2021年2月26日 予算委員会分科会 特別支援学校設置基準は現場の声をきいて スクールバスの通学時間に上限を
以下、速記録より
次に、特別支援学校の問題についてお伺いします。設置基準がいよいよ作られるということになりました。
全教、全日本教職員組合の障害児教育部の皆さんが、こういう、今日、持ってきましたが、特別
支援学校設置基準案というのを作っております。これは十二条あるんですけれども、是非、教育環
境の向上に資する設置基準とするために現場の先生の意見をよく聞いて作ってほしいというふうに
思います。大臣、これは、こういうのを、組合の先生方が作っているのを御覧になられたことはあ
りますか。(大臣うなづく)あります。
この案の中にも、一つだけ今日は紹介したいんですけれども、「児童生徒の健康・安全のため、
家庭から学校までの通学時間が、一時間以内となるような位置に学校を設置しなければならない。
」という文言を書いてあるんですね。やはり、長時間の通学で体調を崩して、登校後救急搬送され
る事態というのも起きているわけであります。そして、通学の負担が大きいために登校回数を減ら
している生徒というのもあります。ですから、この設置基準に通学時間の上限をしっかり設けて、
学校をしっかり造ってほしい、さらには、バスも、スクールバスも増車してほしいということなんですよね。
今、一時間以上もスクールバスに乗って登校する状況というのは東京の中でもあります。やはり、子供の成長にとっても、これは改善すべき事態だと思いますので、是非この点のしっかりとした対応をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○萩生田国務大臣 現在、文部科学省では、中教審の答申などを踏まえて、特別支援学校設置基準
の策定に向けた検討を進めております。設置基準は、学級の編制や学校に備えるべき施設及び設備
等を示したものであり、既に定めのある小学校等の設置基準には、通学方法や通学時間についての
定めがないのは、先生御指摘のとおりです。
通学環境については、特別支援学校における学校教育を進める上で必要な施設機能を確保するために、施設の計画、設計における留意事項を示した特別支援学校施設整備指針において、幼児児童
生徒の居住分布、心身の発達、障害の状態や特性などを考慮し、通学方法との関連に留意しつつ、
幼児児童生徒が疲労を感じない程度の通学距離、又は通学時間を設定できるように校地を設定する
ことが望ましいと規定しており、文科省としては、各学校設置者にこれを踏まえた施設に係る計画策定を求めているところでございます。
また、特別支援学校のスクールバスについては、安全上の観点から換気が行われにくいなど三つの密が重なるおそれが高く、加えて、医療的ケア児など罹患すると重症化するリスクの高い幼児児童生徒が乗車している場合もあるため、令和二年度補正予算において、感染症対策のため、スクールバスの増便等に係る経費への支援として七十三億円を計上しているところでございます。
いずれにしましても、障害を持つお子さんが一時間以上バスの中にとどまるということが、心身
共に、理想とするスタイルではないということは私も同感しますので、今申し上げたような手続を
踏みながら、充実を目指していきたいと思います。