ASEANへのP3C譲渡 9条の理念反する
日本共産党の宮本徹議員は15日の衆院財務金融委員会で、日米首脳会談の共同声明で「日本は同盟におけるより大きな役割及び責任を果たす」と明記したことを批判し、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸侯への「武器」の無償譲渡で南シナ海への関与を強化する動きについてただしました。
今国会には、開発途上国に対する防衛装備品(武器をのぞく)の無償譲渡を可能とする法案が提出されています。宮本氏が「武器を搭載していなければ、対潜哨戒機P3Cについても無償譲渡が可能か」と聞くと、防衛装備庁の中村吉利装備政策部長は「個別具体的に検討する」と可能性を認めました。
宮本氏は、P3Cは譲渡後に武器の搭載が可能だと指摘。「P3Cを譲渡すれば、搭乗員の訓練や整備の援助も自衛隊員がおこない、他国軍隊の育成に大きく踏み込むことになる。日本の役割お拡大で、こんなことまで米国の肩代わりをするのは憲法9条の理念に反する」と批判しました。
宮本氏が「南シナ海への関与といって、譲渡の対象国を増やすのか」とただすと、若宮健嗣防衛副大臣は「ASEAN全体の能力向上のために、装備品や技術の移転をすすめる」と答弁。宮本氏は「地域の軍事的緊張を高めるだけだ」と批判しました。
以上2017年2月20日付赤旗日刊紙より抜粋