財政が厳しい中、減らせ減らせと財務省も言ってきたのに、実際、交渉したら、負担をふやしちゃう。今、一生懸命、福利厚生を減らしたということを言っているけれども、全くそんなことは意味がないということも防衛省の資料も示してやっているのに、また同じことばかり繰り返して、恥ずかしい答弁ですよ。異常な対米従属姿勢だと言わなければなりません。もう一つ聞きます。米軍への提供施設整備について、新たな特別協定の有効期間において、各年度二百六億円を下回らないこととすると。下回らないこととすると、大変変な合意をしております。上限を決めるならわかりますよ。二百六億円を下回らないものを提供しますというのは、普通の予算の組み方じゃないですよね。二百六億円掛けるこれから五年間ですから、一千三十億円ということになります。一体、日米交渉の中で、何の施設がどれだけ必要で一千三十億円に五年間でなったのか、この積算根拠を示してください。
○中谷国務大臣 次期の特別協定の期間中の提供施設の整備につきましては、二百六億円を下限としつつ、具体的に言えば、管理棟、隊舎、家族住宅等の米軍の活動の基盤となる施設、そして第二に、汚水処理施設、防災施設等の環境関連及び安全対策施設等の米軍と地域社会との調和に資する施設、これを想定いたしております。実際には、提供施設整備を行うに当たりまして、米側からの要望を受けまして、案件の採択基準を踏まえつつ、財政当局と相談の上、必要な経費を措置するといたしております。なお、レクリエーション、娯楽施設等の福利厚生施設につきましては、その必要性を特に精査いたしまして、娯楽性、収益性が高いと認められる施設、例えばショッピングセンターとかスナック、バーの新規採択は引き続き控えるということにいたしております。
○宮本(徹)委員 結局、先ほどの中谷大臣の答弁でも、想定ということを言うだけでしょう。一体、一千三十億円、何をつくるんですかというのは、具体的には何にも決まっていない、これから案件を決めて探すということでしょう。それが何で、二百六億円という額だけが先に決まるんですか、一千三十億円という額が決まるんですか。こんなおかしい話はないんじゃないですか。結局、毎年毎年、二百六億円までは、米軍がつくってくれと言うものをつくりましょうと。これはアメリカの予算扱いじゃないですか。おかしいと思わないんですか、大臣。
○中谷国務大臣 協議におきましては、我が国の財政状況を主張しつつ、やはり安全保障環境が非常に厳しくなっている中で、米軍のプレゼンス、アメリカのリバランスなども勘案しまして、主張すべきところは主張いたしました。負担額は、これまで提供施設整備が果たしてきた役割、今後五年間の提供施設のニーズ、そして労務費、光熱料費等も加えたHNS全体としての規模の妥当性、これを総合的に判断いたしまして決定したわけでございます。
○宮本(徹)委員 結局、総合的に判断して決めたということで、二百六億円掛ける五年間、一千三十億円、何の根拠もなく決めているということじゃないですか。大体これは、資料を見ていただきたいんですけれども、財務省は財政審に出した資料で何と言っていたのか。「提供施設整備については、個々の施設整備の必要性等を踏まえて措置するものであり、あらかじめ負担総額を取り決めることは不適当」と。不適当と言っていたんですよ、あらかじめ負担総額を決めるのは。今回の合意は、財務省がまさに不適当と言うことを合意してきたということになるじゃありませんか。麻生大臣にもお伺いしますけれども、五年間、一千三十億円、何をつくるのか、必要性を踏まえての措置だというのを何かチェックされたんですか。されていないですよね。
○麻生国務大臣 いわゆるホスト・ネーション・サポートと言われる思いやり予算につきましては、その根拠となります新しい特別協定、平成二十八年度から五年間、三十三年度までの締結に向けて、外務省、防衛省が米国と協議を行って、各経費の見直しを行いつつ、昨年末、十二月の十六日に意見の一致を見たものと承知をいたしております。今御質問のあったところですが、現行の特別協定におきまして、労務費や光熱水料を削減した分を下限に上乗せすることになっていましたが、新しい協定においてはそのような規定が見直しされたことなどから、現行の下限と同額で、財務省としては了ということにしたと理解をいたしております。
○宮本(徹)委員 結局、麻生大臣からも、何をつくるのか、本来、必要性をチェックしなきゃいけないと言いながら、何もチェックしていない、今までの額を参考にして決めた、こういう話しか出てこないわけですよ。五年間、これから何をつくるのかわからないんですよ。そして、財務省が不適当だと言ってきた中身で合意をしてきたと。こんなままで予算は通せないじゃないですか。委員長に求めますけれども、提供施設整備、五年間、これから一千三十億円、何をつくるのか、日本の予算の支出の話なんですから本委員会にこの積算根拠、何をつくるのか、出すべきだと思いますので、御検討を理事会でお願いします。
