2019年4月12日 衆院外務委員会 同盟強化提言の米研究所 防衛省が職員派遣

「アーミテージ・ナイ報告」など日米軍事同盟の強化などを提言している米国のシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)に防衛省が職員を派遣していることが分かりました。12日の衆院外務委員会で日本共産党の宮本徹議員の質問に答えたもの。
防衛省が宮本氏に提出したCSISへの長期出張者に関する資料には、2013年度から18年度にかけ、毎年1~2人が「安全保障防衛関連分野の調査研究」に従事しているとの記載があります。
防衛省の石川武防衛政策局次長は「CSISの研究員との意見交換、各種セミナーへの参加、米国政治、日米関係、国際軍事情勢などに関する研究に従事している」と述べ、同省職員の派遣を認めました。同期間に、職員の受け入れ経費として毎年6万ドル(約670万円)をCSISに支出していると明らかにしました。
派遣された職員が「アーミテージ・ナイ報告」の作成にかかわった可能性について、石川氏は「細部は差し控える」と否定しませんでした。
同報告は日本に集団的自衛権の行使容認や軍拡・敵基地攻撃能力の保持など、日米同盟における日本の役割、任務拡大を繰り返し求めており、日本ではしばしば「アメリカの声」であるかのように取り上げられてきました。

以上2019年4月13日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2019年4月12日 第198回衆院外務委員会第7号 議事録≫

○若宮委員長 次に、宮本徹君。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。初めに、穀田議員の続きの質問をさせていただきます。原田防衛副大臣にお越しいただいております。陸上自衛隊が参加した海外での共同訓練に関する日報問題について伺います。原田副大臣はこれまで、本委員会での我が党の穀田議員の質問に対し、陸上自衛隊が海外で実施する共同訓練では、基本的に演習場等で計画的に訓練を実施するものであることから、防衛大臣や上級部隊の指揮官の判断に資するような定時報告を求めることは一般的ではないと繰り返し答弁されてきました。岩屋防衛大臣も、三月十五日の記者会見で、共同訓練というのは、通常、一々日報をとっているものではないと述べられておりました。ところが、二〇一六年十月から十一月に行われたキーンソードと呼ばれる日米共同統合演習では、河野統幕長が発した実施計画に基づき、定時報告の様式まで定めて報告を行うよう指示されていたことがわかりました。資料を配付しております。防衛省が提出した実施計画、全体はもっと分厚いものでありますが、その当該部分であります。別紙七、定時報告様式ではどのような内容を報告するよう義務づけているか、原田副大臣、読み上げていただけますか。
○原田副大臣 お答えをいたします。まず、二〇一五年十月一日から二〇一八年三月三十一日に陸上自衛隊の部隊が海外で実施した共同訓練のうち、相手国との関係から公表しておらないものを除いた三十件の訓練について、防衛大臣の一般命令及び幕僚長指示について確認をいたしましたところ、定時報告について言及をされていたのは、平成二十八年度日米共同統合演習、実動演習のキーンソード17についての統合幕僚長指示のみでありました。現時点で把握している限り、陸上自衛隊の部隊が海外で実施する共同訓練については、防衛大臣の一般命令及び幕僚長指示において、防衛大臣や上級部隊の指揮官の判断に資するような定時報告を求めることは一般的でなく、通常、訓練終了後に成果報告をさせており、この点はこれまで御説明しておるとおりでございます。その上で、お尋ねの平成二十八年度日米共同統合演習、キーンソード17につきましては、統合幕僚長指示の別冊実施計画において、成果報告等のほか、訓練の進行管理を行う統裁部における統裁官、これは統合幕僚長でありますけれども、に対する定時報告を求めておりまして、その様式で、部隊の活動、安全管理、予定主要演習行動、その他を報告項目としておりまして、これらの内容に関し、前日十七時から当日十七時までの訓練状況及び自後二十四時間の訓練予定等をメール等により毎日十八時までに各主要部隊統裁部長等から統裁官宛てに報告することとされております。
