2018年4月4日 衆院外務委員会 オスプレイ横田配備 米側、3月16日通報 日米、3週間情報隠ぺい
米空軍の特殊作戦機CV22オスプレイの横田基地(東京都)への配備前倒しについて、米側が日本政府に通報したのは3月16日だったことが明らかになりました。4日の衆院外務委員会で日本共産党の宮本徹議員に対して、河野太郎外相が答弁しました。
在日米軍と防衛省が横田へのCV22配備前倒しを発表したのは、すでに機体が米軍横浜ノース・ドック(横浜市)に到着した3日でした。日米両政府は機体到着まで3週間近くにわたり隠ぺいしていたことになり、厳しい批判は免れません。
横田へのCV22配備は、米政府が2015年5月までに通告。当初、17年後半に3機、21年までに計10機を配備する予定でしたが、機体の確保や操縦士・整備士の養成に時間を要するなどの理由で、配備開始を19年10月~20年9月に延期していました。ところが3日、突然、今週後半に横田基地に5機が飛来すると発表されました。
河野氏は、在日米軍司令部からCV22配備を知らせる「接受国通報」が3月16日にあったと述べた上で、「米側から調整が整うまで公表を控えるよう要請されていた」と弁明。宮本氏は、通報を受けて米側とどのような協議を行ったのかをただしましたが、河野氏は「詳細は差し控える」として答弁を拒みました。
米政府は、在日米軍の重要な装備や部隊に変更がある場合、日本側に接受国通報を行います。米海兵隊のMV22オスプレイが普天間基地(沖縄県)に配備される際、米側は12年6月29日付で通報し、当時の外務省は即日、公表しました。
以上2018年4月5日付赤旗日刊紙より抜粋
≪2018年4月4日 第196回外務委員会第7号 議事録≫
○中山委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。先週金曜日、穀田議員が「日米の「動的防衛協力」について」の文書を示して、改ざんの疑いというのを指摘いたしました。一昨日、大臣が同じタイトルの文書が三つあるということを発表されまして、その日に私も詳しい説明を受けました。そこでお伺いしたいんですが、昨年に情報公開された文書と、あと一昨日明らかになった文書は、それぞれどこから見つかったんでしょうか。
○山本副大臣 お答えを申し上げます。御指摘の、防衛省が情報公開で開示決定した文書につきましては、平成二十九年五月五日付の情報公開請求に対して防衛省内で文書を探索したところ、存在が確認できたものについて、同年七月及び九月の二回に分けて決裁を行いまして、開示決定を行いました。他方、委員御指摘の、三月三十日の本委員会での質疑におきまして、穀田委員より、防衛省が開示した文書に改ざんがあるのではないかとの御指摘をいただいたことなどを踏まえまして、関連文書について改めて探索をしました。結果、防衛省が昨年七月及び九月に開示決定し、また、本年三月、穀田委員からの資料請求で提出した検討文書と同じ表題であるものの、内容が一部異なり、用途も異なると思われる文書二件を新たに確認をいたしました。これらの文書は、いずれも防衛政策局日米防衛協力課の共有フォルダにおいて確認をされております。
○宮本(徹)委員 つまり、同じ場所から見つかっているわけですよね。昨年捜したのと同じ日米防衛協力課の共有フォルダの中から見つかる。こんなおかしな説明は、私は成り立たないと思いますよ。昨年もわかっていたけれども、これは出すわけにいかないということで隠していたということしか説明がつかないと思いますが、山本副大臣もおかしいと思いませんか。昨年同じ場所を捜して、なかったけれども、今度は見つかった。隠蔽していたんでしょう。違いますか。
○山本副大臣 お答えを申し上げます。委員御指摘のような、隠蔽をしていたということではもちろんございません。これらの検討文書は、昨年七月及び九月に開示をした際の探索において特定されるべきものだったと認識をしております。この特定の際に、共有フォルダ内の十分な確認を行わずに文書の特定を行ったことと認識をしております。いずれにしましても、今回の事案については、新たに確認された資料の提出を行ったところでございます。また、開示決定のやり直しを早急に行うなど、適切に対応をさせていただきたいと思います。また同時に、防衛省・自衛隊におけるさらなる文書の探索を継続していきたいと考えております。
