2021年3月12日 衆院厚生労働委員会 看護師日雇い派遣やめよ シフト制労働者保護要求

提出資料① 内閣官房新型コロナウイルス感染症対策分科会「緊急事態宣言解除後の地域におけるリバウンド防止策についての提言 令和3年2月25日」
提出資料② Parham Azimi, et al. ”Mechanistic transmission modeling of COVID-19 on the Diamond Princess cruise ship demonstrates the importance of aerosol transmission”, PNAS, 2021 Vol. 118 No. 8., p. 
提出資料➂ Abigaili P. Harvey, et al. “Longitudinal Monitoring of SARS-CoV-2 RNA on High-Touch Surfaces in a Community Setting”, Environmantal Science & Technology Letters, 2021, 8, p.168.
提出資料④ “Coronavirus is in the air – there’s too much focus on surfaces”, NATURE, 02 Feb 2021. 
提出資料⑤ “Doctor’s Death After Covid Vaccine Is Being Investigated”, The New York Times, 12 Jan 2021 
提出資料⑥ 厚生労働省提出資料
提出資料⑦ 厚生労働省提出資料
提出資料⑧ 厚生労働省提出資料
提出資料⑨ 令和3年1月25日付「労基旬報」その1
提出資料⑩ 令和3年1月25日付「労基旬報」その2

 日本共産党の宮本徹議員は12日の衆院厚生労働委員会で、政府がすすめる看護師の日雇い派遣の解禁について中止すべきだと迫りました。
 宮本氏は介護施設などへの日雇い派遣について、「利用者の体調の変化やそれに伴う薬の量の調整など、その日に来たばかりでは気づけないことがある」と指摘。利用者に深刻な問題が生じるのではないかとただしました。
 田村憲久厚労相は「事業者や働く側からのニーズはある」などと答弁。宮本氏は「利用者の目線で考えなければならない問題だ」と批判しました。
 また宮本氏は、シフト制労働者の実態について、「労働者が有休を求めたらシフトを減らすなど、シフト制の乱用で労働法令を実質無効化するようなことが起きてきた」と指摘。労働者保護の強化に向け、2019年のEU指令を参考にして、最低限保証される賃金支払い時間数や過去の実績にもとづく休業手当の支払い義務などの法規制の検討に踏み出すべきだと迫りました。田村厚労相は「よく研究したい。諸外国の条件をしっかりと調査する」と約束しました。
 宮本氏は厚生労働省職員の超過勤務についても質問。山田雅彦審議官は1月の超過勤務が最大で226時間になっていたことを明かしました。
 宮本氏は「過労死ラインを超える人がたくさんいる。定員削減がこうした事態を招いている」と強調し、定員増を求めました。

以上2021年3月13日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2021年3月12日 第204回衆院厚生労働委員会4号 議事録≫

○とかしき委員長 次に、宮本徹君。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。まず、コロナ禍でシフトカットされても休業手当が支払われないなど、シフト制がはらむ問題点がこの間浮き彫りになりました。これまでも、例えば労働者が有給を求めたら嫌がらせでシフトカットするなど、シフト制の濫用というのはかなりコロナの前からも行われておりました。労働法令がシフト制を濫用することによって実質無効化するような事態もいろいろ方々で起きておりました。今日は資料を後ろから使っていきますけれども、九ページ目と十ページ目に載せておりますけれども、二〇一九年にEUは透明で予見可能な労働条件指令というのを決めております。その中で、最低限保証される賃金支払い時間数を労働者に通知しなければならないということや、あるいは、一定期間内に労働した平均労働時間に基づいて最低限の賃金支払い対象時間を伴う雇用契約を推定することなどが盛り込まれております。