【宮本徹への応援メッセージ】変える選ぶ 総選挙 “また戦争していいのか” PTSDの日本兵家族会・寄り添う市民の会代表 黒井秋夫さん 2024年10月25日しんぶん赤旗より転載

父を代弁 だから応援
 今回の総選挙で初めて独自にチラシを作り、日本共産党の前衆院議員、宮本徹候補(比例東京・東京20区重複)について「選挙区で当選してほしい。全力で応援します」と宣言したのは、黒井秋夫さんです。黒井さんは、アジア・太平洋戦争に従軍し、帰還した兵士のPTSD(心的外傷後ストレス障害)問題に取り組む団体「PTSDの日本兵家族会・寄り添う市民の会」の代表をつとめています。(田中健一)

 同会は、PTSDを発症した帰還兵の実態調査と、同帰還兵の暴力の連鎖などに苦しむ家族の要望の聞き取りと救済に焦点をあて、PTSD問題は国民的課題だと訴え、超党派の賛同を求めています。

宮本徹氏を支持
 支持を決めたのは、宮本候補が2023年、国会で初めて「PTSDの日本兵家族の労苦の問題の実態調査」を求めたからです。厚生労働相は調査を約束。今年3月には、厚労省と同会との交渉に立ち会い、被害者支援を訴えました。宮本候補について、「粘り強く理を通し、要求実現しようとする」と評価します。

 支持表明について、黒井さんは「あくまでも要求実現の出発点だ」と主張。宮本候補当選で、PTSD問題解決に取り組む超党派の「PTSDの日本兵家族会・寄り添う国会議員の会」結成や、被害者の救済、抜本的調査の実現につながると期待しています。

きっかけは船旅
 黒井さんがPTSD問題に取り組み始めたきっかけは15年の平和問題を考える船旅でした。そこで、ベトナム戦争の退役軍人でPTSDに苦しみ家族関係が壊れたアレン・ネルソンさんのことを知り、亡き父黒井慶次郎さんを思い出しました。

 父は20歳の時に満州に派兵されました。快活で働き者だった父は帰還後、「無気力。抜け殻のような人。何もできなくなった」ほどに変わり果ててしまいました。仕事も続かず、一家は貧困に苦しみました。秋夫さんは「そんな父を恨み軽蔑」していましたが、船旅を機に、父への態度をわびました。

 自分と同じく戦争で精神的傷を負った家族と経験を分かち合おうと18年に同会を結成しました。20年には戦争やPTSD問題を取り上げた資料を集めた交流館を自宅脇に開設。遠く北海道、そして中国、韓国、米国、ボスニア・ヘルツェゴビナからも訪問者が来ました。黒井さんたちは今年9月、父が派兵された満州を訪問し日本軍の戦争犯罪を謝罪。中国メディアも大きく報じました。政府間で緊張があっても「民間人同士がちゃんと理解しあうことが非常に大事だ」と言います。

 黒井さんは12日、地元の東京都武蔵村山市の演説会でマイクを握り、「おやじのことを国会で話してくれた議員がついに出た。戦争をまたやっていいのかと父親たちを代弁して言ってくれたんだ」と訴えました。