○宮本(徹)委員 大体、副大臣が、そういう説明を事務方から受けて、そのまま答弁しているから隠蔽体質が改まらないんですよ。どう考えたって、同じ課の共有フォルダの中を捜せばすぐに見つかる話じゃないですか。それを、去年は見つからなかったものが今回同じところから見つかりました、前回は不十分だったんです、そういう説明をそのままここでする。これは、国会で穀田さんが二〇一五年から何回も質問されてきた問題ですよ。そういうのを、やはりもう一回捜したら見つかりましたということの説明を事務方から聞いて、そのままオウム返しに繰り返すようでは、副大臣としての職責を果たしているとおよそ言えないと私は思いますよ。それから、もう一点伺いますが、それぞれの資料がいつ作成されたのかというのがあるわけですが、とりわけきょう聞きたいのは、開示が昨年やられたもの、この昨年開示されたもののデータの最終更新年月日、これはいつですか。
○山本副大臣 お答えを申し上げます。最終更新日というお尋ねでございますが、それぞれの文書が三個のファイルから構成されておりまして、昨年七月及び九月に開示決定を行った文書につきましては二〇一七年七月十一日又は二〇一七年七月二十一日、その後確認された二件の文書は二〇一二年の七月四日、五日及び六日となっております。
○宮本(徹)委員 つまり、一昨日出してきたのは二〇一二年のものだったということですね。そして、情報開示請求のものに対しては二〇一七年、いずれも二〇一七年と言いましたか。え、二〇一七年の七月十二と七月二十一と言いましたか。間違いないですね、ちょっと。三つに分かれているという話をされましたけれども、それぞれがいつかというのをもう一度。
○山本副大臣 お答え申し上げます。済みません。私の言い間違いでございました。もう一度正確に申し上げます。最終更新日でございますが、昨年七月及び九月に開示決定を行った文書につきましては、二〇一二年でございます。先ほど私は二〇一七年と申してしまいましたが、二〇一二年の七月十一日又は二〇一七年七月二十一日でございます。
○宮本(徹)委員 先日、記者の方に対して、防衛協力課の方が、複数のファイルに分かれている、別紙一、別紙二みたいに分かれているというお話がありましたけれども、その別紙二については情報公開請求よりも日付が後だったという説明をされているんですけれども、これは間違った説明をされたということですか。
○岡政府参考人 お答え申し上げます。昨年五月五日の情報公開請求を受けまして昨年の七月と九月とに開示決定した資料、表題は「日米の「動的防衛協力」について」となっておりまして、これが別紙に分かれている。そのうちの別紙の第二、「沖縄本島における恒常的な共同使用に係わる新たな陸上部隊の配置」、これにつきまして、更新日時が情報公開請求後の昨年七月二十一日となっておりまして、先ほど委員から御質問があった点につきましては、その旨を日米防衛協力課の方から説明をしたということでございます。
○宮本(徹)委員 つまり、一つは情報開示請求の後ということですよね。この二の方は一ページ欠けているわけですよね。それからもう一つ、ちょっとお伺いしたいんですけれども、文書を分けて保存していたというお話なんですが、もう一つ抜けているページが、「日米の「動的防衛協力」の取組について」というページが丸々、情報開示されたものの中からは削除されていたわけですが、この部分はファイルをもともと削除して出したという可能性もあるんじゃないですか、電子ファイルを別々に幾つにも分けて管理していたということになると。もうその部分は廃棄しちゃった、そういう可能性もあるんじゃないですか。
○岡政府参考人 御指摘の点につきましては、開示請求に対応しておりました職員あるいは作成当時の関係職員への確認等を行っているところでございます。
○宮本(徹)委員 つまり、否定できないということですね。つまり、文書を別々に管理していた、穀田さんが先日この委員会で丸々一ページ抜けていると言ったところのファイルについては、その電子ファイル自体を廃棄していた、そしてそれは開示しないということで出した可能性もあるということですよ。そういう疑いがあるということですね。これはもう徹底した調査が必要ですよ。そのことを厳しく指摘しておきたいというふうに思います。それからあと、きょうはもう一点、昨日発表になりました米軍横田基地へのオスプレイの配備の問題について質問させていただきたいと思います。二〇二〇年と言われていたものが、突然、もう今横浜に陸揚げされて、あしたにも横田に飛んでくるという話になっております。横田基地は、皆さん御存じのように、住宅密集地の真ん中にあります。そして、この間、在日米軍機の事故、トラブルというのは相次いでいるわけですよね。オスプレイの事故も、一昨年末、沖縄で墜落の事故もありました。その後も緊急着陸も、繰り返しているわけですよ。私は、こういう危険きわまりないオスプレイを首都東京の基地に配備して、関東周辺さらには日本全体で、夜間飛行訓練、低空飛行訓練、パラシュート降下訓練、こういうことをやるなど、絶対に許されないと思いますよ。これはまず、河野大臣にお伺いしたいと思います。河野大臣にいつ連絡があったのかというのは聞きたいところですが、外務省に連絡があったのは三月十六日だというふうにきのう防衛省からお伺いしました。河野大臣、三月十六日は訪米されていたんですかね。マティス国防長官やペンス副大統領や、あるいは国務副長官と会われていたと思いますが、この接受国通報、横田にオスプレイを配備する、この問題について、米側に対して、この話があったときに河野大臣はどういう話をされたんですか。