大臣には、シフト制で働く非正規労働者の保護を強めていくために、こうした二〇一九年のEU指令なんかも是非参考にしていただいて、例えば最低の保証時間をしっかり明記、通知していく、あるいは、過去実績に基づいて休業手当の支払い義務が生じるようにするなど、シフト制労働契約の濫用を防止するための法規制、この検討に踏み出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○田村国務大臣 この二〇一九年のEU指令というもの、これはオンデマンド労働に対するものなんだろうと思うんですけれども、ちょっとよく研究をさせていただきたいと思います。いろいろと担当の話を聞いておりましても、EUも中でいろいろな国があるというお話もあります。シフト制というものは、もちろん、本来はシフト制じゃなくて、正規に近いといいますか、非正規であっても正規に近いような形で労働したいという方々がシフト制でやむなく働いている。これは、どうやってそれよりももっと安定した働き方にしていかなきゃならないか、これは、我々厚生労働省、しっかりと対応していかなきゃならぬと思っておりますが。一方で、御本人もシフト制のような働き方で望んでおられる方々がおられるのも事実でありまして、そういう方々が、仮に労働時間というものを決めて、この時間は働きなさい、その代わり賃金はその時間分は保証しますというような話になると、その方が今度は自由な働き方ができなくなってしまうということも生まれてくるわけでありまして、なかなか、ちょっとそこら辺のところを、どのようなニーズがあるかということもしっかりと我々見ていかなきゃなりませんので、一律にそういうことができるのかどうか、ちょっと諸外国の状況をしっかりと我々も調査をしてまいりたいというふうに考えております。
○宮本委員 是非、諸外国の調査もされるということですから、シフト制の労働者の皆さんがしっかり守られることを検討していっていただきたいというふうに思います。二点目ですけれども、介護施設等への看護師の日雇派遣の解禁について伺います。看護師は、高齢者施設でも服薬指導など大変大事な役割を担っております。先日、こういう例が紹介されておりました。高齢者施設で、糖尿病などを患っているが認知症などで自分で薬の管理が難しい、そういう方が、例えば食欲が優れずに余り食べられない、こういうことも起きるわけですね。そうすると、ふだんどおりの薬の量を出したら、当然、低血糖症になってしまうわけです。ですけれども、食欲の変化に気づけば、薬の量を調整してということができるわけですね。ですけれども、その日に来たばかりの看護師さんだということになれば変化に気づけない、低血糖症が起きてしまうリスクがあるという話であります。ですから、そういうことを考えても、介護施設等で日雇派遣を看護師さんを入れていくというのは利用者にとって深刻な問題が生じる、こういう懸念があるんじゃないですか。
○田村国務大臣 この問題は、まず社会保障審議会医療部会の方でも議論をいただき、その上で労政審でも議論をいただいた上で、最終的にこういうような決定をなされたものだというふうに認識いたしております。一つは、これは派遣ですから、日雇派遣でありますので、そういう意味では雇用管理上大丈夫なのかという問題がありますが、一方でニーズがあることは事実でありまして、やはり看護師がなかなか介護施設等々で集まらないということ、それから働く側のニーズもあるということ。集まらないというのは、ただ単に必ずいなきゃいけないという状況もありますので、休まれたときどうするんだというようなニーズがあるようであります。そういう中において、言われるように、健康管理というような形であるならばいろいろな問題というものはないであろうというのと、それから、業務の内容というもの、これに関してもしっかりと看護師に説明をする、緊急時の対応、これもちゃんと事前に説明しておくというようなことをなされれば、これに関して日雇というような形であっても対応ができるであろうということで、最終的に御理解をいただいたというふうに私は承っております。委員がおっしゃられたような心配点等々に関しても、一定の対応というものをあらかじめ検討していただく中で、今回の制度というもの、これを適切に対応いただけるように、厚生労働省といたしましても、労働行政の分野からも、そして介護行政の分野からも、しっかりといろんな助言をしてまいりたいというふうに思っております。
