年金の現状を示せ 老後2千万円問題 野党ヒアリング
“老後の生活には年金だけでは足りず、2000万円が必要だ”と投資などでの資産形成を促す金融庁の審議会報告書が批判を浴びている問題で政府に対する野党合同ヒアリングが6日、国会内で開かれました。野党側からは、安心の年金や社会保障への政府の責任を問う批判的な質問が相次ぎました。
野党の各議員からは「貯金どころかすでに毎月赤字の世帯も多い」「投資はリスクを伴う。政府が言うことなのか」などの批判の声があがりました。
立憲民主党会派の大串博志衆院議員が5月22日の報告書案では「公的年金の水準が当面低下することが見込まれている」としていた記述が、6月3日の報告書では削除されていることを指摘しました。
日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は、2015年の社会保障審議会年金部会や国会答弁で政府は「公的年金だけでは暮らせない」と認めているのに、なぜ正直な記述を削ったのか、選挙対策としか思えないと指摘しました。
金融庁はいわば公的年金の不足部分を私的年金で補おうとする考えで、出席議員らは「ビジネス側が言うのは自由だが、それを国が言うのか」と批判しました。
年金制度では、法律で少なくとも5年ごとに現行制度のもとでの財政の現状と見通しを明らかにする財政検証を行うこととされています。検証結果は6月3日に、10年前は2月23日に公表されましたが、今回はまだ出されていません。
以上2019年6月7日付赤旗日刊紙より抜粋(写真は赤旗提供)
野党合同ヒアリングには、宮本徹議員も参加しました。
ヒアリングの様子は、TBSやフジテレビでも報道されました。