菅首相 政治私物化に共同責任 日本共産党衆院議員宮本徹さんに聞く
日本共産党の宮本徹衆院議員は、官房長官だった菅氏に対して、「桜を見る会」を国会で初めて追及するなど、安倍政権と対決してきました。菅政権をどう見るか、首相指名選挙翌日の17日にインタビューしました。
―菅さんが首相に就任しました。
人事も含めて、前内閣を継承する姿勢がはっきりしました。安倍首相と二人三脚であらゆる政策を決定してきたのが菅さんで、安倍政権のやってきたことすべてに共同責任を負っています。桜を見る会も、もともと菅官房長官の所管です。
私は、昨日(16日)の朝、桜を見る会をめぐる菅首相の責任をただす、質問主意書を出しました。新首相として共産党にあいさつに来られた際にも、直接、主意書のことをお伝えしました。
その後、夕方の記者会見になって、桜を見る会の来年以降中止を表明されました。しかし、それで私物化の責任が消えるわけではありません。
ー総裁選で菅さんは、自助を強調しました。
政治の役割は本来、公助です。コロナ禍で多くの人が大変な思いをしています。必死に自助努力しても、どうにもならないからこそ、公助が大切です。そういう時に、自助を強調するのが、政治の姿勢でしょうか。
自公政権は、ずっと国民に自助努力を求めてきました。
私は、大学の卒業論文のテーマが教育の無償化で、国会でも取り上げ、ライフワークにしています。大学や専門学校の授業料は、家計の負担任せで自助努力を求められ、多くの学生を苦しめています。高齢者の年金も安倍政権は削減を続けています。国民の暮らしを、自助ではなく、公助で支える政治こそ必要です。
ー現在、日本共産党の厚労部会長です。政府のコロナ対策をどう見ていますか。
10年前に新型インフルエンザが流行したときに、専門家のみなさんが、PCR検査体制をつくることや、保健所の体制強化などを求める提言を出しています。こうした提案を、政治が無視してきたことが、コロナ対策を非常に困難にしました。
また、政府の水際対策の遅れや、首相の思い付きによるいっせい休校は、大きな失敗でした。感染症対策は、専門家の知見をしっかり生かすことが大切です。
国にもっとも欠けているのは、新型コロナの影響で収入や仕事を失ったすべての人を支える姿勢です。事業者向けの給付金も休業者支援も、失業者支援も穴だらけで、対象にならない人たちがたくさんいます。感染拡大防止に協力する中で、苦しんでいる人すべてを、しっかり支援することが緊急に求められます。
ー2014年の初当選以来、国会活動のなかで大事にしてきたことは。
政治は国民のためにあります。一人ひとりの国民が、困っていることを解決する、それを何よりも大事にしてきました。だからこそ、逆に、行政の私物化や不正は絶対に許さない、そのことも頑張ってきました。
この間、私が取り組んでいることの一つに、青年・成人期を迎えた障害者の余暇活動の支援があります。障害児は18歳までは、特別支援学校に通い、放課後には放課後ディサービスがある。子どもたちはそこで支援を受けながら、仲間と交流できます。親も、放課後ディサービスがあるからこそ、フルタイム勤務の条件が生まれます。
しかし、18歳の壁と言われていて、特別支援学校卒業とともに、放課後ディサービスも卒所となり、その先の青年・成人期の居場所の支援が、全国必須の事業となっていないのが実情です。
地元の社会福祉法人からの相談がきっかけで、私が国会で初めて取り上げました。その後、政府が自治体に、平日夕方、休日の青年・成人期の居場所づくりを要請するようになりましたが、財源の裏付けを持った仕組みが必要です。
国民一人ひとりの解決のために引き続き力を尽くします。
ー決意を。
国会でいろいろなテーマを取り上げてきましたが、たくさんの要望が寄せられ、取り上げたいことはいっぱいあるのに、質問時間が足りないのが実情です。共産党の議席をもっと増やさなくてはと痛感しています。
同時に、いまの政治の流れを切り替えるには、政権交代がどうしても必要です。首相指名選挙では、立憲民主党の枝野幸男さんに、私たち共産党も投票しました。多くの方から、画期的だと歓迎されています。
政権交代を成し遂げるには、私が勝ち上がることも必要です。幅広い市民のみなさんと力を合わせ、野党の共同で必ず勝利したい。
以上2020年9月27日付東京民報より要約抜粋