2016年3月16日 衆院財務金融委員会 所得税法第56条見直しを
日本共産党の宮本徹議員は16日の衆院財務金融委員会で、家族従業者の働き分を必要経費として認めない所得税法56条の早急な見直しを求めました。
宮本氏は、国連女性差別撤廃委員会の「最終見解」が初めて所得税法56条を取り上げ、配偶者や家族の所得を必要経費と認めていないことが女性の経済的独立を妨げているとし、見直しを求めたことを指摘しました。高木宏壽内閣府大臣政務官は、「『最終見解』については、政府に必要な取り組み等を要請する」と述べました。
宮本氏は、昨年末閣議決定された「第4次男女共同参画基本計画」が、自営業者等の項目で女性の家庭従業者としての役割が適切に評価されるよう税制の検討を提起したことを指摘。大岡敏孝財務大臣政務官は、「検討には所得税法56条が含まれる」と答えました。
宮本氏が「政府の背中をぐっと押す『最終見解』だ。どう受け止めているか」とただすと、麻生太郎財務相は「56条は性別を問わず適用されているもので、女性の経済的自立を損なうとの指摘はあたらない」と述べつつ、「国内としては今後、いろいろ検討させていただかなければならない」と表明しました。
宮本氏は、業者婦人が社会生活で不利益を被っている実情もあげ、「次年度の税制改正で見直せ」と迫りました。
以上2016年3月17日付赤旗日刊紙より抜粋
同委員会の中で宮本徹議員は、所得税法56条問題の他、保育園の待機児童問題についても取り上げました。
昨年12月から介護保険施設整備に係る国有地の減額貸し付けが行われています。同委員会の宮本徹議員の質疑の中で財務省は、昨年12月から今年2月末までの間に、首都圏一都三県の国有地について、地方公共団体及び社会福祉法人からの問い合わせが12物件よせられ、そのうち5件が減額貸し付けに向けて具体的協議に入っていることを明らかにしました。
宮本徹議員は、この減額貸し付け制度を保育園にも拡大すべきと要求。保育園に対しても介護保険と同様に、減額貸し付け制度ができた場合、利用したい自治体があるかどうかニーズ調査をすべきと主張しました。竹内譲厚労副大臣は「今後も、自治体のさまざまなご意見も伺いつつ、財務省など関係省庁ともよく相談しながら、保育の受け皿確保に向けた取り組みを進めてまいりたい」と応じました。
≪第190回 衆院財務金融委員会第11号 2016年3月16日 議事録≫
○宮下委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。関税定率法等改正案について質問します。本改正に向けた昨年夏のパブリックコメントを見ますと、通関業務料金の最高額の廃止で価格競争が激化するのではないか、こういう懸念が寄せられております。その後、聞きましたら、通関業監督官を通じて全九百二十業者に話をする中、懸念は少なくなってきているけれども、引き続き懸念の声はあるということであります。現行の法制でも価格の下限自体は決まっていないわけでありますけれども、本改正で目安となる価格がなくなってしまう、こういうことによって、通関業者のなりわいが成り立たないような価格急落があっては絶対ならないというふうに思っております。法のたてつけとしては、懸念するようなことが起きた場合は五年後の見直し規定はありますが、法の施行に合わせて、価格の急落が起きていないのかしっかりチェックし、調査に入る体制が必要なのではないか、また、仮に価格の急落が起きるようなことがあれば、五年後の見直しを待たずに必要な対策をとる必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 今般のこの通関業法の改正によりまして、財務大臣による通関業務料金の最高額の設定を廃止ということになるんですが、これによって通関業者というものは、みずからが提供するサービスの内容とかコスト等々に応じて自由な料金の設定というのを行うことが可能ということになりますので、この結果、通関業者のいわゆる創意工夫とかサービスとかそういったような質を高めて、結果として利用者の利益や健全な通関に資するんだというようなことを期待しておるんですが、今おっしゃりましたような懸念につきましては、この附則において、五年後をめどとして、施行の状況を勘案して必要があると認めるときは検討を加えと書いてありますので、そういった形で必要な措置を講ずる旨の措置を規定いたしております。御指摘の指定価格というものの激化、激安とかそういった意味ですけれども、逆に言うと高くするということもあるかもしれませんけれども、通関業務の状況というものにつきましては常に税関としては把握しておるところでありますので、これは正しく見ておかないかぬと思っておるんですが、採算を度外視した低価格なんということになりましたときには、これは独占禁止法等々いろいろな利用するものがあろうかと思いますので、きちんと目を配っておきたいと思っております。
