撤回へ力合わせ 共産党国会議員団Zoom会議

 日本共産党の国会議員が参加した第2弾「国会議員Zoom会議」が16日、インターネットで配信され、内閣の一存で特定の検察幹部の定年延長を決められるようにする検察庁法改悪に反対する国民の圧倒的な世論と国会論戦や、新型コロナウイルス感染拡大のもとでの実態に触れながら、国民の命やくらし、営業を守る課題などについて議論しました。小池晃書記局長が司会を務め、赤嶺政賢、宮本徹、畑野君枝の各衆院議員、山添拓参院議員、大平喜信前衆院議員、たつみコータロー前参院議員が参加しました。
 冒頭、山添氏が検察庁法改定案について解説し、15日に与党が狙った強行採決を阻止したのは「一気に広がった世論の高まりであり、みんなの力の大きな成果だ」と強調。改定案は、検察上層部の人事に政治の介入を許し、政治が司法に大きな影響を及ぼすものだとして、「法案撤回、強行断念の動きを一緒につくっていきたい」と表明しました。
 小池氏は、検察OBの意見書について「読んで感動した」と紹介。大平氏は、広島県選出の河井克行衆院議員と妻の案里参院議員の選挙買収疑惑に触れ、「克行氏は前法相だ。政府お墨付きの人事が図られれば、大事件も闇に葬られることになりかねない」と指摘しました。
 新型コロナウイルス感染拡大と政府の後手後手の対応に苦しむ現場の声や、国会論戦についても語り合いました。
 畑野氏は、大学授業料の半額免除などを盛り込んだ学生支援法案を野党共同で提出したことを紹介。国会質疑で、萩生田光一文部科学相も1次補正の7億円の授業料減免では少ないと認め、次の補正で積み増したいと述べたと紹介し、「学生の声が政府に突き刺さっている」と述べました。
 大平氏は、広島県のイベント業者から「イベント中止で1000万円かけた準備が水の泡になった。融資も対象外といわれ家族に借金を負わせないため離婚も考えている」との声が寄せられたと紹介。「こういう人が救えずに何が政治か」と訴えました。
 たつみ氏も、大阪でのアンケートに3000近い切実な声が寄せられていると紹介。大阪では、自民党と10年間の維新政治が医療体制を壊してきたと述べ、「コロナが収束した後には、維新政治の10年を改めて問うていく必要がある」と語りました。
 赤嶺氏は、一律休校要請で修学旅行がキャンセルとなり、中小旅館やホテルから7月までゼロだと悲鳴が上がっていると紹介。持続化給付金や雇用調整助成金など「きちんとお金が届く制度に変えていかなければ」と訴えました。
 医療関係者や介護関係者からの不安の声が寄せられ、小池氏は、医療現場はコロナ対応で出費がかさむ一方、患者が減り、収入が激減している状態だと述べ、医療機関への支援を抜本的に増やす必要があると発言。「第2波、第3波に備え、PCR検査体制、医療体制をしっかりつくることが大事だ」と述べました。
 支援策から抜け落ちている文化・芸術分野の支援について山添氏は、ライブハウスの調査にいったが、緊急事態宣言が解除された地域でも自粛要請が続き再開できるか見通せない状況だと指摘。「政府が名指しで要請したのだから、特別の手だて、支援が必要だ」と訴え。各氏からイベントや映画関係者から深刻な実態が語られ、補償の実現が切実に求められていることが浮き彫りになりました。
 宮本氏は、「政治と国民生活が今ほど直結しているときはない。政治が何かやらなければ、生きていくことができないときであり、議員も日本共産党自身も国民から真価を試されている」と発言。一つ一つの要望を実現させ国民生活を守り抜くためにがんばりたいと語りました。

以上2020年5月17日付赤旗日刊紙より抜粋