2020年5月20日厚労委員会 新休業支援金 日雇い派遣・登録型派遣も対象にすべき

 日本共産党の宮本徹議員は20日の衆院厚生労働委員会で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて政府が新しく検討している休業者向けの給付金について、登録型や日雇いの派遣労働者も対象とするよう求めました。
 登録型派遣とは仕事のあるときだけ労働契約を結ぶもの。140万人にのぼる派遣労働者の半数を占めます。宮本氏は、観光業で働く添乗員がツアーの中止で収入がなくなっている実態を示し、登録型や日雇いの派遣労働者も給付金の対象とするよう迫りました。
 厚労省の小林洋司職業安定局長は「雇用関係が継続していることを前提に、事業主の命によって休業している方が対象となる」「派遣労働者についても、そうした状況を満たせば対象になる」と答弁しました。
 宮本氏は、多くの登録型派遣の労働者は休業補償が支払われず苦しんでおり、「しっかりと手当てをすることを検討せよ」と重ねて要求。日雇い派遣を解禁する議論が政府部内にあることに

以上2020年5月30日付赤旗日刊紙より抜粋

≪第201回2020年5月20日衆院厚生労働委員会第14号該当部分議事録抜粋≫

○宮本委員 しっかりそこは科学的にお願いしたいと思います。次に、新しく検討されている休業給付金について何点かお伺いしたいと思います。登録型派遣で働いている方は、百四十万人いる派遣労働者の半数を占めております。この間も、観光業で働く添乗員の皆さんが全く収入がなくなったということだとか、本当に悲鳴が上がっているわけですが、この新しい休業給付金は、登録型派遣、日雇派遣も対象にするという方向で検討が進んでいるということでよろしいんでしょうか。
○小林政府参考人 お答えいたします。新たな給付の制度のお尋ねでございます。これはまさに検討中でございますが、雇用調整助成金がまず基本にあるというふうに考えております。雇用調整助成金を活用いただきながら、休業手当をお支払いいただく。ただ、個別の事情によって休業手当を受けられない労働者の方がおられるということで、そういう場合に個人が個別に申請できる仕組みを設けるというものでございます。したがいまして、雇用調整助成金と新給付、これは基本的にパラレルの関係で捉える必要があるというふうに考えておりまして、雇用関係が継続していることを前提に、事業主の命によって休業している方が対象となるというふうに考えております。派遣労働者につきましても、そうした状況を満たせば対象になりますし、満たさなければ対象にならない、これは労働者共通の考え方でございますが、そういうことになるのではないか。いずれにしても、現在検討中でございまして、今後具体化を急いでまいりたいというふうに思います。
○宮本委員 雇用が継続しているということを言われますと大変心配になってしまうんですけれども。登録型派遣、日雇派遣はそのときそのときに雇用が発生するということになるわけですよね。登録型派遣でいえばそうですよね。日々日々発生して、それが長く継続しているのかといったら、そうなっていない方はたくさんいらっしゃるわけです。ただ、その時々の雇用は一々ぶつぶつ切れているわけですけれども、働いているという点でいえば、月に二十日間ぐらいしっかり働いていた方々というのはいるわけですね。ですけれども、そういう登録型派遣や日雇派遣みたいな方々こそ今本当に何の休業補償もなく苦しんでいるわけですから、そこはしっかりと手当てすることを検討していただきたいということを強く求めておきたいと思います。それから、あともう一点。先ほどの答弁からいえば、どうするのかなと思ってしまうんですけれども。今、高齢者の方でも、年金が大変少ない方がシルバー人材センターで収入を得ているという実態がかなり広くあります。ただ、このシルバー人材センターも現下のコロナの状況のもとで発注が減り仕事がなくなったということで、私たちの地元のところでもどうにもならないから生活保護につなぐということなんかもやっているわけでありますけれども、こういう方々は、年金だけでは暮らせない、しかし雇用ではない。派遣労働者も、登録型派遣、日雇派遣はまだ雇用ですけれども、雇用でもない方々がいるわけです、収入を得てきた方々が。そういう方々にはどう対応されるんでしょうか。
○達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。シルバー人材センターは、共働、共助という基本理念のもと、地域の企業や地方公共団体等から発注される請負等の業務を中心に、会員の能力と希望に応じて臨時的、短期的又は軽易な就業機会を提供しており、高齢者の多様な就業機会の確保を担うものでございます。新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、休校や事業活動の自粛に伴いまして、主に公共施設の管理業務や学校関連の業務の発注減少が大きい地域があるものと承知してございます。このような発注減少によりこれまで就業していた業務に従事することができなくなった会員に対しては、能力と希望に応じてシルバー人材センターにおいて他の就業機会を提供するほか、再就職を希望する方についてはハローワークへの誘導をするなど、各地域のシルバー人材センターの状況もお聞きしながら、会員の就業機会が確保されるよう、しっかりと対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○宮本委員 ほかの就業機会を確保しようにも、現時点ではなかなかないというのが現状なわけですよね。ですから、本当に、コロナで収入が減った方々というのを漏れなく穴なくどうやって救うのかということをしっかり制度設計をしていかなければいけないというふうに私は思いますので、この点は大臣にもしっかり考えていただきたいというふうに思います。更に言えば、日雇派遣みたいな働き方自体、私たちはもともと禁止すべきだということを言ってきましたけれども、今これを緩和しようという議論があるわけじゃないですか、政府部内にも。それは全く違う方向だと思いますよ。私は、日雇派遣、やはりこういう不安定な働き方は禁止するという方向に持っていかなければいけないということを強く申し上げておきたいと思います。