2021年4月19日 衆院決算行政監視委員会 都心での米軍ヘリ低空飛行訓練、属国状態からぬけだすべき
日本共産党の宮本徹議員は19日、衆院決算行政監視委員会で、米軍ヘリが東京都心で繰り返している無法な低空飛行訓練について政府の認識をただしました。
宮本氏は、3月の予算委員会で米軍に事実関係の確認を求めた最低安全高度への違反が疑われる17回の飛行について、その後回答はあったのか質問。岸信夫防衛相は、米軍から「日本の航空法と整合的な米軍の規則に違反した飛行があったことは確認されていない。報道されている飛行から時間がたっており、詳細な事実関係の確認がなかなか容易ではない」との説明があったと述べました。
宮本氏は「米軍の説明をうのみにしているだけだ」と批判し、政府は米軍から飛行規則の提供をうけているのかと追及しました。茂木敏充外相は、米側とのさまざまなやりとりの内容は外交安全保障に関わるとして答えませんでした。
宮本氏は、防衛省が住民からの苦情を3カ月に1度まとめて米軍に伝えていることについて、「それで米軍は事実関係の確認や再発防止が徹底できるのか」とただしました。岸防衛相は「一定期間の苦情を集めることで傾向が明らかになる」と述べるだけで、まともに答弁できませんでした。宮本氏は「危険な飛行があったら政府は直ちに抗議をする姿勢があってこそ、米軍の無法な低空飛行訓練を正すことができる」と強調しました。
以上2021年4月20日付赤旗日刊紙より抜粋
≪2021年4月19日 第204回衆院決算行政監視委員会第2号 議事録≫
○馬淵委員長 これより質疑に入ります。質疑の申出がありますので、順次これを許します。宮本徹君。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。今日は、決算行政監視委員会であります。国会と行政府との間の問題で大変ゆゆしき問題がありますので、一点、その点をお伺いしたいと思います。昨年秋から私が提出を求めている公文書が提出されません。こういうふうに求めたんですね、二〇一九年五月十三日決算行政監視委員会及び同年五月二十一日の財務金融委員会における桜を見る会に関する答弁資料(国会に関する資料 令和元年度 作成・取得者 内閣府大臣官房総務課長)を全て提出されたいと。回答、お求めにつきましては、業務多忙につき、対応できておりませんと。何ですか、これ。ある資料を出さない。私は、この桜を見る会の当初の答弁は虚偽答弁だったということを、昨年、予算委員会でも明らかにしましたけれども、その資料ぐらいちゃんと取っておこうと思いまして、求めたら、業務多忙で出せませんと。あり得ない話ですよ。官房長官、これは出しますと言ったらお帰りいただいて結構ですので、一言お答えください。
○加藤国務大臣 お尋ねの二〇一九年五月の衆議院決算行政監視委員会、当委員会及び財務金融委員会における桜を見る会について質疑の際の答弁資料とは、両委員会における宮本徹議員に対する政府の答弁資料を指すものと承知をしております。当該資料要求についてはできるだけ速やかに対応するようと私の方からも指示をしているところであります。
○宮本委員 できるだけ速やかにといっても、それはもう半年どころじゃないわけですよね。これ、あり得ない話ですよね。官房長官から、できるだけ速やかに出してくれと指示をしたということですけれども、普通はあり得ない対応ですよね。その点だけ確認したいと思います。
○加藤国務大臣 委員からのみならず、様々な資料要求もいただいております。一定のメンバーでやらせていただいているということでありますので、その中でできる限りの対応をしていることは御理解いただきたいと思います。
○宮本委員 いやいやいやいや、私、いろいろな省庁にいろいろな資料要求しますけれども、防衛省だって、まあ黒塗りはたくさんありますけれども、出してきますよ。今まで出てこなかったことというのは加計問題と桜を見る会だけですからね、私が今まで資料要求して出てこないことがあったというのは。何でこういうことになると出てこないのかというのは、本当に、行政への不信にもつながりますし、立法府と行政府との関係をゆがめることになりますので、しっかりと対応をお願いしたいということを申し上げまして、今日はお忙しいところありがとうございました、御退席いただいて結構でございます。
○馬淵委員長 加藤官房長官、御退席をお願いします。
○宮本委員 さて、今日は予備費の審議でございます。米軍基地爆音訴訟の賠償金関連の支出が計上されております。まず、事実をお伺いしますけれども、一連の米軍基地爆音訴訟について、これまでの判決での賠償額及び遅延損害金の総額は幾らなのか、そのうち米側が負担したものは幾らなのか。
○岸国務大臣 令和三年四月十九日現在、在日米軍基地に係る航空機騒音訴訟において、防衛省が原告に支払った損害賠償額の総額は約七百六億円であります。この内訳としては、損害賠償金約五百四十八億円、それから遅延損害金の約百五十八億円であります。また、これまで米側から損害賠償金等の負担はございません。
