2020年3月6日厚生労働委員会 新型コロナウイルス対策 学童保育・放課後デイへの支援を。厚労省が追加支援、特例を表明
一斉休校要請で、学童保育クラブは朝から開所をしています。人の体制がないなか長時間労働、消毒液不足などのなか、関係者のみなさんは懸命に保育をしています。国は当初、学童保育を朝からあけた場合の費用として1万200円の補助を通知ましたが、これでは赤字になるという悲鳴があがりました。3月5日午前にあらためて、赤字にしていいのかと、厚労省に質問通告。3月6日、午前の厚生労働委員会で質問すると、厚労省から追加支援の表明がありました。
放課後デイについても支援を求めてきましたが、非該当児が過半数をこえたら翌年の報酬が減らされるという報酬の仕組みのもとで、学校一斉休校のなかで、非該当児をたくさん受け入れると減収になるのではないかという不安が広がうまれていると関係団体のみなさんにうかがいました。減収になるのは不合理ではないかと、3月5日午前に、厚生労働省に対応を求めました。3月6日の厚生労働委員会で、特例をもうけると厚生労働省から表明がありました。
≪第201回2020年3月6日衆院厚生労働委員会第2号 議事録該当部分抜粋≫
○宮本委員 ~省略~ それから、学童についてもお伺いします。保護者立の学童では、夏は、長期休みは人件費加算で利用料をプラス五千円にしているところなんかもあるわけですよね。今回、一日当たり一万二百円の補助を行うという通知が出ましたが、人件費はこれで足りるのか。さらに、光熱水費などを考えると足りないという声が上がっています。実際に、これでいけば五万円は赤字になるという話だとか、いろいろな試算を出しているところもあるわけですよね。では、赤字にならないように保護者の負担をふやすのか。これはまた本末転倒な話であります。この一万二百円では足りないという声に対して、どう対応されるんですか。
○渡辺政府参考人 御指摘のございました今回の運営費の加算でございますが、考え方だけ申し上げますと、これにつきましては、今、保護者負担が生じないようにということで、かかり増しのところにつきましては国庫負担割合を十分の十とするという措置をとっているところでございます。ただ、一方で、議員御指摘のように、今回の小学校の臨時休業という特殊性に鑑みて、いろいろかかり増しが生じているというお声も聞いておりますので、ここにつきましては、必要に応じて追加の措置も検討していきたいと考えております。
○宮本委員 これで赤字になるところが出ないように、しっかり対応していただきたいというふうに思います。もう一つ学童保育にかかわって、全国を見ますと、外遊びはもうやらないとか、そういうところも出ていたり、あるいは、報道でびっくりしたんですけれども、ラインで二メートルの線を引いて、そこから出ないようにしろという、こんなことまでやっているという話も聞いて、いやいや驚きました。私は、専門家の知見も踏まえて外遊びを伸び伸びやれるようにした方がいいと思いますし、あとは、児童館併設の学童なんかもあるんですけれども、児童館の方が閉館になっていて、児童館のホールが使えない、図書館が使えないということで、それこそ日常的な学童の保育が制約されているところも出ているんですよね。そういうのは改めなきゃいけないと思うんですが、大臣、いかがですか。
○加藤国務大臣 学童だけではありませんで、専門家の話を聞きますと、いわゆる屋外では、我々大人であろうと子供さんであろうと、感染のリスクは決して高くはないということはもう言われているわけであります。そういったことも踏まえて、放課後児童クラブの運営に対してそうした専門家の知見等もしっかり提供していくことがまず必要だと思います。また、御指摘のホール、図書館、これもスペースはできれば狭いより広い方がいいわけでありますから、そういった活用をしていただくためにも、全体としてオープンするかは別として、例えば放課後児童クラブには、その部分を貸していただくとか、そういった対応もとっていただければというふうに思っております。
○宮本委員 そういう中身の徹底を至急していただきたいんですけれども。
○渡辺政府参考人 今大臣から御答弁申し上げたようなことは、必要に応じて、例えばQアンドAなどで周知を図っていきたいと思っております。
○宮本委員 必要に応じてじゃなくて、必要なのでやっていただきたいと思います。放課後デイについてもお伺いします。二〇一八年度の報酬改定で導入された仕組みで、政府の指標に基づいて、手がかかる、かからないみたいな指標、あの指標自体、私は間違っていると思っていますけれども、その指標判定の導入がなされました。該当児の判定を受けた子が五〇%を超えるかどうかで単価が違うわけですよね。これは前年度実績で決めるわけです。今聞いている不安の声は、この三月に、該当の子供は余り来なくなって、非該当の子供をたくさん受け入れる、こういう事態もあり得るわけですよ。そのことによって来年度の報酬が減ってしまうんじゃないか、そうしたら、非該当の子が来たいと言っても受け付けないというわけにもいかないしと、こういう悩みの話を聞いているわけですよね。十一カ月までは該当が五〇%を超えるだろうと思っていた、ところが、今回の事態の中で、十二カ月目で非該当が五〇%を超えてしまったということで収入が減ったら大変不合理だと思いますので、対応していただきたいと思います。いかがでしょうか。大臣、どうぞ。