○宮本委員 私は、別紙七に何が書いてあるか読んでくださいと言ったんですけれども、そういう長々した説明は要らなかったんですけれども、共同訓練では、通常、一々日報をとっていない、定時報告を求めることは一般的ではないといいますが、今御答弁あったとおり、二〇一六年度の共同演習では、部隊行動や作戦方針など、まさに二十四時間ごとに定時報告するように義務づけていたわけであります。そして、通常、一々とっていない、一般的に求めていないといいながら、これまで本委員会で議論になったように、少なくとも三件の共同訓練では日報が作成されていた事実が判明しております。今回は、二〇一六年の共同演習では、統幕長の指示で、定時報告様式まで定めて、日報の作成を義務づけていたことが明らかになりました。これらの事実からいっても、日報を通常とっていないとか、一般的に求めていないという説明はもう成り立たないというふうに私は思います。通用しないというふうに思います。更にお伺いしますが、では、なぜ二〇一六年度の共同演習では日報の作成を義務づけていたんですか。
○原田副大臣 お答えをいたします。平成二十八年度日米共同統合演習、キーンソード17と呼ばれるものでありますけれども、陸上自衛隊の各方面隊、海上自衛隊の自衛艦隊、航空自衛隊の航空総隊など、陸海空自衛隊の部隊等が参加し、我が国周辺海空域、自衛隊施設や在日米軍基地に加え、米国グアム、マリアナ諸島において実施された最大規模の日米共同の実動演習でございます。本演習では、全国の陸海空自衛隊の部隊が同時期に国外を含む異なる場所で各種訓練を実施しており、統裁官が適切に訓練の進行管理を行う必要があることから、必要な報告の一つとして定時報告を求めていたものでございます。
○宮本委員 大規模な演習だからだという話ですけれども、それだけじゃないんじゃないでしょうかね。実施計画を見ると、共同演習の目的について、武力攻撃等における島嶼防衛を含む自衛隊の統合運用要領及び米軍との共同対処要領並びに重要影響事態における対応措置要領を演練することを目的に演習を行う、こう記されているわけですね。これを見ても、この演習で日報の作成を義務づけたのは、安保法制に基づく初の共同訓練だった、だから、日米間の共同要領を検証する上で必要不可欠だから日報を義務づけたんじゃないですか。違いますか。
○原田副大臣 先ほど御答弁申し上げましたとおり、大規模な訓練であるということで、必要な報告の一つとして定時報告を求めていたものと承知をいたしております。
○宮本委員 大規模な訓練はほかにもあるんじゃないですか。安保法制に基づく初の共同演習として実施され、統幕長の指示により作成を義務づけられていた、これは間違いない、事実の問題としてはそういうことなわけですよね。この共同演習の日報について、原田副大臣は、四月三日の本委員会で、該当文書が確認されていないと答えられておりましたが、その後どうなっていますか。発見されましたか。
○原田副大臣 昨年四月二十六日、穀田議員からの資料要求につきましては、陸上自衛隊が二〇一五年十月一日以降に参加した海外での共同訓練に係る日報を含む定時報告の陸上自衛隊の部隊又は陸上自衛隊の機関の保有状況についてでございまして、これまで、防衛省では、陸上幕僚監部並びに陸上自衛隊の部隊及び機関に対して調査を実施してまいりました。そのうち、本演習、キーンソード17では、幕僚長指示に基づき、主要部隊の統裁部で定時報告文書を作成したと思われますが、これまでの調査においては、現時点で、陸上自衛隊においてこれを保有していることは確認をされておりません。しかしながら、委員会での御議論も踏まえて、防衛省においては、防衛大臣の指示のもと、対象となる文書の陸上自衛隊の作成、保有、廃棄に係る調査を改めて実施しているところでございます。対象となる訓練参加部隊が多数に上ることから、その確認には一定の時間が必要になりますが、できる限り早い時期に御報告ができるように今調査をしているところでございます。
○宮本委員 まだ見つかっていないというのは、こんなおかしな話はないと思いますよ。だって、統幕長の指示に基づいて、添付資料にあるように、わざわざ報告様式まで定めて作成を義務づけていたわけですよ、この日報は。その日報がどこに行ったかわからない。およそ信じられない状況であります。防衛省が、我が党の穀田議員の求めに応じて、この共同訓練の日報の保有状況の調査を開始したのは昨年の五月十日なんですね。この時期は、ちょうど国会ではイラク日報が大問題になっていたさなかであります。こうした状況をそんたくした部署が、更に共同訓練での日報という新たな問題が発覚しないよう隠蔽を図った可能性、これはないんですか。