○宮本委員 事業者のニーズだとか、あるいは働く側のニーズだけで考えていい話じゃないと思うんですね。やはり利用者の目線で考えなきゃいけない問題であるというふうに思います。今でも、看護師さんの仕事なんかでも、いろんな仕事の引継ぎをしなきゃいけないとき、申し送りなんかするわけですよね。やはり、そういうのも申し送りが不十分だといろんなことが起きるわけじゃないですか。そういうことが、もっと深刻な問題が日雇派遣を解禁すると起きると思いますよ。いろんな対応を考えるということを言いますけれども、日雇派遣という形態を入れれば対応し切れない問題が私は必ず起きると思いますので、これはまだ結論が、パブリックコメントをやっているんでしたっけね、集まったところですよね。これはもう一回考え直して、私はやめるべきだということを強く申し上げておきたいというふうに思います。それから、あと、厚労省の長時間残業についてお伺いします。資料、後ろをめくりまして八のところに、一月の超過勤務時間の資料を出してもらいましたけれども、これを説明してもらえますか。
○山田政府参考人 お答えします。本年一月の厚生労働省本省職員の超過勤務時間については、月八十時間以上、百時間未満が二百二十一人、月百時間以上、百五十時間未満は百四十九人、月百五十時間以上が二十八人となっております。この中で、最長の超過勤務時間は二百二十六時間となっております。
○宮本委員 これは超過勤務時間、支払い分のと書いてあるわけですけれども、これ以外の超過勤務、在庁時間というのはかなりあるんじゃないですか。
○山田政府参考人 国家公務員の超過勤務については、公務のため臨時又は緊急の必要がある場合に、正規の時間以外に勤務することを命ぜられたときに、その命令に従って行われるもの、それが先ほど御紹介したものでありますが、必ずしも時間外在庁時間全てが当然に命令の対象となるわけではないのであります。
○宮本委員 この数自体が物すごい、過労死ラインを超える方がたくさんいらっしゃるという状況だと思うんですけれども、実態は恐らく、年度末に向かっている過程ですから、残っている予算の範囲内で、それぞれの部署で、つけられる範囲でつけている面もあるのかなというふうに思っちゃうわけですよね。ちょっと、在庁時間の資料も是非出していただきたいと思うんですけれども、よろしいですか。
○山田政府参考人 時間外在庁時間と、先ほど御説明した超過勤務時間の差については、こちらで正確には把握できておりません。
○宮本委員 いや、健康管理のために、在庁時間は、パソコンのログイン、ログアウトの時間なんかでつかんでいるわけじゃないですか。委員長、これは是非、本委員会に資料提出を求めたいと思います。
○とかしき委員長 理事会で相談させていただきます。
○宮本委員 いずれにしても、定数をどんどんどんどん削減してきたというのがこうした事態を招いているわけですから、しっかり定数を思い切って増やしていく。私、去年もこの問題を質問しましたけれども、そのときよりも残業時間は増えているわけですよね。それが実態でありますから、しっかりこれを増やしていただきたいと思います。それから、あと、ワクチンについて少しお伺いします。資料の五、ニューヨーク・タイムズですけれども、ファイザーのワクチンの接種後に急性血小板減少症となり脳出血で医師が亡くなった事例が報じられております。一般的に、血小板減少性紫斑病というのは脳出血だとかあるいはくも膜下出血だとかになることがあるということでしょうか。
○正林政府参考人 この配られている資料の、血小板減少症となり脳出血で医師が亡くなったアメリカの事例に関する報道は承知しております。また、血小板が減少し紫斑が生じる疾病は、その原因に応じて様々なものがあるため、血液中の血小板の減少と、くも膜下出血や脳内出血などの頭蓋内出血の発症との間に直接的な関係があるとは承知しておりません。いずれにしても、国民の皆様に対して、引き続き、副反応や効果を含め、科学的見地に基づいたワクチンに関する正しい情報を丁寧にお伝えしていきたいと考えております。
○宮本委員 難病情報センターのホームページを見ましたら、血小板減少性紫斑病は重症の場合は脳出血と書いてあったんですけれども、違いますか。
○正林政府参考人 済みません。御指摘の点、まだ見たことがないので、後で確認したいと思います。
○宮本委員 そういうふうに難病情報センターのホームページには書いてありました。それと、資料の七のところに、これは、初めに医療関係者の皆さんに打っていただいたときの説明書、同意文書の中に、報告すべき副反応として血小板減少性紫斑病について書かれておりますが、これが書かれているということは、これはほかのワクチンにもこの血小板減少性紫斑病というのは副反応でよく書かれているんですけれども、一般的な多くのワクチン接種で血小板減少性紫斑病というのはまれに起き得るということでよろしいんでしょうか。
