年金財政検証についての野党合同ヒアリングに参加
年金の財政検証に関する野党合同ヒアリングが30日、国会内で開かれました。野党側は、厚生労働省が公表した財政検証結果のポイントで、マクロ経済スライドを行っても年金額が減らないかのような表現を使っている点をただしました。
厚労省は、経済成長と労働参加が進むケースでは、年金額は「物価上昇分を割り引いても増加」などと説明しています。野党議員は「生活感覚に合わない」「現実を直視する数字の出し方をすべきだ」といっせいに批判しました。
将来の年金額を現在価値に直す際、賃金上昇分と物価上昇分を割り引いて換算する必要があります。しかし、厚労省は物価上昇分だけを用いて換算し、年金額は「増加」するなどとしていました。
野党議員は、年金額を賃金上昇分で割り引いた場合、全てのケースで2019年度比で減少していると指摘。年金の専門家も賃金上昇分で割り引いた年金額で議論してきたことを示して、より生活感覚に合わせた年金額を示すよう迫りました。
また、野党議員は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が株式への投資比率を高めた資産運用をしていることに伴うリスクを追及。会計検査院が今年4月、市場の状況が悪化した場合の損失をシミュレーションしたストレステストの結果をGPIFの業務概況書に記載するよう求めたのに、公表されていないとして、その理由をただしました。
厚労省の担当者は、年金額の換算方法の仕方について「持ち帰って検討する」と回答。ストレステストの公表については、「市場に与える影響に留意して公表していない」としか答えませんでした。
ヒアリングには、日本共産党から宮本徹衆院議員、伊藤岳参院議員が参加しました。
以上2019年8月31日付赤旗日刊紙より抜粋(写真は赤旗提供)