○宮本委員 これ、七百六億円のうち、アメリカ側が負担したものはないということなんですよね。日米地位協定十八条では、御存じのとおり、米軍に責任があるものは米側が七五%負担するということになっているわけであります。これは、私、もう何回も国会の審議でも求めてきましたけれども、やはり、この爆音訴訟の賠償金について、しっかり、日米地位協定に基づいてアメリカ側に負担させなきゃ駄目だと思うんですよね。このアメリカ側に負担を求める協議というのは、この間、どのレベルで、どこまで進んできているんですか。
○岸国務大臣 米軍機による騒音に係る訴訟に関する損害賠償金等の日米地位協定に基づく負担の在り方については、日本政府の立場と米国政府の立場が異なっていることから妥結を見ていないもの、このように承知をしております。日本政府としては、米国政府に対して損害賠償金等の負担を要請するとの立場で引き続き協議を重ねてまいりたいと考えております。
○宮本委員 地位協定では、七五%は米側が負担する、アメリカに責任があるものはそうなっているわけですから、日本政府が要請するのは当然なわけですけれども、進んでいないわけですよ、その話合いが。ですから、先ほど、どのレベルでやっているんですかということをお伺いしたわけです。相当高いレベルでやっているんですか。
○岸国務大臣 これについては、今、事務的に様々なレベルで行っておるところでございます。
○宮本委員 ですから、そういう事務的なレベルでやっていて進まないじゃないですか。本来だったら、せっかく総理がアメリカに行ったんだから、こういうことこそ解決しなきゃいけないんじゃないかと私は思いますよ。こういうのを手をつけずに、幾ら、日米同盟が強固だ強固だ、そんなことを言ったって、結局、属国同盟じゃないですか、これじゃ。引き続き、しっかり、高いレベルで働きかけていただきたいと思いますが、これ、茂木外務大臣、どうですか。
○茂木国務大臣 まず、日米防衛同盟について、宮本委員から、属国同盟ではないかと、どこか違う国が言っているような御批判をいただいておりますけれども、決してそんなことはないと思っております。今回の日米首脳会談、バイデン政権が発足して最初に行われた外国首脳との会談ということでありまして、世界から注目をされる、そういった中で、今や日米同盟は、単に二国間の関係ではない、まさに地域そして世界の平和、安定、繁栄の礎、コーナーストーンになっているということを世界に向けて強く発信した、そのように考えております。さらには、今の日本を取り巻きます地域の安全保障環境を考えたときに、日米同盟の抑止力、対処力をしっかりと強化していく、こういったことでも合意をいたしておりますし、今、力による一方的な現状変更の試み、こういったものに対する懸念が強まる中で、日米が同志国、さらには同盟国と協力しながら、結束した力で、我々が共有してきた民主主義、基本的人権の尊重、法の支配、こういった普遍的な価値についてしっかり守っていく、こういったことも確認をされていると思っております。
○宮本委員 いや、私は、日米同盟についての解説を、思いを述べてくださいと言ったわけじゃないんですよね。高いレベルでちゃんと働きかけないと、こういう、日米地位協定に基づいて日本が当たり前に求めていることすらアメリカ側の同意も得られないじゃないですかということを申し上げたわけですよ。だから、そういうところにしっかり臨んでいこうとしないところが、私は属国同盟じゃないかということを申し上げているわけです。これ以上お答えがないので次に行きますけれども、首都での米軍ヘリの低空飛行について、私、三月の予算委員会で取り上げさせていただきました。最低安全高度違反が疑われる飛行について米側に事実関係を確認するように求めました。その際、防衛大臣からは米側に確認中と答弁がありました。その後、回答はあったんでしょうか。
○岸国務大臣 三月二日の予算委員会において、委員の御質問に対しまして、事実関係を確認中である旨を申し上げた件につきましては、在日米軍のハイレベルを含め、引き続き様々なやり取りを行っているところでございます。その上で、予算委員会における質疑の後、米側からは、ICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則に違反する飛行があったことは確認されていない、報道されている飛行から時間がたっていることもあり、詳細な事実関係の確認は容易ではない、もちろん、飛行に当たっての安全確保は最優先事項である、米軍の飛行はICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍規則に従って行われている、各部隊には米軍の規則に従った飛行を徹底するよう改めて指示した、このような説明を受けているところでございます。防衛省として、引き続き、米側に対して、安全面に最大限の配慮をし、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう強く求めていくとともに、飛行に当たっての安全確保は最優先の課題として、日米で協力して取り組んでまいります。