○橋本政府参考人 御指摘いただきましたように、平成三十年度の報酬改定におきまして、障害の程度を勘案した報酬単価の設定、こういう観点から、障害児の状態像をはかる指標というものを設けまして、この指標に該当する子供が五〇%を超えるかどうかということで報酬区分を設定する仕組みを導入いたしました。現在の報酬区分の設定につきましては、委員御指摘のとおり、前年度、すなわち四月から三月という実績に基づいて翌年度一年間の区分を決定する、そういう取扱いになってございます。今般の学校の一斉休業に伴いまして、各事業所の利用実績にどのような影響が生じるかというのは現時点では明らかではございませんが、御指摘ございましたように、ふだんは利用していないような障害の軽いお子さんが臨時的に利用するというふうなケースも考えられますので、そういったことで、指標に該当する障害の重い子供さんの割合が五〇%を下回って来年度の報酬区分の設定について不利になる事業所が出てきた場合におきましては、事業所の安定的な運営を支援するために、特例としまして、今年度の四月から二月までの実績におきまして来年度の報酬区分を設定することを認める方向で現在検討しておりまして、準備が整い次第、都道府県等に周知をしたいと考えております。
○宮本委員 対応をよろしくお願いいたします。それから、マスクの話はきのうの本部会議で大分具体化されたそうですが、マスクと同時に消毒液も足りないという声が上がっています。学童や放課後デイは安全管理のためにいろいろなところを拭いて拭いて拭いてということをやっているわけですけれども、マスクと同時に消毒液についてもしっかり政府、自治体から支援する必要があると思いますが、いかがですか。
○吉田政府参考人 お答えいたします。消毒液につきましても、マスクと同様に、二月の十二日に厚生労働省から関係業界団体への増産要請を行って、これを受けて、今、国内主要メーカーはできる限りの増産に取り組んでいただいておりまして、二月の実績としましては、細かい数字はあれですけれども、昨年の月平均の一・八倍程度までの生産を確保していただいていて、今後も増産体制を継続するというふうに伺っております。そういう意味では、増産をしたものが必要なところに届くようにというところがこれから課題になると思いますので、私ども、丁寧に実態を把握させていただきながら、必要に応じて、マスクのような、同様の施策が要るのかどうか検討し、対応させていただきたいと思います。
○宮本委員 手に入らなくて困っているという話を現にあちらこちらから私も聞いていますので、ネットで買おうと思ってもびっくりするような値段だということでありますので、しっかり対応をお願いしたいというふうに思います。最後ですけれども、やはり、私は、総理のこの間の判断というのは、専門家の意見も聞かずにころころころころ、新しいことがつけ加わって、大変問題だと思っています。これが社会の混乱をもたらしていると思うんですよね。そういう点でいえば、私は、加藤大臣の責任は重大だと思うんですよ。確かに、国会対応だとかいろいろ忙しくて、加藤大臣のいない間にいろいろなことが決められているのかもわからないですけれども、専門家の皆さんの知見を一番よくわかっているのは厚労省であり、いつも接している加藤厚生労働大臣なわけですから、総理の場当たり的な対応をいさめる責任が加藤大臣にはあるんですよ。ちゃんと専門家の意見を踏まえていろいろな対策をとる、その点で総理にしっかり進言していただきたいと思うんですが、いかがですか。
○盛山委員長 時間となっておりますので、手短にお願いします。
○加藤国務大臣 これまでも、総理も、専門家の御意見も踏まえながら判断をしているということは申し上げておられるところでありますけれども、一つ一つの判断においてどこまで専門家の方に諮るかというのは、ある意味では総理の判断というのもあるんだろうと思いますけれども、ただ、特にこうした感染症ということに対して考えるに当たっては、専門的なあるいは科学的な知見というのは当然必要とされています。そういった意味で本部のもとにも専門家会合というのを設けさせていただいているわけでありますから、しっかり専門家会合の皆さんの知見も活用しながら引き続き判断をしていき、決めるべき政策は決めていきたいというふうに思います。
○宮本委員 実際には専門家会議の話も聞かずに学校の一斉休校だって決めちゃって、日本じゅうが振り回されているわけですよ、はっきり言って。ちゃんとそこは、加藤大臣、責任を果たしてください。よろしくお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。