ロイヤル社が退職強要を撤回
政府が「緊急事態宣言」を出した7日、会社が突然、「事業中止」を発表し、メデイアが「全員解雇」と報じました。実態は、「退職合意書」にサインさせ、賃金30日分の解雇予告手当すら支払わず、自主退職に追い込む脱法的なものでした。
11日の会社説明会で組合は、雇用調整助成金やタクシー休車を支援する「期間限定特例休車」を活用して雇用を守れと要求。金子健作社長から「運行継続が総意であれば、そっちの方向に切り替える」との回答を引き出し、出勤闘争を続けて雇用の継続をアピールしました。
日本共産党の宮本徹、高橋千鶴子両衆院議員が10日に国会質問し、赤羽一嘉国交相が「雇用を切ってとか、偽装的なところは感心しない」(国土交通委員会)と答弁。国交省が13日、タクシー事業者に異例の事務連絡を出し、解雇を正当化する同社長発言を「正しくない」と指摘し、会社側は追い詰められました。
24日の団体交渉で金子社長は、退職強要を撤回すると約束。27日、休業補償を実施して雇用を維持し、出された「退職合意書」の撤回にも応じる確認書を組合と締結しました。
「私たちが要求してきた方向にすすんでいます。退職に応じず、一致団結してきた成果です」と話す梶山洋一さん(48)は、たたかいのなかで新たに書記長に就任しました。「休業補償などの計画を労使で協議し、協定を結ぶことがこれからの課題です。コロナ禍を乗り切り、公共交通としてタクシーの役割を果たしていきたい」
以上2020年5月1日付赤旗日刊紙より抜粋