10月30日厚生労働委員会での年金の財政統合についての質問が日本経済新聞・電子版で報道されています。

 10月30日(水)の厚生労働委員会で年金の財政統合について検討を求めた質問が、11月8日付日本経済新聞・電子版がとりあげ、厚労省幹部の「5年後の年金改革の本丸になるかもれない」というコメントを報じていました。

 いまでも国民年金は満額6万5千円。政府の財政検証では、基礎年金は3割削減、モデル世帯でも2割削減となります。フリーランスや自営業者、非正規雇用の方など、国民年金だけや厚生年金の少ない方ほど、年金が減額なります。この事態を放置するわけにはいきません。

 10月30日の厚生労働委員会では、基礎年金の削減を抑制する方法として、国民年金と厚生年金の財政統合を検討することを提案しました(制度の一体化ではありません)。

 財政統合は、国庫負担の増額の効果をもたらします。また、厚生年金から国民年金への支援にもなります。厚生労働省の年金局で室長をつとめてきた稲垣誠一・国際医療福祉大学教授の試算では、年金の削減率は9%にまで抑制されます。

 厚生年金加入者でも、基礎年金の減額幅が少なくすめば、厚生年金の減額も小さくなります。平均的なサラリーマンはもちろん、ごく一部の高額所得者をのぞけば、財政を統合したほうが現行の仕組みより給付は増加します。

 日本共産党が提案してきた厚生年金保険料の高額所得者優遇をただし、標準報酬月額の上限を、健康保険並みにひきあげ、給付にベンドポイントをもうければ、毎年あらたに1兆円の年金財源をつくることができます。財政統合を合わせておこなえば、減らない年金にさらに近づきます。