○宮本委員 動画を見ていただきましたけれども、最低安全高度以下の飛行だというのは、これははっきりしているということが言えると思うんですよね。それで、先ほど、ICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則に違反する飛行があったことは確認されていないというふうに米側が述べているということなんですけれども、この整合的というのはどういうことなのかというのがいまいち分からないわけですよね。米軍の規則には日本の航空法と同一の規定が置かれているのか、それとも、全てが同じというわけではなく、何らかの例外的な規定が置かれているのか。その点、いかがですか。
○岸国務大臣 御指摘のとおり、米側からは、米軍機の飛行はICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われているとの説明を受けているところでございます。政府として、米側によるこのような説明の内容の詳細について有権的に申し上げる立場にはございませんが、米軍の規則がICAOのルールや日本の航空法とそごのないということを説明しているものと認識をしているところでございます。
○宮本委員 今の答弁だと、米側の説明をそのままうのみにしているということですか。ちょっと確認しますけれども、日本政府は、米軍から飛行に当たっての規則というのは提供を受けているんですか。
○茂木国務大臣 合同委員会合意において、まず、一九九九年、低空飛行訓練についてこう書いてありまして、「日本において実施される軍事訓練は、日米安全保障条約の目的を支えることに役立つものである。」「戦闘即応態勢を維持するために必要とされる技能の一つが低空飛行訓練であり、これは日本で活動する米軍の不可欠な訓練所要を構成する。安全性が最重要であることから、在日米軍は低空飛行訓練を実施する際に安全性を最大限確保する。」とした上で、六項目ございますが、そのうちの二項目めで、御指摘の、「在日米軍は、国際民間航空機関(ICAO)や日本の航空法により規定される最低高度基準を用いており、低空飛行訓練を実施する際、同一の米軍飛行高度規制を現在適用している。」と。この「同一の米軍飛行高度規制」、これがいわゆるICAOや日本の航空法と整合的な米軍の規則であるということであります。先ほど来、米軍のハイレベルといろいろなやり取りをしているか、こういう御指摘をいただきましたが、飛行訓練を含めまして、米軍の運用に関しましては、安全性が最大限確保されることは極めて重要であると考えておりまして、私も、シュナイダー在日米軍司令官やデービッドソン・インド太平洋軍司令官、さらにはブリンケン国務長官、オースティン国防長官に対しまして、累次にわたり申入れを行ってきております。米側とは様々なやり取りをやっておりますが、そういった中で、ICAOのルール、そして日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って訓練が行われている、このような確認を取っております。
○宮本委員 確認を取っていると言うんですけれども、どう確認したのかということで、米軍自体の規則というのを日本政府は提供を受けているんですか。そのものを見ているんですか。整合的なのかどうなのかというのを確認を実際にしているのかということですよ。
○茂木国務大臣 外交、さらに安全保障に関しまして、日本と米側は様々な詳細にわたりますやり取りを行っております。ただ、そのやり取りの内容につきましては、まさに日本の外交、安全保障そのものに関わる問題でありますから、答弁の方は控えさせていただきますが、日本と米側の考え、こういったものにそごはない、そう考えております。
○宮本委員 驚きましたね。米側から規則の提供を受けているかどうかなんて、安全保障に関わらないじゃないですか。別にそんなの、答弁を控えるような話じゃないですよ。ということは、結局、提供を受けずに、米側の説明をうのみにしている、そういうことなんじゃないですか。とにかく、最低安全高度以下の飛行というのは、動画で見ても明々白々であります。これがなぜ違反は確認されないという米側の結論になるのか、極めて不可解と言わなければなりません。関係する米軍の規則を提出いただくよう求めておきたいと思います。それからもう一点、米側は時間がたっているから確認が容易でないと言っているようですが、米軍は飛行記録をどれだけの期間、残しているんですか。
○岸国務大臣 米軍内における管理運用に関することでありまして、防衛省として承知はしておりません。