○竹下委員長 理事会で協議をさせていただきます。
○宮本(徹)委員 思いやり予算の初めの協定が結ばれたとき、当時は、円高だという異常な現実を踏まえての、暫定的、一時的、限定的な、特例的な措置、こういうふうに言っていたわけでありますよ。ところが、地位協定に反して、二十年ぶりにこれを増加させようとしております。特別協定は一時的な措置だと今まで言っておきながら、事実上、これを恒久化、永久化しようとしているというのが今回の合意なんじゃないかと厳しく指摘せざるを得ません。世界的に見ても、日本が負担している米軍の駐留経費は突出しております。ドイツ、イタリアは米軍基地従業員の給与は負担していない。ところが日本はどうか。資料の次のページにつけておきましたけれども、バーテンダーやゴルフ場の整備員、スーパーやバーガー店の店員など、本来売り上げで給料が払えるものまで日本の税金で負担しているという状況になっています。水光熱費をほぼ全額負担しているのも日本だけということになっています。大臣、この思いやり予算の現状というのは、異常だと思われないんですか。
○麻生国務大臣 今、思いやり予算となっておりますが、根拠になります新たな協定というものの締結に向けて、いろいろ日米の経済財政状況、今言われたとおりでありますが、日本を取り巻く安全保障上の環境等々も踏まえねばなりません。外務省、防衛省が米国の国務省、国防省等々と協議を行った結果、昨年末に意見の一致を見たところですが、今議論があっておりますように、在日米軍の運用というものを支えるために司令部等で働く人たち、いわゆる装備の維持とかまた整備等々する従業員を日本が負担するという一方で、今言われましたような娯楽施設で働く人は減らす。トータルで、プラスマイナス、五百五十三のプラスということになるなど、これは、できる限り、私どもとしては、国民の理解を得られるように、今の安全保障上の環境等々を考えた上で、二百六億円とはいえ、毎年度、単年度ごとに予算の査定をさせていただいているところです。
○宮本(徹)委員 財務省自身があれだけ意気込んで、財政審では、思いやり予算は異常だ異常だと、私が、共産党が質問で使えるような資料を財務省自身がつくって減額交渉を始めておきながら、アメリカからふやせと言われて増額しちゃう。財政が厳しい厳しいと言って、この間議論になっている給付制奨学金はかたくなに拒否しながら、思いやり予算はふやす。一体誰を思いやっているのか、思いやる相手が間違っていると言わざるを得ないです。さらに、残された時間で、防衛費の問題についてもう一点ただしたいと思います。この間、防衛費は大きく膨れ上がっております。アメリカ向けの予算、そして新しい戦争法に対応した予算も含めて膨れ上がっております。それで、後年度の負担も大きく膨れ上がっております。
 麻生大臣にお伺いしますが、安倍政権の四年間で、防衛費の後年度負担の伸びはどれだけでしょうか、お答えください。
○麻生国務大臣 防衛予算におきます後年度負担は、二〇一二年度が三兆一千五百八十三億円、二〇一六年度が四兆六千五百三十七億円となっておりまして、二〇一二年度から一六年までの間の四年間の伸び率は四七%になっているものと承知をいたしております。これは、その時点その時点で日本を取り巻く安全保障の環境等々の変化に適切に対応した結果であると考えておるというのが我々の見解であります。
○宮本(徹)委員 物すごい勢いでふえているわけですね、四七・三%。中期防は毎年毎年〇・八%の伸びだということを言っているわけですけれども、後年度負担という形で未来世代にどんどんどんどん、装備品購入、そして米軍向けのいろいろな施設をつくる借金のしわ寄せをどんどんどんどん送っていっているということになります。そして、防衛省の予算自身も大きくふえております。資料の一番最後のページを見ていただければというふうに思います。二〇一四年度から二〇一八年度の中期防衛力整備計画では、おおむね二十三兆九千七百億円ということが決められております。私は本会議で、この間の防衛費の支出が中期防を上回っているじゃないかということを指摘しました。そうしたら、総理は指摘が当たらないという答弁をされまして、びっくりしましたよ。そこで、防衛費のうち、米軍再編経費の地元軽減負担分などを除いた中期防対象経費だけを抜き出したのがこのグラフです。黒が中期防の毎年〇・八%の伸びです。そして、赤が当初予算、黄色が補正予算です。財務省などの資料に基づいてつくらせていただきました。二〇一四年度予算から二〇一六年度の予算案までの三年で、中期防の想定から五千億円以上も上回っているというのが事実じゃないですか。このペースでいけば、中期防も大きく超えるのは明白だと私は思います。中谷大臣、中期防を上回る勢いだという私の指摘が当たらないというんだったら、このグラフにありますように、二〇一七年度からは、このはてなのマークのように大きく減らすということですね。それとも、この中期防の二十三兆九千七百億というのは無視するということですか。あるいは、来年度は中期防の見直しの年ですけれども、まさか増額で見直しを考えているんじゃないでしょうね。三択です。削るのか、無視するのか、それとも中期防の額自体を変えてしまうのか、どうされるんですか。お答えください。時間がないので、短く。