○正林政府参考人 血小板減少性紫斑病は、ほかの定期接種の対象となっている幾つかのワクチンにおいて、添付文書上、重大な副反応として記載されており、かつ、ワクチン接種と一定程度の科学的関連性が疑われることから、副反応疑いの報告基準に類型化して定められているものであります。現在承認されている新型コロナワクチンについては、添付文書上、重大な副反応として血小板減少紫斑病の記載はありませんが、これまでワクチン接種との因果関係が示されていない症状も含め幅広く評価を行っていく必要があると考えており、御指摘の血小板減少性紫斑病も、このような観点から情報収集を行っている症状の一つと承知しております。
○宮本委員 情報収集しているということですけれども、世界全体の情報を是非集めていただいて、国民がリスクとベネフィットについてしっかり正確な情報に基づいて判断できるように、しっかりとした情報提供に努めていただきたいというふうに思います。大臣、参議院に行かなきゃいけないんですよね。退席していただいて結構でございます。
○とかしき委員長 では、田村大臣、御退席いただいて構いません。
○宮本委員 それでは、今日は尾身先生に来ていただきました。東京の感染状況を見ていましても、発症日別で私もいつも見ているんですけれども、二月二十七日が底で、そこから二十八、三月一日、二日と、発症日別で見てもちょっと微増というのがありまして、リバウンドが起きかねない状況かなと思っているんですけれども、ちょっと、今の状況についてどう見ていらっしゃるか、一言いただけますか。〔委員長退席、長尾(敬)委員長代理着席〕
○尾身参考人 今の委員の御質問は、感染の減少のスピードが鈍化して、一部下げ止まりということで、その原因は、一部上がっているところもある、これをどう思うかということですけれども、基本的には、私は、いろいろなデータを分析しますと、緊急事態宣言を発出している、解除された地域もありますけれども、どうも最近になって、比較的高齢の人たちの、いわゆるアクティブシニアといいますか、昼間のカラオケなんということで感染が起きているという部分もある。それから、一部解除した地域なんかを見ますと、ここに来て比較的若い人たちも少し行動が元に戻りつつあるという、行動の変容というのが少し、感染の今、下止まりあるいは一部上昇というようなことの原因と我々は考えております。それと同時に、これから懸念をしなくちゃいけないのは、変異株の発生がどれだけ今回のこの下げ止まりに関与しているかということについてもこれから注意深く見ていかなくちゃいけないので、そういう意味では、同時に変異株のモニタリングというのを今よりも以上に、かなりこれは強力に進めていく必要がある、そんなようなところが今私が考えているところでございます。
○宮本委員 変異株のモニタリングが非常に大事だということと、行動変容が起きてきているのが今の感染増につながっているというお話がありました。様々な対策、分科会でも出されていることだと思うんですけれども、やはりクラスターにつながる感染経路とそれに対する対策について、私は、国民、社会の共通認識にするというのが、これ自体がやはり極めてベースとして大事なことだというふうに思っております。二月二十五日の分科会の提言で、飲食店については換気対策というのが以前よりも前に出てきたというふうに思います。その際、尾身会長の記者会見で、感染の仕方というのは、接触と飛沫だけではなくて、マイクロ飛沫というのは当然あるので、空気を介して風の流れで行くことはあることは、当初よりこの重要性は一層増してきていると思う、こう述べられておりました。このマイクロ飛沫感染、私はエアロゾルだと昨年もちょっと議論させてもらいましたけれども、このマイクロ飛沫感染が当初より一層重要性が増しているという認識の根拠についてお伺いしたいと思います。
○尾身参考人 これは、実は、たしか七月三十日、去年ですね、七月三十日のあれは当時専門家会議というかアドバイザリーボードでこのことをかなり強調して、いわゆる従来の飛沫感染とか接触感染に加えて、いわゆるマイクロ飛沫ということが重要になってきたんじゃないかということを提言、見解を示したわけですけれども、それはなぜかといいますと、いろいろなクラスターの分析をしますと、いわゆる換気の悪い空間では、五マイクロメーターというのが一つの目安になると思いますけれども、五マイクロメーター未満の粒子でも、換気の悪い空間では少し離れた距離でも、これは二メートルとかというのじゃなくて、もう少し離れた距離でも感染をすることがあるのではないかという分析が出てきました。ところで、いわゆる空気感染というのがありますよね。これは結核とかはしか、これはもっと長い距離、こういうことは起きていないんだけれども、それよりも少ない距離で行くんだけれども、いわゆる飛沫とか接触に加えてそういうのがあるんじゃないかということで、マイクロ飛沫ということを我々提案させていただいたわけですけれども。ここに来て、もちろん、接触感染ということで、よくいろいろなところで、アルコールでこういうところを拭くという、このことももちろん大事ですけれども、それと同時、あるいはそれ以上に、マイクロ飛沫感染というものが、これは世界的に見ても重要視されてきているので、いわゆる食事の場なんかにおいても、いわゆる換気というものが今まで以上に重要だというふうに我々は考えている。その理由は、そうしたクラスターの分析で、そういうようなことが起きているというふうに我々は考えているということでございます。