○原田副大臣 お答えを申し上げます。今、委員会での御議論を踏まえてしっかりと対応させていただくべく、陸上自衛隊の部隊の海外での共同訓練に係る定時報告文書の保有状況調査に係る防衛大臣の指示を三月二十九日に発出をいたしまして、現在調査をしているところでございます。本調査においては、全国の陸上自衛隊の部隊等に対し十分な調査を行うため、一定の時間が必要となりますが、判明した内容については可能な限り早い時期に御報告ができるよう調査を実施してまいります。
○宮本委員 南スーダンやイラクの日報問題では、防衛省には残念ながら前科があるわけですよ、前科が。自衛隊が他国との共同訓練の現場でどのような対応をしたか記録された一次資料として作成が義務づけまでされていた日報の所在が行方知れずというのは、極めて重大な問題だと言わなければならないと思います。自衛隊の運用で最も重要なシビリアンコントロールがきいていないんじゃないか、こういうことで、民主主義からしても本当に危機的な状況だというふうに私は思います。先ほど、判明したら報告するという話がございましたが、現在、防衛大臣の指示に基づいて行っているという内部調査の期限は六月二十八日ということですが、これでは国会が終わってしまいます。そのようなこそくな期限は直ちに撤回をしていただいて、前防衛大臣も行っていましたように、調査を通じて新たな事実が判明した時点で、大臣の記者会見の場などでその都度公表していく、これはお約束していただけますね。
○原田副大臣 繰り返しになりますけれども、委員会での御議論を踏まえ、しっかりと対応させていただくべく、防衛省においては、陸上自衛隊の部隊の海外での共同訓練に係る定時報告文書の保有状況調査に係る防衛大臣の指示を三月二十九日に発出し、現在調査を実施しているところでございまして、本調査においては、全国の陸上自衛隊の部隊等に対し十分な調査を行うため、一定の時間が必要となりますが、判明したことについては可能な限り早い時期に御報告ができるよう調査を実施してまいります。
○宮本委員 もう半月以上も指示を出してからたっているわけですよね。直ちに、わかったことは明らかにしていただきたいと思います。その上で、次の問題に移ります。外務省の予算書に記されていない不透明な支出があるのではないかということで、質問させていただきたいと思います。日本政府から、米国のシンクタンクである戦略国際問題研究所、CSISへの支出であります。CSISのホームページを見ますと、ガバメントドナーズとして五十万ドル以上の貢献をしているドナーとしてジャパンと書いてあります。このドナーというのは、日本語で訳せば何なんでしょう、大臣。
○河野国務大臣 CSISがどのような意味でドナーという用語を使っているかお答えをする立場にございませんが、一般に英語でドナーといえば資金提供者あるいは寄贈者という意味だろうと思います。
○宮本委員 資金提供あるいは寄贈ということでございますが、このCSISの支出は資金提供、寄贈ということですけれども、予算書をひっくり返してもどこにも出てきませんでした。それで、改めて、この十年間における外務省の支出額を聞きました。そして、出てきたのが資料の三ページ目であります。平成二十五年度七百七十七万八千八百四十八円、平成二十六年度八百八十七万五千五百円、平成二十七年度三千四百三十二万三千五百二十円、平成二十八年度八千三百六万五百二十円、平成二十九年度七千九百六十八万一千八百円、平成三十年度八千五百六十九万八千九百二十八円ということでございます。私たちがCSISで研究経験がある方に聞いたところ、CSISには防衛省や外務省、あるいは警察庁から来ている研究員がいたそうであります。そこで、防衛省に長期出張者についての資料を出していただきました。それは次のページであります。四ページ目です。二〇一三年度から二〇一八年度まで、毎年一名ないし二名が交代で研究員となっていて、やっているのは安全保障、防衛関連分野の調査研究ということであります。毎年同じことしか書かれていないわけですが。防衛省、きょう来ていただいていますけれども、この安全保障、防衛関連分野の調査研究というのは、一体、具体的に何をやっているんですか。それとあわせて、防衛省からCSISへの各年度の支出があればお答えいただきたいと思います。