○宮本(徹)委員 しっかり目を配っていただきたいと思います。それからもう一点、パブリックコメントの中で、申告官署の自由化について、地方の中小の通関業者から仕事が減るのではないかという懸念も寄せられております。これも、全事業者に説明する中で懸念は少なくなっているというふうには聞いていますが、これは施行は二年後ということで、二年たつまでに、大手の事業者からの今もらっている委託が引き続きもらえるのかどうかというのは、まだ不透明な部分がかなり残されていて、先が見えない不安もあるというふうに聞いております。ですから、法施行まで二年というふうになっていますけれども、通関業監督官を通じて、この九百二十者は手のひらに乗るぐらいの数ですから、しっかり手のひらに乗せて、親身に相談に乗って、なりわいが成り立たなくなるような事業者が出ることがないような対策をぜひとっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 これは、申告官署の自由化というものによりまして、一部の通関業者の方から、地方の通関業者に対する都市部の荷主や通関業者からの依頼そのものが減少するのではないかといった意見があります。他方、多くの通関業者からは、手続を行う申告先というものが変わりましても、貨物が置かれている場所とか、いわゆる貨物の流れが変わるものではありませんし、また、通関業務は、貨物の保管それから輸送、運送といったものと一体として委託をされますのが通常でありますので、通関業務のみを切り離して委託されるケースというのはまれであろうというような理由から、必ずしも、地方業者への委託が直ちに激減するというか、減少するということにはならないのではないかとの意見も聞かれて、これは両方ありますので、今御指摘のとおりだと思います。そういった意味では、この制度改正の内容の説明、また周知にこれまでも努めてまいりましたが、まだ時間もありますので、引き続き、丁寧な説明、相談というものを行わせていただいて、いわゆる零細中小の通関業者、地方の通関業者の不安というものの払拭に努めてまいりたいと考えております。
○宮本(徹)委員 丁寧に説明して、相談して、もし仕事が減るようなところがあったら、そうならないように親身に援助もしていただきたいということを申し述べておきたいと思います。そういう対策をしっかりとるということを前提に、私たちもこの法案については賛成をさせていただきたいと思います。その上で、残った時間で、この間起きている幾つかの問題について取り上げさせていただきたいと思います。一つは、保育園の待機児童の問題です。一年前も三月に本委員会でも取り上げさせていただきました。おととい、私の住んでおります目黒区でも、保育園に入れないお母さん方が集まって、区に異議申し立てということも行いました。このままでは職場に復帰できない、私活躍できません、どうにか保育園に入りたいと、大変深刻な事態が起きております。ですから、緊急対策、抜本対策、本当にできることは何でもやっていかなければならないというふうに思います。日経新聞が自治体に行ったアンケートを見ますと、保育所整備の一番の課題は何かということで、一番は用地、物件の確保、二番目に保育士の確保、三番目に運営主体の確保、四番目に財源の確保、五番目に周辺住民の理解ということで、たくさんの課題が出ているわけですね。これに全部手を打っていかなければならないというふうに思います。そこで、本委員会の管轄でできることということで、私、昨年も国有地の問題について取り上げさせていただきました。国有地を、福祉施設については、無償貸し付け、減額貸し付けが国有財産特別措置法ではできるということであります。介護施設については、賃料を半額にするという減額貸し付けに今度踏み切られたということは大変評価しております。ここで理財局にお伺いしたいんですけれども、昨年十二月に、この減額貸し付けの相談ですか、自治体への告知を始めたと思いますが、これ以降、自治体や社会福祉法人から幾つ問い合わせ、相談が来て、今協議中の件数は何件あるでしょうか。
