年金機構10年国公労連シンポであいさつ
国公労連と全厚生労組は東京都内で28日、日本年金機構発足10年を検証するシンポジウムを開きました。
年金機構は社会保険庁を解体・民営化して2010年発足。525人が分限免職され、人事院や東京地裁が一部処分を取り消しましたが、訴訟は最高裁で全部棄却されました。
あいさつした岡部勘市国公労連委員長は、分限免職は年金不信の責任を現場に転嫁する「政治のパワハラ」だったと指摘。年金機構で相次ぐサービス低下や情報漏えいをあげ、「経験ある職員を現場に戻し、国が直接、事業運営を行うべきだ」と強調し、国民本位の行政をめざす運動と結んで争議解決を求めていくと述べました。
弁護団の加藤健次弁護士は、「民間でも許されない整理解雇だと明らかになり、人事院判定で職場復帰させるなど成果をあげた」と強調。「安心できる年金を求める世論と結んで職場復帰を迫っていこう」と訴えました。
晴山一穂専修大名誉教授は「分限免職は全体の奉仕者である公務員の身分保障に反する。今の忖度(そんたく)政治につながっている」と指摘しました。
年金者組合の吉田務副委員長は「年金事務所窓口で年金制度について答えられず、秘密主義も横行している」と発言。ジャーナリストの東海林智さんは「不当なやり方に屈せず声をあげた意義は大きい。今に生きている」と述べました。
全厚生の平丸寿博副委員長は、「現場では非正規職員が6割で雇い止めがある。正規職員は評価と目標に追われている。経験ある職員を現場に戻し、非正規雇用の雇い止めをやめるべきだ」と述べました。
日本共産党の宮本徹衆院議員があいさつしました。
以上2019年11月30日付赤旗日刊紙より抜粋