○石川政府参考人 お答え申し上げます。防衛省は、これまで、米国の有力シンクタンクであるCSISに対しまして、安全保障、防衛関連分野の研究に従事するための職員を派遣してきております。派遣された職員につきましては、CSISの研究員との意見交換や、各種セミナーへの参加等を通じて、米国政治、日米関係、国際軍事情勢などに関する研究に従事しております。各分野における有識者との意見交換等を通じて培われた知見は、以後の防衛省における勤務において大変有益なものであると考えております。こうした研究員の受入れのための経費として、二〇一三年度から二〇一八年度につきまして、CSISに対しまして年間六万ドルを支出してきているところでございます。
○宮本委員 防衛省もお金を出して、年間六万ドルということですから、今でいえば六百数十万ということになるでしょうか。それで、今の話では具体的に何を研究しているのか、意見交換をやっているということはわかりましたけれども、それ以上のことはわからないんですけれども、このCSISは、いわゆるアメリカのジャパン・ハンドラーと言われる人たちも集まっているわけですよね。アーミテージ・レポートを出しているわけですよね。まさか、このアーミテージ・レポートを、防衛省の職員が一緒になって作成過程にかかわっている、こういうことはないでしょうね。
○石川政府参考人 お答え申し上げます。繰り返しになるかもしれませんけれども、派遣された職員につきましては、CSISの研究員との意見交換や、セミナーへの参加等を通じて、米国政治、日米関係、国際軍事情勢等に関する研究等に従事しているところでございます。細部につきましては、事柄の性質上、お答えは差し控えさせていただきます。
○宮本委員 アーミテージ・レポートを一緒になってつくっているということを否定されないわけですか。これは恐ろしい話ですね。アメリカの対日要求だといいながら、実際は防衛省が一緒になってつくっている可能性もあるということじゃないですか。外務省にもお伺いしますが、先ほど、寄贈ないしは資金提供している額について読み上げさせていただきましたが、二〇一五年度以降、CSISへの支出が大幅に増加しておりますが、これは何に使っているんですか。増加している理由を明らかにしていただきたいと思います。
○河野国務大臣 CSISとの間で公にしないことを前提としている情報が含まれており、公にすることによりCSISの正当な利益を害するおそれがありますので、詳細のお答えは差し控えたいと思います。
○宮本委員 全く何に使っているか闇じゃないですか、それでは。それで、これは私も外務省から出てきた説明資料を見て本当に驚いたんですけれども、ちょっと三ページに戻っていただきたいと思いますが、二〇一七年度のCSISへの支出額七千九百六十八万一千八百円について、予算書のどの項目から支出しているのかと聞きました。そうしたら、外務省からは、該当ページ参照というのは五ページ目を見ていただきたいと思いますが、予算書の該当ページ、黄色いマーカーを引いて出てまいりました。組織は在外公館、項は分野別外交費、事項は国際の平和と安定に対する取組に必要な経費、目は諸謝金。ここは、要求額一千七百六十六万九千円とありますが、その内訳は右にあるとおりであります。CSISは書いていない。三ページ目に戻っていただきたいと思いますが、ここでも外務省の説明では、ここに当たるといいながら、平成二十九年度の要求額、CSISへの支出を想定した要求額はないと書いてあるんですよ。何でこんな全くつじつまが合わない説明をするのか。一体、このCSISへの支出は、予算書でいえば、どこから出ているんですか。示せないようなところから出ているんですか、これは。河野大臣、教えてください。
○河野国務大臣 これは別にCSISへの支出を想定をして予算要求をしているわけではなくて、予算成立後に支出先を選定しているということなんだろうと思います。
○宮本委員 予算成立後に支出を選定するということで、諸謝金の額は一千七百六十六万で、とても七千九百六十八万円は出ないんですよ、予算計上上は。もし、これを全部、この使い道は国会で示したものと違うことに使いますと仮にやったとしてもですよ、出てきようがないじゃないですか。大臣、これは一体全体どこから出てきているんですか。
○河野国務大臣 そのほか、恐らくCSISは、広報文化交流及び報道対策費などから支出されているんだろうと思います。