○迫田政府参考人 お答えをいたします。介護施設整備に係る国有地の減額貸し付けでございますけれども、介護施設は、広い用地を確保する必要があって、特に都市部においては、十分な広さの土地の不足、あるいは地価が高いといったようなことのための初期投資負担の大きさ、こういうことも配慮いたしまして、委員御指摘のとおり、昨年十二月から介護施設に対する国有地の減額貸し付け等の負担軽減策を講じたところでございます。そこで、お尋ねの問い合わせの件数でございますけれども、これは制度の内容そのものに対するお問い合わせとかそういうふうなものも大変多いわけでございますけれども、そういうものを除きまして、具体的なお問い合わせということで、とりあえず首都圏、一都三県の国有地についての数字を申し上げますと、地方公共団体及び社会福祉法人からのお問い合わせは、本年二月末現在で十二物件ございます。また、お問い合わせがありました十二物件のうちの五つの物件につきましては、減額貸し付けに向けた具体的な協議を行っているというところでございます。
○宮本(徹)委員 十二物件相談が来て、今、五物件協議中、もう契約が成り立ったのが一件あるということでありますから、その分、今回の制度によって自治体も手を挙げやすくなっているという状況だと思います。私は、保育園についてもこの減額貸し付け制度を拡大すべきだというふうに考えております。新年度予算に向けての東京都の提案要求の最重点事項というのを私も見ましたが、やはり保育園についても貸し付け条件を見直してほしいというのが出ております。国有地を社会福祉施設の整備目的に貸し付ける制度があるが、貸付料の減額を行わないこととしており、地価の高い都市においては活用が図りにくい、国有地の貸し付けに当たっては、低廉な価格で児童福祉施設を整備することができるよう貸付料の減額を行ってほしいというのが東京都から出ております。私、昨年も紹介させていただきましたけれども、国有地を自治体に時価で貸し出す制度ができたのは五年前なわけですよね。そのとき、一定利用は進んだわけですけれども、利用されなかった自治体の中には、形が適当ではないだとか、場所がニーズがある場所じゃないというのと同時に、やはり高いから手を挙げなかったという自治体もありました。実際、国有地を活用している自治体なんかもどうなっているかといいますと、一年間の賃料は、例えば世田谷のある園では、一千七百二十六万円なわけですね。これを、保育園、社会福祉法人はそんなに払えないですから区が払って、社会福祉法人からもらっているのは九十六万円ということになっているわけですね。やはり社会福祉法人の体力ではとても借りられるような賃料ではないというのが今の状況だと思います。そこで、一昨日の予算委員会で、我が党の田村智子議員が国有地の減額貸し付けなどの対策を提案したことについて、総理からは、研究していきたい、こういう答弁がございました。そこで、どう研究するのかということですけれども、きょうは厚労省の副大臣にも来ていただきましたが、仮に保育園に対しても、今回の介護施設と同じような、賃料を半額だとか、減額貸し付け制度ができた場合、利用したい自治体があるのかどうかを、改めて待機児童を抱えている自治体に意向調査、ニーズ調査をやられてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○竹内副大臣 お答え申し上げます。保育園における国有地の活用につきましては、待機児童解消加速化プランに基づきまして、まず財務省におかれまして、自治体に対しまして、廃止宿舎跡地などの国有地情報を提供され、優先的売却や定期借地制度を用いた国有地の貸し付けを行っているところでございます。保育園設置に当たりまして、その負担を軽減し、保育園整備を促進するために、現在、厚生労働省では、まず整備費補助の補助率のかさ上げを大幅に行っておりますとともに、本年四月からは、賃貸物件を活用した保育園の賃借料加算を実勢に見合うように、これも大幅に上積みをしております。このように、保育園の設置促進を図っているところでございます。委員から今御指摘のありました点につきましては、今後も、自治体のさまざまな御意見も伺いつつ、財務省など関係省庁ともよく相談をしながら、保育の受け皿確保に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。
○宮本(徹)委員 実際の意見を伺って、財務省と相談していただくということですから、よろしくお願いしたいというふうに思いますし、麻生大臣も相談があった場合は積極的に応じていただければということをお願いしておきたいと思います。それから、あともう一つきょう取り上げたいのが、所得税法五十六条の問題です。先週、国連女性差別撤廃委員会が出した最終見解で、所得税法の見直しが提起されました。最終見解では次のように言っています。英語なので、私の不十分な訳なんですけれども、委員会は、所得税法が自営業者や農業従事者の配偶者や家族の所得を必要経費と認めておらず、女性の経済的独立を事実上妨げていることを懸念する。委員会は、締約国に対し、女性の経済的エンパワーメント、自立ですかね、を促進するために、家族経営における女性の労働を認めるよう、所得税法の見直しを検討するよう求めるというものが出されました。内閣府にお伺いしますけれども、この女性差別撤廃委員会の最終見解というものについては、内閣府というのはどういうふうに対応すべきとお考えなんでしょう。
