再編統合議論で名指し 東京・奥多摩病院 この病院の代わりない 院長らと懇談

 厚生労働省が再編統合の議論が必要だと判断した公立・公的病院の名前を公表した問題で28日、日本共産党の宮本徹衆院議員は、名指しされた「奥多摩町国民健康保険奥多摩病院」(東京都奥多摩町)を訪れ、井上大輔院長らと懇談しました。大沢ゆかり町議、井上宣青梅市議らが参加しました。
 井上院長は、住民や職員から「病院がなくなるのか」と不安の声が寄せられているとのべ、「ここの必要性は身にしみて感じている。この病院に代わる病院はないという自信があります」と断言。
 末期のがん患者や交通弱者などへの住宅医療、訪問看護、学校医、登山など「医師は4人だが、多種多様な医療ニーズに対応している。(厚労省の)基準でははかれない存在意義、価値がある。こういう形で評価されると心が折れてしまう」「町の患者の生活を見ながらの診療は他病院では無理。高度医療を担う病院と役割分担し、協力していくのが良いと思う」などと話しました。
 台風19号で都道が崩落し車両の往来ができない日原地区では、保健師が全戸訪問して住民の状況をつかみ、他病院の患者の薬も主治医と連携して処方し届けました。医師も山道を歩いて行きました。井上院長は「災害時に的確な対応ができるのも、日ごろからの保健・医療・福祉の連携の成果です」と強調。
 これ以上病床(現在は43床)を削減すると患者に配慮した運用が不可能になること、近隣の青梅市立総合病院までは救急車でも40分かかることなど地域の実情も説明しました。
 須崎洋司事務長は、医師確保の工夫や経費見直しで町財政からの繰入金を減らしてきた経緯などを説明し、「採算はとれない地域だが病院が必要という場所にあるのが公立病院です」と語りました。
 宮本氏は「地域に必要な病院だということがよくわかりました。この“リスト″を出したこと自体が罪深い。撤回を追及していきます」と応じました。

以上2019年10月30日付赤旗日刊紙首都圏のページから抜粋