○宮本委員 クラスターの分析からそう導いているということです。先ほど、世界でもそうなってきているというお話がありました。今日、幾つか海外の論文なども資料で配っておりますが、アメリカの国立科学アカデミーの紀要でも、ダイヤモンド・プリンセス号の分析で、五〇%以上がエアロゾル感染だった、そのうち三五%は短い距離よりはもう少し長い距離のエアロゾルだったと。あるいは、エンバイロンメンタル・サイエンス・アンド・テクノロジー・レターズに出ていたタフツ大学の研究では、表面からは接触感染のリスクはそんなに大きくないんだ、エアロゾルや飛沫なんだ、こういう話があります。あるいは、ネイチャーでも、コロナは空気の中にあるんだ、表面に注意が行き過ぎていたということなんかも出ているわけですけれども、こうした海外の論文についてのコメントはありますか。
○尾身参考人 今、委員おっしゃるように、マイクロ飛沫というような感染の伝播の方式が非常に重要になってきているという海外の見解については、私も基本的には同じような見解を持っておりまして、したがって、何度も申し上げますように、飲食の場なんかにおいても、私は換気というものがかなり重要になっている。こういうところを拭くということも重要ですけれども、手を洗うということももちろん重要ですけれども。そういう意味では、飲食の場において二酸化炭素濃度なんかをしっかり定期的にモニターして、我々、今のところは大体一〇〇〇ppmぐらいが目安だと思いますけれども、そんなようにならないように、常に換気を考えるというような食の場における文化というものを徹底していただければと思います。
○宮本委員 今、尾身先生がおっしゃったことは私も大変大事だと思うんですけれども、ただ、なかなかそこがまだ伝わり切れていないなという思いがあります。例えば、先日クラスターが発生したある接待を伴う飲食店は、検温もやっていた、消毒もやっていた、働いている人たちの行動管理も物すごいやっていた。だけれども、一つはお客さんがマスクをしていなかったというのと、あと、換気は二時間に一回だったという話でした。やはり換気が肝だというのをもっと伝わる状況をつくらなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っておりますが、そうしたやはり空気を介して伝わっていくマイクロ飛沫感染がクラスター発生で大変重要な役割を果たしているんだ、それに対する対策としては換気とマスク、これが非常に大事なんだということをもっと国民の共通認識にする上で、何が大事だと会長は考えられているでしょうか。
○尾身参考人 そのことを一般の社会になるべく普及をしていただく、考えがですね、していただくための最も私は有効な方法は、いわゆる飲食店におけるガイドラインというのを国も出していますけれども、そこの中で私は非常に重要だと思うのは、しっかり頑張っていて、今申し上げたような、換気をしっかりやって、二酸化炭素のモニターもしっかりやって、それ以外にももちろん、当然人と人の距離の問題だとか、人数の制限の問題、こうしたパッケージをしっかりやっている店について、しっかりと国、自治体、業者の団体が協力をして、いいかげんなものじゃなくて、しっかりした認定制度で、この店はしっかりやっていますよということを認定して、そこに一般の市民が分かって、そうした一生懸命頑張った店にはお客さんが多く行くような、そういう仕組みというか、そういう仕掛けというものを早急に私はつくる必要があるというふうに思っております。