○高木大臣政務官 宮本委員にお答えをいたします。女子差別撤廃委員会の最終見解に対する対応についてでありますが、昨年十二月に閣議決定をいたしました第四次男女共同参画基本計画において、女子差別撤廃条約に基づく女子差別撤廃委員会からの最終見解については、内閣府に設置された男女共同参画会議が、各府省における対応方針の報告を求め、必要な取り組み等を政府に対して要請することとされております。したがいまして、まずは男女共同参画会議において必要な調査審議を行っていただきたいと考えております。
○宮本(徹)委員 同じ計画の中で「積極的遵守の観点から、」というふうに書かれております。実は、国連女性差別撤廃委員会の今回の最終見解と同じ問題意識で、先ほど紹介された第四次男女共同参画基本計画でも盛り込まれております。自営業者の項目でこういう文言があります。「商工業等の自営業における家族従業者の実態を踏まえ、女性が家族従業者として果たしている役割が適切に評価されるよう、税制等の各種制度の在り方を検討する」という文言が、これは麻生大臣も署名された閣議決定ですので、男女共同参画基本計画の中にも書いております。これは内閣府に確認しますけれども、ここで言われている税制の検討というのは所得税法五十六条も含むということでよろしいんですね。含むか、含まないか、そこだけでいいです。
○大岡大臣政務官 宮本先生にお答え申し上げます。宮本先生、この問題、大変熱心に取り組んでおられまして、先日も財務省にお運びをいただきました。支援者の方々からお話を承ったところでございます。今回御指摘の中には、所得税法第五十六条、含まれるというふうに考えております。
○宮本(徹)委員 ありがとうございます。含まれるということですので、閣議決定としても、所得税法五十六条は、これはもういよいよ検討の課題ということになってきたということだと思います。この間、経過、私も改めて国会の議事録を見ましたけれども、麻生内閣のときに与謝野金融担当大臣がこの所得税法五十六条については研究しなきゃいけないというふうに言われたのが出発点で、その後、民主党政権の中で見直しは検討課題だということで、研究課題から検討課題になって、さらに今回は、年末の閣議決定で、検討するということが閣議決定にまで格上げになって、検討の方向まで書き込まれた。一歩踏み込むところまで来たということだと思います。そういう中で、今回、女性差別撤廃委員会から見直しを求める最終見解が出るということになりました。そういう点では、政府が検討しようと言っているのを国際社会からも背中をぐっと押す、そういう最終見解が出たんだと思います。麻生大臣にお伺いしますけれども、この国連女性差別撤廃委員会からの見直しを求める最終見解が出たことについて、どう受けとめられているでしょうか。
○麻生国務大臣 三月に公表されております国連の女子差別撤廃委員会の最終見解におきまして、所得税法の第五十六条についての記述がなされているというのは、これは公表の直前に把握をさせていただいたところであります。この問題については、ことしの二月に行われた委員会の口頭審査を含めて、それまでも日本政府と委員会との間で全く議論されてはおりません。そもそも所得税法第五十六条というのは、性別を問わず適用されておりますのは御存じのとおりですから、そういった意味で、女性の経済的な自立を損なうものでないことははっきりしておりますので、したがいまして、日本政府より修正の申し入れを行ったところでありますが、反映をされなかったものと承知をいたしております。いずれにいたしましても、今後、機会を捉えて委員会に対して指摘を行っていくことになろうかと、これは対国連上そういうことになろうかとは思いますが、国内におきましては、今御指摘のありましたとおり、今後この問題についていろいろ検討させていただかなきゃいかぬということになるんだと思っております。