○宮本委員 米軍が飛行記録をどれだけ保管しているか承知していないと。私は、だから、質問通告を二日前に、二日前というか、先週早い段階でしているわけですけれども、米側に聞くこともしなかったわけですか。
○岸国務大臣 大切なことは、米軍の運用が地域の皆様に、生活環境等に対して与える影響を最小限にするということであります。そのために、関係機関が緊密に連携をし、全力を尽くすということであります。このような観点から、米軍の飛行をめぐる問題について米軍と様々なやり取りを行っているところでありますが、今回のやり取りについて予断を持ってお答えすることは困難でございます。
○宮本委員 いや、全然聞いたことに答えないわけですけれども。時間がたっているからアメリカの側が確認できないと。普通だったら、アメリカ側に飛行記録が残っているでしょうと聞くでしょう。それを承知していないというのは何を聞いているのかなと私は思いますよ、米側に。それで、次の質問に行きますけれども、四月十一日付の毎日新聞によりますと、防衛省は、米軍ヘリの可能性があるものとして、二〇一七年度以降に東京二十三区の市民から受けた騒音など計百七十八件の苦情内容を米側に通知しているということであります。三か月分まとめて米側に伝えているということなんですよね。そんな大ざっぱなやり方では、米軍は、事実関係の確認や再発防止の徹底など、できようがないんじゃないですか。
○岸国務大臣 防衛省として、寄せられた苦情については、自衛隊機に関するものをまず除いた上で、可能な限り具体的かつ正確に米側へ伝えることが最重要と考えております。さらに、寄せられる苦情には、飛行から数日経過したものなど、様々なケースがあります。一定の期間の苦情を集めることで、その傾向が明らかとなり、米側に対してより明確に実態を伝えることができることから、四半期に一つの目安として通知しているものでございます。いずれにせよ、防衛省としては、引き続き、地域の住民の皆様の声をできる限り具体的かつ正確に米側へ伝えられるように努めるとともに、米側に対して妥当な配慮を求めてまいりたいと考えております。
○宮本委員 いや、私が聞いたことに答えてくださいよ。その都度その都度確認するんじゃなくて三か月に一回まとめてというやり方だと、アメリカ側も今回、時間がたっているから、昔のことなので分からないなんて、こんなふざけた回答をしてくるわけじゃないですか。その都度その都度確認をするということが必要なんじゃないですか。三か月に一回というずさんなやり方だから、この飛行が事実かどうかという確認すらできない、こういう事態になっているんじゃないですか。
○岸国務大臣 繰り返しになりますけれども、苦情の中には、飛行から数日経過したものなど、様々なケースが含まれております。そういう意味で、一定の期間の苦情を集めることで、その傾向を明らかにして、米側に対してより明確に実態を伝える、このことが重要であると考えて、四半期に一つの目安として通知をしているということでございます。
○宮本委員 全然聞いたことに答えていないじゃないですか。元々、二〇一七年の夏までは、住民から苦情があったら、その都度その都度、防衛省は米側に確認していたんですよ、その都度その都度。ところが、米側から、これからは回答しないという、突然、大変横柄な態度が示されて、それから、逐一の飛行の確認を、日本政府は、防衛省は米側に求めなくなったんですよ。それが経過ですよね。それで、三か月まとめて一回、こういうやり方をやっているから、米側が、それはもう、今回の飛行については確認のしようがありません、時間がたっていますからと、こんなふざけた回答を許すことになっているんじゃないですか。これは、一回一回米側に確認する、苦情があったら、あるいは問題がある飛行があったら確認する、こういうことを再度やる必要があるんじゃないですか。そのことを聞いているわけです。
○岸国務大臣 先ほども申しましたけれども、苦情の中には様々な事情のケースがございます。飛行から数日経過したものというものもあるわけですから、全体の傾向をしっかり把握をして、米側に伝えて、より明確に実態を伝えることが何より重要と考えているところでございますので、ある程度の苦情をまとめて通知をしているというところでございます。
○宮本委員 それでどうやって一回一回の飛行の事実の確認をするんですか。
○岸国務大臣 三か月まとめておりますけれども、その中で一つ一つについては正確に伝えているということでございます。
○宮本委員 伝えるんじゃなくて、米側からの確認は取れるんですかと聞いているわけですよ、三か月以上たってからというやり方で。
○岸国務大臣 まず正確に実態を米側に伝えて、その上で日米間で様々なやり取りを行っているところでございます。
