外環道をめぐる質問主意書の答弁書の「ウソ」発覚。なぜ、酸欠ガスの酸素濃度を隠したのか
9月11日(火)、国交省から、8月31日に宮本徹議員が行った、外環道に関する聞き取りで、持ち帰って確認すると回答のあった事項について、回答が届きました。
8月31日外環道に関する聞き取り(8月31日) 持ち帰り確認事項に関する国交省の回答
外環道の大深度工事現場から地上へ気泡の漏出があることを事業者が確認したのが5月15日。その後、気泡の漏出が一ヶ月以上も続きました。住民も6月に異変に気づき、宮本徹事務所にも連絡がありました。事業者の発表では気泡の酸素濃度が低いとのこと。いったいどれくらいの酸素濃度なのか。危険をもたらすことはないのか、住民に不安が広がりました。
ところが、どれくらいの酸素濃度なのか、国土交通省に聞いても調査中とこたえるだけ。なぜ、いつまでも調査中なのか。酸素濃度が低いという説明をしているのだから、いつまでも調査中というのはおかしいと思い、内閣の責任で数字を明らかにしていただこうと考え、7月に、質問主意書という形で気泡の酸素濃度についてたずねました。ところが、7月24日に閣議決定された答弁書では、「気泡の「酸素濃度の数値」については、現在、調査中である」と、信じがたいこたえがかえってきました。
8月24日になり、やっとホームページを通じて、漏出した酸素濃度の数値が明らかになりました。1.5〜6.4%という驚くべき低さでした。こういう空気を吸えば、あっというまに酸欠で死にもいたります。地下室などの空間にたまれば、重大事故がおきかねません。
住民からは、これほど危険な酸素濃度なら、もっと早く住民に知らせるべきではなかったのかという声ああがりました。そこで、8月31日に、国土交通省に、いったい気泡の酸素濃度を測定した日はいつかをきくと、調べて回答するということでした。
事務所のスタッフによると、週が明けて国交省から「回答をだします」という連絡がきた後、待てども待てども、催促しても回答がなかなかでてこず、やっと9月11日になって、回答がきました。
9月11日の国交省の回答によると、気泡の濃度を測定した日は、5月23日、6月18日、6月25日、6月26日とのことです。
これが事実だとすると、7月24日の答弁書にある「気泡の「酸素濃度の数値」については、現在、調査中である」というおは、まったくのウソ答弁であったということです。質問主意書の答弁書は閣議決定される重いものです。
いったい、どうして、5月23日から6月26日にかけてわかっていたことを、答弁書では「調査中」と、ごまかしたのか? 8月24日まで、酸素濃度の数値を隠したのか?
気泡の酸素濃度の数値の公表の直後に、気泡漏出・地下水流失のメカニズムにつても公表されました。また、その数日後には、手直しをした方法でシールドマシーンの掘進が再開しました。
酸素濃度を知らせると、工事への批判が高まるので、事業者なりに酸欠ガスの原因・メカニズム・今後の対策が説明できるまで、隠しておこうと思っていたのだとしたら、住民の安全おきざりです。住民の中には、酸素濃度が発表されない中、自分たちで気泡を集めて分析しようと考えた方もいたそうです。不慮の事故がおきる危険もあったのではないでしょうか。