○中谷国務大臣 一般論として申し上げれば、中期防において想定した主要装備品の取得等については中期防の中で扱われるものと考えております。その際、留意する事項として、中期防経費については平成二十五年度価格とされておりまして、その後の物価や為替の変動を反映されること、そして、中期防策定時には想定されなかった事情、例えば大規模災害で被害を受けた施設、装備の復旧、被災地での活動に関して消耗した装備品等の回復等が必要となる、そして、米軍の再編経費や政府専用機などの中期防に含まれていない経費があるということが留意されることでありますが、中期防で定められた所要経費の範囲内で防衛力の整備を行っていきたいと考えております。
○宮本(徹)委員 だから、聞いているのは三択ですよ。これは、米軍再編経費の地元軽減負担分だって抜いていますよ。全部抜いていますよ。だって、補正予算、この間通したのは千九百六十六億でしょう。これは四百三億を引いているわけですよ。その前のだって引いていますよ。二千百十億だったでしょう、補正予算。全部、中期防対象経費で出していますよ、大臣。守るというのだったら、二〇一七年から大幅に減額するということでいいですね。明言してください。
○中谷国務大臣 これは五年間でやっておりまして、中期防において想定した主要装備品の取得については中期防の中で扱われるものでありますけれども、ただ、大規模災害の被害の施設、装備の復旧、また消耗した装備品の回復なども必要になるということもあわせて考えておりますが、引き続き、中期防で定められた経費の範囲内で防衛力の整備を行っていく考えでございます。
○宮本(徹)委員 ということは、大幅に減額するということでいいですね。三択なんですよ。(発言する者あり)何を言っているんですか。三択でしょうが、このグラフを見たら。 この黄色いところには「そうりゅう」だとかF35だとかが入っていると、この間の補正予算の討論で私は指摘したでしょう。指摘しましたよね、中谷大臣、下の方を見ていたけれども、そのとき。指摘したわけですよ。そうすると、減らさない限り守れないんですよ。大幅に減らすと明言するか、無視するか、あるいは増額改定するのか、どれなのかと聞いているんですよ。答えてください。委員長、ちゃんと答えるように言ってください。三択で答えてくれと言っているんですから。
○中谷国務大臣 お示しされたこの表の二〇一四の補正予算は、これは米軍再編経費と政府専用機は引いた金額ですね。(宮本(徹)委員「全部引いていますよ。だって、二千百十億だったでしょう、もともと二〇一四年の補正予算は」と呼ぶ)そのほかに、先ほど説明しましたが、災害が発生したり消耗品を復旧したりという場合で補正予算などを要求もいたしておりますが、いずれにしましても、引き続き、中期防で定められた所要経費、これの範囲内で防衛力の整備を行っていくという考えでございます。
○宮本(徹)委員 では、増額見直しは絶対しないと。中期防見直しの年です、二〇一六年。増額見直しは絶対しないと確約してください。
○中谷国務大臣 中期防の総額は二十三兆九千七百億円ですが、これには米軍再編とか政府専用機は入っておりません。この経費の見積もりについては、平成二十五年度価格とされておりまして、その後の物価とか為替の変動も反映されるというようなことを勘案して今後実施をしていくということでございます。
○宮本(徹)委員 増額見直ししないならしないと言ってくださいと言って、しないとも答えないというのは、非常に異常ですよ。増額見直しもあり得るということですか。しないならしないと言ってくださいよ。
○中谷国務大臣 あくまでも二十五年価格で算定されておりまして、この中期防の二十三兆九千七百億、これの定められた所要の経費内で防衛力の整備を行っていくということでございます。
○宮本(徹)委員 増額見直しをするのかしないのかもはっきりさせずに、所要の範囲内でといったら、これは削減するしかないわけですよ。二十五年価格だ何だとかと言いますけれども、二十五年、為替レートだ何だとか、それをどう反映するかというのは、防衛省と財務省ですら見解は一致していないんですよ。それは御存じですよね。ですから、もう本当にいいかげんな答弁ばかりされていると思います。中期防は軍拡なので、これ自体、私たちは絶対認めるわけにはいかないですけれども、増額見直しは許さない、そして中期防を超えることも許さない、このことを重ねて強く申し述べて、質問を終わります。
○竹下委員長 これにて宮本君の質疑は終了いたしました。