○宮本委員 聞いたことに答えていません、全く。事実確認が、三か月に一回じゃできないじゃないですかと。米側が実際、そう返事をしているじゃないですか。だったら、今までのこのやり方を改めてかつてのやり方に戻す、一々、一つ一つ米側に確認する、本来そういうことが必要なんじゃないですか。役人の作ったペーパーを同じように繰り返すんじゃなくて、政治家としての、国民の命と安全を守る、この立場での対応が私は求められていると思いますよ。
○岸国務大臣 同じ航空機に対する苦情でも、それが例えば何日も続くということもあります。そうした状況を正確に、まとめて伝えることによって、彼らに状況を正確に把握させるということが重要であるということから、まとめて報告、通報しているということでございます。そのことが米側からの回答がないことの理由にはなっていないというふうに思います。
○宮本委員 三か月まとめて苦情を伝える際、米軍には事実関係を確認し報告するよう求めているんですか。
○岸国務大臣 三か月に一度の通知の後、その状況についてまとめてやり取りを行っているということでございます。様々なやり取りを行っているということでございます。
○宮本委員 いや、様々なやり取りというふうにごまかした言い方はせずに、事実関係を確認し報告するよう米側には求めているんですか。
○岸国務大臣 三か月まとめて通知をして、その上で先方からの回答を求めているところであります。
○宮本委員 それで米側からはどう回答が来るんですか。今回みたいに、時間がたったから確認しようがありません、そういう回答が来ているんじゃないですか。
○岸国務大臣 米側との細かいやり取りについては一々答弁を差し控えたいと思いますけれども、様々なやり取りの中で先方から回答を求めるように協議をしているところでございます。
○宮本委員 ですから、米側から、こうこうこういう事実がありました、こういう回答がありました、そういうことすら言えないわけですよ。一つ一つの飛行の確認を取らずにやってきたから、こうした今日の事態を招いているんじゃないですか。確認しますけれども、二〇一七年八月以降、住民の苦情等を受けて個別に米軍機の飛行について照会したことというのはありますか。あれば、その件数を教えてください。
○岸国務大臣 防衛省は、住民から寄せられた苦情等について、自衛隊機の飛行の該当性がないことを確認した上で、米軍機と思われる航空機の飛行として、その内容を具体的に、かつ正確に米側に伝えて、地元の皆様の生活に与える影響を最小限にとどめるように配慮を求めているところであります。その上で、個別に米側に照会した件数については、電話等、様々な方法で行っており、網羅的に確認をしお答えすることは困難ですが、例えば、関係自治体等から米軍機の飛行高度等の事実関係について照会があった場合には、その都度米側に確認をし、得られた回答について、関係自治体等へ適切に情報提供を行っているところであります。
○宮本委員 自治体に回答しているんだったら数は分かるはずですので、後でそれは出していただきたいというふうに思います。いずれにしても、毎回毎回、危ない危険な飛行があったら、それは日本政府として直ちに抗議をする、こういう姿勢があってこそ、米軍の無法な低空飛行訓練について正すことができるわけですよ。そういう姿勢を求めたいというふうに思います。あと、九九年の合意に関わってお伺いしたいことがあります。政府は、この間の国会質疑で、米軍機の低空飛行訓練に関する九九年の日米合同委員会合意について、航空機の定義が置かれていないと答弁をしております。日本政府としては、この合意はどのような航空機を対象としたものと認識しているのか。また、米側はどういう認識なのか。米軍は、九九年合意は固定翼ジェット機を対象にしたもので、ヘリは適用されていないと毎日新聞に対して言っているわけですが、米軍はそういう認識なのか。この点についてお伺いいたします。
○茂木国務大臣 個別の報道について一つ一つお答えすることは差し控えますが、米側とは様々なやり取りを行っておりまして、米側からは、飛行に当たっての安全確保は最優先でありまして、従来から米軍の飛行はICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われていると説明を受けております。また、ICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われている米軍の飛行に例外があるとは承知をいたしておりません。
○宮本委員 つまり、ちゃんと私の質問に答えていないと思うんですけれども、日本側の認識と米側の認識、九九年合意についてはそれぞれどういう認識なのかというのをお伺いいたします。
○馬淵委員長 宮本君、申合せの時間が経過しております。(宮本委員「いや、質問に答えていない」と呼ぶ)最後の質問で。
○茂木国務大臣 今申し上げたことについて日米間にそごはないと考えております。
○宮本委員 米側が毎日新聞に対して文書で答えていることと日本政府が言っていることとの間に差があるわけですよね。この点について文書で回答を求めて、質問を終わります。