○宮本委員 お店と同時に、私、実は厚労省も、いろいろなものを発信するのは、もっと変えた方がいいんじゃないかと思っているんですね。厚労省はホームページでいつも新型コロナウイルス感染症の今の知識というのをバージョンアップしているわけですけれども、これを見ても、新型コロナウイルス感染症は主に飛沫感染や接触感染によって感染するというふうに書くわけですよね。そうすると、これが何をもたらすのかということなんですけれども、あるクラスターが発生した医療機関のホームページを見ていましたら、こう書いていました。空気感染しないことから、密閉に費やす努力を密集と密接に振り向けてほしいと書いてあるわけですよ、ホームページに、コロナの。だけれども、密閉対策は物すごい大事なわけですよね、今。換気をよくする、常時換気が私は一番いいと思いますけれども。そういうことからしたら、やはり飛沫と接触が中心なんだということではなくて、マイクロ飛沫、私はエアロゾルということを言っていますけれども、マイクロ飛沫は、空気を介してのマイクロ飛沫、エアロゾルが、これが大事なんだ、感染として、クラスター発生には重要なんだということをもっといろんな点で厚労省自身が強調するようにしなきゃいけないんじゃないかと思うんですけれども、その点は、尾身会長の見解をお伺いします。〔長尾(敬)委員長代理退席、委員長着席〕
○尾身参考人 私は、飛沫の接触、つまり手洗いだとかマスク、これをやらなくてよくて換気だけということはなくて、私は、換気をやることも非常に重要だというメッセージは今までよりももう少し強く出してもいいんじゃないかというふうに思います。
○宮本委員 厚労省のホームページ、ちょっと、局長、改めてもらっていいですか。
○正林政府参考人 感染経路をきちんと特定するというのは非常に難しいと思います。飛沫もあれば、接触もあれば、いろんな場合があると思います。もちろん、マイクロ飛沫というのも考えられると思います。可能な限りエビデンスに基づいてホームページでPRしようと思いますが、引き続き、きちんとエビデンスに基づきながら、必要な情報をしっかりと提供していきたいと思います。
○宮本委員 私は本当に、尾身会長と同じような認識を、やはり厚労省を先頭に日本社会に広げていくというのが、実は実効再生産数を落とす上でも非常に大事だというふうに思いますので、しっかり検討いただきたいと思います。それから、尾身会長、最後に検査についてもお伺いしたいんですけれども、今、変異株も含めてのモニタリングも大事だというお話がありました。あとは、いろんなところ、予兆をつかむためのモニタリング検査ということを言われていますが、それと同時に、私自身は、陽性者が確認された場合の検査って今は濃厚接触者ですよね。でも、変異株は感染力が高まっていますので、やはり濃厚接触止まりではなくて、一定時間同じ空間にいた人、もうちょっと広く、しっかり検査を行う必要があるんじゃないかということと、あと、高齢者施設ですね。これは今一回検査しようということで言っていますけれども、やはり頻回、週一、二回ぐらい、頻度も含めてしっかり示して検査をする。やはり、がんじゃないですから、感染症は、今日の検査の陰性があしたの陰性を証明するものじゃないですから、頻回の検査というのをしっかりやっていく必要があるんじゃないかと思います。その点の見解を、検査について二点お伺いしたいと思います。
○尾身参考人 委員の御質問は二つで、一つは、濃厚接触者以外にももう少し検査を広げた方がいいんじゃないかということがまず一点だったと思いますけれども。実は今、国にも、だんだんそういうふうに今やってくれていまして、各都道府県で少しずつ始まっていますけれども、いわゆる無症状者に対する検査というものが、今委員言及されていると思いますけれども、これについては、感染のリスクが比較的高い、別の言葉では、検査前確率が高いというところについては、これはかなり集中的にその周辺も、濃厚接触者なんということだけじゃなくて、かなり、キャパシティーの問題がありますけれども、幅広にやるというのがこれからは特に私は重要だと思っています。それから、二つ目の御質問の、いわゆる高齢者施設での検査の頻回かどうかというのは、これは当然、なるべくたくさん、頻回にやった方がいいということで、これはキャパシティーとの相談ですけれども、一回だけというのはほとんど意味がありませんので、インターバルを置いて、なるべくキャパシティーの許す限り頻回にやった方がいいというのは、これは当然のことだと思います。
○宮本委員 大変明快な答弁をいただいたと思いますので、厚労省も、是非、尾身会長の言われたことを受け止めて、検査も具体化していただきたいと思います。時間になってしまったので本当に申し訳ないんですけれども、今日、内閣府に来ていただいていたわけですけれども、一言だけ申し上げますけれども、換気対策は非常に大事ですので、CO2モニターを活用しての、しっかり測定して、援助する、こういう取組を是非しっかりと援助していただきたいと思うんですよね。豊橋市の保健所なんかは、衛生監視員の方々が組をつくってCO2モニターを持って回っているというお話もありました。自治体、業界団体、そして商店街、商工会なんかの皆さんの力をかりて是非やっていただきたいということを申し上げまして、時間になりましたので、質問を終わります。ありがとうございました。