2020年2月25日予算委員会分科会 幼稚園類似施設等も無償化すべき
安倍政権が幼児教育無償化の対象から、幼稚園類似施設を外しました。早急に無償化することを求めました。
国会ではこの問題に関する超党派による議連も発足しました。
萩生田大臣は「引き続き類似施設であっても、やはり地域で大切なものというものは、私は包含していきたい、救済していきたい」と述べました。
≪第201回2020年2月25日衆院予算委員会第4分科会第1号 議事録該当部分抜粋≫
○井野主査 これにて山田賢司君の質疑は終了いたしました。次に、宮本徹君。
○宮本分科員 日本共産党の宮本徹です。きょうは、いろいろな問題を質問させていただきます。まず初めに、幼稚園類似施設が無償化の対象から外された問題です。昨年の予算委員会で、萩生田大臣が、当時、予算委員会の中で、これは問題だという指摘をされて、そして大臣にもなり、これは無償化を目指すという姿勢だったと思うんですが、残念ながら、来年度の予算案では、実質七千円程度の一人当たりの支援ということになりました。これでは、無償化になっているほかの施設との差が余りにも大きいために、焼け石に水という状態だというふうに思います。実際、私もいろいろなところからお話を伺うわけですけれども、もう園児が集まらないために三月いっぱいで廃園にする、こういうお話も伺っているところであります。さらに、別の園では、園のあり方を変えて認可外保育施設として届け出たわけですよね。それで、それまで専業主婦の方がたくさんいたんだけれども、無償になりたいということで、毎日パートに四時間だけ出るということをし始めた、まだ下の子が小さいから、下の子のためにも家でゆっくりしていたいなというお母さんも、こういうゆがんだ制度のために働き始めなきゃいけなくなった、こういうお話も聞いております。萩生田大臣自身もそうした問題意識を持たれていると思いますけれども、こうした幼稚園類似施設というのは、幼稚園になじめなかった、あるいは幼稚園では受け入れてもらえなかった、さまざまな理由から、発達障害だとかいろいろなことがありますけれども、そういう方々も受け入れていた園です。こういう園がなくなるということになったら、その人たちの、親子の行き場もなくなるわけですよね。ですから、萩生田大臣があれだけ頑張っていたにもかかわらず、こういう予算になったのは大変私は残念に思っております。私は、今からでも考えを改めて、実質無償化へ、支援額の引上げが必要だと考えておりますが、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○萩生田国務大臣 昨年、予算委員会で、私、この問題について触れて、宮本先生から熱いエールをいただき勇気をいただきました。大臣に就任して、早速取り組む一つの大きなテーマとして、この類似施設の救済というのを積極的に取り組んでいこうということで作業にかかりました。ただ、あのときに、私も、当時は与党の一員として提案したのは、全ての類似施設を全部包含して無償化対象にするというのはやや無理があるんじゃないかと。要するに、我々国からすると、地方にあるさまざまな歴史やあるいはさまざまなメニューを持った園が全て地域にとって必要な園かどうかというのは判断できないわけでありまして、例えば、今たまたま、発達障害の子供たちを受け入れている施設ですとか、そういう例を出してもらいましたけれども、逆もありまして、ほかから見れば物すごくうらやましいような裕福な、物すごい高い授業料で、普通の幼稚園とは全く桁違いの内容をやっている類似施設というのもあるわけですから。今回の経済的な支援や若い世代の人たちへの応援を含めた政策の趣旨から判断すると、私は、それぞれ設置をされている自治体の皆さんが必要と認める、存続をしてほしい、これはかけがえのない施設なんだ、これからもぜひ園として我が町の中で頑張ってほしいんだというものについてはしっかり支援をしていく仕組みがつくれないだろうかということで、かなり自信を持って取組を始めたんですが、残念ながら、予算編成の段階で、市長会の皆さんの最終的な御理解をいただけませんでした。それは向こう側にも言い分があって、こういう新しい政策をやるときには、まずきちんとした検証をしてから前に進むべきだという提案がありましたので、やむを得ず、今回提案しておりますような、言うならば社会実証といいますか、こういった形でのスタートということになったところでございます。引き続き、類似施設であってもやはり地域にとって大切なものというのは、私は包含していきたい、救済していきたいと思います、せっかくの機会ですから。他方、社会福祉法人として行っている保育園ですとか学校法人格を取得して経営している幼稚園からすると、確かに、類似でいい内容をやっているものがあったとしても、こちらはいろいろな制約の中で、建物のハードを建てたり、必要な免許を取得する教員を採用したり、栄養士さんを持ったり、給食室をつくったりというのでコストがかかっているわけです。類似施設に関しては非常に簡易にやっているところもあって、これを全く同じ条件で支援するとなれば、今度は逆に、学校法人の皆さんが今まで積み上げてきて、こんなに苦労してこれだけの資産形成をして子供たちのために提供しているのにということもありますので、この辺のバランスもしっかり考えながらやっていきたいと思います。決して、今回の予算提案が最後じゃなくて、まさにスタートだというふうに思っていますので、引き続き御支援をいただければありがたいな、こんなふうに思っています。
○宮本分科員 超党派の議連も発足しましたので、しっかりした制度ができるように、私たち、与野党を超えてしっかりやっていかなきゃいけないと思っております。ただ、一方で、認可外保育施設については、ある意味、何の検証もないまま、それこそ何の制限もなく無償化されているわけですね。そういうことからしたら、余りにも幼稚園類似施設に対しての対応というのは、やはり制度としては差別的なものになっているということは指摘させていただきたいと思います。 ~以下略~