○宮本委員 私は外務省に資料請求して、どこから出てくるんだといって、出された唯一の予算書のページはここだけであります。河野大臣はそういうふうに説明されますが、違うんですよ。コード番号も示して、どこから出ているんですかと聞いて、出してきたのがこれなんですよね。ですから、河野大臣の説明、ちゃんと事務方から説明を受けていただきたいと思いますが、これしか出てきませんでした。あとこれはどこから出てきているのか。これは機密費じゃないかという疑いも持たざるを得ないわけです。これは、このままでは、一体どこからこのお金が出てきたのか、国民に対しても国会にも説明がつかない状況だというふうに思いますので、ちゃんと調べて、説明のつく、道理のある資料提出をお願いしたいと思いますが、大臣、いかがですか。
○河野国務大臣 委員会からの求めがあれば、しっかりと対応したいと思います。
○宮本委員 これは予算の支出にかかわる、予算の支出の透明性にかかわる問題であります。委員長からも、このCSISの支出が予算書のどの項目からどういう根拠に基づいて出されているのか、資料提出を指示していただけますか。
○若宮委員長 その件につきましては理事会で協議させていただきたいと思います。
○宮本委員 この問題は引き続き追及していきたいと思います。最後に、一問だけお伺いしたいと思います。F35戦闘機が墜落してパイロットの安否が気遣われる状況が続いております。防衛省は事故調査委員会を立ち上げました。私は、二月の予算委員会で、米国の国防総省運用試験・評価局やあるいは米検査院が指摘している欠陥を紹介しながら、F35は未完の戦闘機ではないかと当時岩屋大臣と議論をさせていただきました。米国の報告書を読みますと、二〇一七年に、飛行中のパイロットが酸欠になるという事案が頻繁に起きたと記されております。会計検査院の米国の報告には墜落の危険もあると書かれている、そのことも私は大臣とは議論をさせていただきました。さらに、米検査院の報告では、二〇一八年一月時点で未解決の欠陥が九百六十六あると。予算委員会で聞いた際は、リストは保有していないが、米側に確認したら、飛行の安全性に影響を及ぼす課題はない、こういう答弁でありました。しかし、今回は、ベテラン中のベテランのパイロットが乗っているF35が墜落するということになりました。事故調査に当たっては、まずは、米国防総省運用試験・評価局やあるいは米会計検査院が既に指摘しているF35Aの欠陥の詳細について、日本政府自身が入手することが必要不可欠ではないかと思いますが、いかがですか。
○原田副大臣 委員御指摘のとおり、二〇一六年の米国防総省運用試験・評価局の年次報告において、F35A、B、C全ての型式全体で二百七十六件の未解決の課題があると指摘されております。また、二〇一八年の米国会計検査院の報告書においては、全体で九百六十六件の課題があると指摘されたことは承知をいたしております。その上で、防衛省としてその内容について米国政府に確認を行っており、その結果として、我が国が導入するF35Aの機体については、運用能力や飛行の安全性等に影響を及ぼすような課題はないこと、それ以外の比較的軽微なふぐあいについては、既に改善のための取組が開始されており、主にソフトウエアのアップデートにより、追加的な費用負担なく、随時改善をされていくことを確認をしております。今般の事故については、航空幕僚監部に設置した航空事故調査委員会において事故原因等について調査を進めており、御指摘のリストの保有の有無にかかわらず、必要に応じ米側に問合せをすることも含め、さまざまな角度から調査を実施してまいります。
○宮本委員 アメリカ側はこのF35を、日本でつくったF35でありますが、一番最終点検のところは日本人を入れずにアメリカ側だけで検査をやっているということが報じられております。極めてアメリカは情報を出さない状況が続いているわけですよね、このF35については。ですから、この九百六十六の欠陥の詳細を皆さんは知らないわけですよ。アメリカ側に問い合わせて、大丈夫だと言われた、だから大丈夫だと確認しました、こういう答弁が続いているわけですよね。それではだめですよ。人の命がかかっている話ですからね。ですから、これは当然、アメリカ側に対して、一体どういう欠陥があるのかというのは、詳細について日本政府自身が手に入れないと、責任ある運用というのは防衛省の立場でもできないんじゃないですか。そのことを真剣に検討していただきたいということを申し上げまして、時間になりましたので、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。