○宮本(徹)委員 日本政府に相談がなかったからといって、余り国連に目くじら立てなくても。確かに、法律の文言には男性とか女性とは書いていないですけれども、日本社会の実態としては、父ちゃんが世帯主で母ちゃんが家族従事者というのが多いわけですよね。だから第四次男女共同参画基本計画の文言にもなったんだというふうに思います。所得税法五十六条は、白色の申告者の場合、税金の面でも大変不利益があるわけですが、社会生活の面でもさまざまな不利益があります。交通事故に遭って入院した方に聞きましたら、保険会社から一日二千三百円しか休業補償が出ない、なぜかというと、これは控除の八十六万円しか認められていないからだ、それが基準とされて二千三百円なんだという話でありました。一方で、主婦だと五千七百円出るのに何なんだというお話も伺いました。そういう話も、先日、大岡政務官のところに一緒に行って聞いていただきましたけれども、大岡政務官御自身、白色申告の自営業者の御婦人の皆さんが不利益をこうむっているというお話を聞いて、どういう御感想をお持ちでしょうか。
○大岡大臣政務官 先日も、先生とともに多くの皆様が財務省にお運びをくださいまして、お話を聞かせていただきました。そのときの御指摘を受けまして、私も損保協会の方に確認をさせていただきましたところ、今回の所得税法五十六条の控除を根拠にしての支払いというのは行っていない旨の回答を得ているところでございます。今回、その折に御指摘いただきました所得補償保険につきましては、これは損害保険でございまして、その損害保険に入ろうとする方と損保会社と丁寧なお話し合いをして、上限を二百万円として、そのうち二百万で入るか百万で入るか、それぞれ保険料にもかかわってきますので、話し合いをして対応した上で、所得補償保険につきましては対応しているというふうに確認をさせていただいたところでございます。
○宮本(徹)委員 私の聞いている話では、保険会社はいろいろあるわけですよ、確かに主婦と同じ扱いで入れてくれるところもある、損保協会としてはもしかしたらそういうガイドラインも一方であるのかどうかわからないですけれども、そうじゃない、あなたは家族従業者だから八十六万円の控除が基本なんだ、こう説明されて二千数百円という、こうなっているという話は実際の話として私たちは伺っているわけですから、そこは本当に現実をしっかり何が起きているのかというのを見て対応していただければというふうに思います。社会的にもいろいろな問題が起きていますし、そもそも白にも記帳が今義務づけられているもとで、青と白を差別して、青色申告だったら家族従業者の給料を認める、白色申告の場合は給料を認めない。おかしい話だと思うんですよね。大体、実際は働いているわけでしょう。私の両親も自営業でしたよ。税務署とけんかしていましたよ。母ちゃんの取り分を何で認めないんだということでさんざんけんかしておりました。実際に働いている実態があるにもかかわらず、白色申告に限っては家族従業者の給料を必要経費と認めない、八十六万円の控除しか認めないというのはやはりおかしい。先ほど麻生大臣からも検討していくんだということはお話しありましたけれども、閣議決定にまでなっておりますので、早急に、この検討を進めて、所得税法五十六条については廃止、見直しが必要なんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 白と青の違いについてはよく御存じなんだと思いますが、これはおととしですか、平成二十六年の一月から白色申告に関しましても、いわゆる個人事業主ということで、青色申告をしていなくても記帳義務ということは課されておりますが、その内容につきましては資産の状況までは記さなくていいということになっておりますので、もう御存じのとおりなので、記帳のレベルの間に明らかに差がありますということはもう間違いないところだと思いますので。したがいまして、私どもとしては、差があるというのを前提にした上で、この第五十六条に関する国連の女子差別撤廃委員会の最終見解につきましては、先ほど私の方から申し上げましたように、女性の経済的自立を損なうという指摘は当たらないと考えておりますが、いずれにいたしましても、以前から所得税法第五十六条を見直すべきとの御指摘を受けているところでもありますので、引き続き財務省において丁寧に検討していきたいと考えております。
○宮本(徹)委員 引き続き丁寧に検討なんですけれども、検討、研究というのが始まったのが、それこそ前の麻生内閣のときからの話ですから、役所としてももう検討の時間は随分たっているんじゃないかと思います。先ほど言いましたが、閣議決定でもここまで書き込んだわけですから、ここはもう次年度の税制改正ではやるという構えで早急に検討を進めていっていただきたいということを申し上げまして、時間になりましたので質問を終わります。