○河野国務大臣 私の訪米の前後だったと思いますが、三月十六日に在日米軍司令部から接受国の通報がございました。米側からは、公表に向けて調整が整うまでの間は日本側からの公表を控えるよう要請をされておりましたので、この米側の要請を踏まえ、米側と調整を行った結果、四月三日の公表となったところでございます。
○宮本(徹)委員 そんなことを聞いているわけじゃないんですよ。この接受国通報に対して、日本国内ではこの間、米軍機の事故が相次いでいるわけですよ。そういう中で、危険な訓練を行うオスプレイの配備、そして事故も繰り返しているオスプレイの配備はけしからぬと、国民の懸念は伝えたんですかということを聞いているんですよ。どういう話をされたんですか。
○河野国務大臣 日米間で、安全保障に関するさまざま緊密な連携は行っております。詳細については差し控えたいと思います。
○宮本(徹)委員 詳細について差し控えたいじゃなくて、これだけ事故がずっと続いているじゃないですか、ことしに入ってからも。そういう中で、住宅密集地の真ん中にオスプレイがやってきて、訓練が開始するわけですよ。そのことについて何も言わなかったということですか。そういう話は、およそ本当に、日本の外務大臣として、私は、そういう姿勢だったら恥ずかしい話だと思いますよ。大体、今回配備されるCV22というのは、沖縄に配備されているMV22オスプレイとも違うわけですよね。防衛省の資料にも書いてあるとおり、特殊作戦部隊を輸送するための部隊ですよ。対テロ戦争なんかにもCV22が活用されましたけれども、隠密裏に国境線を越えて、夜間、特殊作戦部隊を輸送していくとなるわけですね。東京の横田から飛び立って、そういう、ある意味、国際法上からすれば無法な作戦に出撃していくということになるわけですよね。しかも、東京に配備する、横田に配備するということは、当然アメリカの頭の中には、斬首作戦、これがあると思いますよ。今、一方では、米朝対話、これをやっていこうじゃないかということをやる中で、私はこういう、それこそ斬首作戦まで念頭に置いた特殊作戦部隊を東京の横田基地に配備していく、こういうのはおかしいと思いますよ。そう思われませんか、河野大臣。
○河野国務大臣 意見の相違だと思います。
○宮本(徹)委員 そんなことしか言えないんですか。先ほど河野大臣は、前の議員とのやりとりで、北朝鮮問題、朝鮮半島の問題は平和的に非核化を進めたいというお話をおっしゃっていたじゃないですか。さっきおっしゃったことと今の答弁、全然違いますよ。平和的に非核化を進めたいというんだったら、なぜ、斬首部隊の実行部隊となるCV22オスプレイを、今、日本に、東京に配備するんですか。全く先ほどの答弁と整合性がつかないと思いますが、いかがですか。
○河野国務大臣 CV22が斬首作戦に使われるというのは、委員がそうおっしゃっているだけでございます。
○宮本(徹)委員 この間、アメリカと韓国の作戦計画の中では斬首作戦も具体化されている、その中でアメリカの特殊作戦軍がしかるべき役割を果たすというのは、軍事演習の中でもやられている。報道でも明らかになっている事実です。私が一方的に言っている話じゃないです。そして、このMVに比べても、CVというのは大変、役割の面だけじゃなくて、事故も多いわけですね。まず、MVのオスプレイ自体の事故率も上がっているわけですよ。政府は、オスプレイを普天間に配備する際、こう言っていたわけですね。事故率は一・九三だ、MV22オスプレイは一貫して海兵隊航空機の平均を上回る安全記録を示している、こう言っていたわけですよ。ところが、昨年公表されたMVオスプレイの事故率は三・二四、一・七倍になりました。海兵隊の平均も上回っています。もともとオスプレイを日本に配備した初めの口実は成り立たなくなっているわけですよね。ちょっと、CVはそれに比べてもっと事故が多いと思いますが、防衛省、来ていただきました。横田に配備されるタイプのCV22オスプレイのこれまでの累計の飛行時間は幾らで、Aクラス事故は幾らで、機械的に十万飛行時間当たりの事故率を出せば幾らになりますか。数字をお答えください。
