東京・調布 空洞また発見 外環道工事直上陥没事故 住民「安全どこいった」
東京都調布市の東京外かく環状道路(外環道)のトンネル工事付近で住宅街の市道が陥没した問題で、現場近くの地中に新たな空洞を確認したと、東日本高速道路(ネクスコ東日本)が22日、公表しました。
空洞は、ネクスコ東日本が、陥没(10月18日)現場のすぐ南隣の道路で行っていたボーリング調査でみつかりました。陥没現場周辺では、反対の北側で長さ30メートルの空洞(11月3日)が見つかっています。陥没現場の地下では、外環道のトンネル掘削機が9月14日に通過。ネクスコ東日本は工事との因果関係を調べています。
ネクスコ東日本の発表では、今回の空洞は、地表から深さ約4メートルの地点にあり、大きさは幅約3メートル、長さ約27メートル、厚さ約4メートル程度。「確認された空洞への充填(じゅうてん)作業を、速やかに実施します」としています。
周辺住民によるとネクスコ東日本が21日午後、ボーリング調査中に空洞を発見。夜、付近住宅7軒に避難を呼びかけ。深夜にかけ個別に説明があったといいます。
不安の一夜をすごした女性(65)は「空洞がこちら側にもある可能性はあると思っていました」といい、「(今回の空洞の場所は)壁の亀裂や落下、縁石との高低差などの異変があった地域。ネクスコは異変をいまだ有識者会議で議論していません。大深度法(大深度地下の公共的使用に関する特別措置法)を適用して掘削したとき地表に出た影響の事例です。ちゃんと取り上げてほしい。住民に透明性をもって、本当の原因究明をしてほしい」と要望します。
現場の目の前に住むジャーナリストの丸山重威さんは「調布市議会が超党派で住民のヒアリングをするべきです。大深度法が国民の福祉のためではなく、資本が思うように地下を利用するためのものであることを問題にしていくことが必要」と話します。
日本共産党の宮本徹衆院議員、田中とも子都議予定候補、岸本なお子市議が駆けつけ、調査しました。
一行は住民から「ボーリング調査の数が少ない」「一軒一軒回ってどんな異変が起きたのか調べてほしい」「問題が起きてから調査、調査といっている。安全はどこにいった」などの声を聞き取り、ボーリング調査の振動ではく落した石べいなどを調べました。宮本氏は「ボーリング調査を早く行い、数を増やす必要がある」と話しました。
以上2020年11月23日付赤旗日刊紙より抜粋(写真は赤旗提供)