○山本副大臣 お答えを申し上げます。米空軍安全センターによれば、二〇一七年九月末時点におけるCV22の総飛行時間は約七・四万時間でございまして、その間に発生したクラスA飛行事故の件数は三件と承知をしております。他方、CV22の十万飛行時間当たりのクラスAの飛行事故の件数としての事故率につきましては、米国政府から十万飛行時間に達していない段階で有意な事故率を算出することは困難であるという旨の説明を受けております。CV22は総飛行時間が十万飛行時間に達していないということでございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○宮本(徹)委員 それはまた変な答弁ですね。MVを普天間に配備するときは、CVについても、皆さん十万飛行時間に達していないのに出していましたよ。わざわざ割り直して数字を出していたんですよ。突然今になってから出さないというのは、そんなおかしな話はないじゃないですか。割り算すれば出ますよ。四・〇五ですよね、違いますか。
○山本副大臣 お答えを申し上げます。委員御指摘のとおり、算数の問題で、割り算をすればということでございますが、今後の飛行時間にどれだけの事故が発生するのかということは、我々が予見することは不可能でございまして、今までのケースをただ単純に算数をして解けるという性質のものではないと私は思いますが、あえて御指摘の十万飛行時間当たりの事故件数を委員御指摘のとおり算数として計算をしますと、確かに四・〇五となるということでございます。
○宮本(徹)委員 MVも初めは一・九三だといって、飛べば飛ぶほど普通は安全になるかなと思ったら、飛べば飛ぶほど事故率が上がって三・二四。CVはそれよりも高い四・〇五となっているわけですね。なぜCVの方がMVよりも単純計算すれば事故率が高いんですか。
○山本副大臣 御指摘の点でございますが、委員御指摘のように、さまざま御意見があるということは承知をしておりますが、我々防衛省・自衛隊として、米軍機の事故が起きている要因について確たるお答えをすることは困難でございます。ただ、一般論として、一般的に、自国の航空機の運用に当たっては、いかなる場合であっても、必要な点検整備が行われずに運用されることは認められないものでありまして、在日米軍からも同様の見解が我が方に示されております。いずれにしましても、米軍機の飛行に際しては安全の確保が大前提でありまして、引き続き、米側に対しては、飛行の安全確保に万全を期すよう強く求めてまいりたいと思います。
○宮本(徹)委員 大体、米軍機の事故がこれだけふえているにもかかわらず、その原因について、さっきみたいな、よくわからないみたいなことを言って、それで危険なオスプレイの新たな首都への配備をはいはいと認めちゃう、こんな情けない話はないですよ。これ、日本国民を守るとか、何にも関係ないですからね、特殊作戦部隊ですよ、米軍の。国民を危険にさらすだけのことを皆さんはやっているわけですよ。それで、CVオスプレイがMVオスプレイよりも事故率が高い原因、防衛省は六年前にちゃんと言っているんですよね。防衛省のパンフレット、ありますよ、MVオスプレイの事故率についてと。ここに出てきますよ。MVはCVに比べて事故率が低い、CVはなぜ高いのか、書いています。特殊作戦という独特の任務所要のため、より過酷な条件下で訓練を実施と書いてあるじゃないですか。だから事故率が高いと防衛省はずっと説明してきたわけですよ。そのMVオスプレイよりも事故率が高い危険なCVをどうして配備するんですか。
○中山委員長 防衛省岡防衛政策局次長、申合せの時刻が来ておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。
○岡政府参考人 お答え申し上げます。事故率に着目しての御質問でしたのでその点について申し上げますけれども、事故率につきましては、安全記録の一つの指標として使用はされているものではございますけれども、整備ミスや操作ミス等さまざまな、機体以外の要因も含めて発生する事故もあることから、そのことのみをもって機体の安全性を評価することは適当でなく、あくまで目安の一つであると考えているところでございます。CV22につきましては、先ほど副大臣からも答弁ございましたように、十万飛行時間にも達していないということで、有意な形で事故率を算出することは困難であるという旨も説明を受けているところでございます。いずれにいたしましても、CV22の配備につきましては、アメリカのこの地域の平和、安全保障に対するコミットメントを示すものでもございますし、日米同盟の抑止力、対処力を高めていくことにも役に立つものであるというふうに理解をしております。
○宮本(徹)委員 そんないいかげんな答弁をして、事故が起きたら誰が責任をとるんですか。河野大臣、責任とれるんですか、そういう姿勢で。厳しくそのことを指摘して、質問を終わります。